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缶チューハイ

春子は必死でその晩のことを思い出していた。

全てはうまく行っていたのに何故?


夜10時、予想どうりヨネの寝室あたりの灯が

ぽつんと点いているだけで皆寝静まっていた。

静かに車を止めてそっと玄関のチャイムを押す。


ヨネの寝室でまだ話しをしていた清一が気づき、

「誰だろう今頃?ちょっと見てくる」

と言って部屋を出た。


玄関には神妙に清二と春子が立っている。

ヨネが奥から雰囲気を察して出てきた。

清二が今までになく神妙に、


「かあさん、にいさん。この間は乱暴を働いて

本当にごめん。今日は春子と謝りに来た」

「まあ、どこまでがほんとうかね?」


「あげてやりなよ、かあさん。すぐ帰るんだろ、清二?」

「ああ、この新発売のチューハイを一缶、兄貴と仲直り

の乾杯をしたらすぐ帰る」


と言って清二は手に提げていた缶の入った袋を持ち上げた。

「そうか、じゃあ俺たちは厨房でいいよ。

こりゃまたたくさん持ってきてくれたなあ」


清一は清二から袋を受け取り厨房へ向かう。

ヨネと春子は部屋に入った。


清二は清一に親しげに話しかける。

「ああ、新発売であっさりしていてうまい」


その晩亜紀はいつものように小百合と一緒にヨシの部屋で

寝ていた。皆が眠りについた頃喉が渇いて厨房へ立った。


冷蔵庫を開けてジュースを飲み扉を閉めた時、

廊下に足音といつもと違う男の人の声が聞こえた。

亜紀はスーッと冷蔵庫の陰に身を隠す。


清二が先に入ってくる。

「このチューハイ、コップにとくとくと移して、

一気に飲むとうまいんじゃ」


「ふーん」

後から入ってきた清一は椅子に腰掛け缶のラベルに見入っている。

清二が棚からコップを二つだし、流し台の丸盆の上におく。

缶チューハイをコップに注ぎ向こう側に薬を入れる。


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