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私達の最良の時/私達は幸いなる少数  作者: MV E.Satow maru
第1章 私達の最良の時
9/79

2020年1月下旬(3)

(承前)


古城こじょうミフユ


 翌日夜、私は再び四人の訪問を受けて食堂へ連れて行かれた。中谷なかたにさんが再び先頭を切って話し始めた。


「古城さん。絶対に歌は上手くなる。上手くさせる事は約束する。あと古城さんの衣装は北見きたみ先輩が作ってくれるんだけど、これはバンドからのプレゼントという事で記念にもなるよ」

「衣装ってどんなのです。曲は昨夜、西田にしださんが送ってくれたサイトの音源聞きましたけど」


これは衣装担当だという北見きたみ先輩が答えてくれた。


「古城さん用の衣装はカッコいいユニセックスなデザインにするよ。ラフ案描いたら見せるからさ」

「私、制服もスラックス選んでますし普段着もだいたいパンツルックなんですけど」

「大丈夫。そういう要望も当然聞いて作るから」


そう北見きたみ先輩は言ってくれた。


 北見先輩お手製の衣装はちょっとみてみたい気もする。それ以上に昨夜から聞き込んでいるティエンフェイの音楽がとても好きになっていた。


 あんなヘヴィーローテーションするとは思わなかったし。

西田にしださんの歌も歌詞も好きだし、この人達の音楽も良かった。ただ自分の歌がそれに合ってると信じ込んでいる中谷なかたにさんとみんなの判断は何なのか自分には理解出来ない話だった事が躊躇ちゅうちょの元だった。


「私、バイトをやってますけど、そちらに迷惑を掛けない範囲なら。あと私の音痴を直せるなら引き受けます」


中谷なかたにさんは満面の笑顔になった。


「ほんと?うれしい。音痴はある程度直せるから。音楽なんてさ、なんでドレミファソラシドってなってるのかって思わない?」


まあ、確かにそうかなと思いながら頷いておいた。


「実際音階が異なる音楽だってあるからね。学ぶものであって後天的なものだから。ちゃんと歌えるようになる方法はあるし、それで古城さんの音高・音階認識は対策できると思うから。信じて。歌は上手くなるよ」


身を乗り出してきた中谷なかたにさん。机が揺れた。


「そして持ち歌を古城さんが歌ったらみんな乗ってあなたの名前を連呼させて見せてあげる」


それはちょっと。


「そういう人達は苦手です」


 中谷なかたにさん、地雷を踏んだと思ったらしい。すぐ切り替えてきた。


「分かった。名前は何かバンドの時のニックネームを決めよう」


私も踏ん切りがついた。


「そういう事なら引き受けます」


中谷なかたにさん、比嘉ひがさん、北見きたみさん、西田にしださんの四人はみんな大破顔した。特に西田にしださんが喜んでくれた。


「古城さん、ありがとう。何年か先、いい思い出になるように一緒に頑張ろうね」


 この後、どんな練習が待っているか分かったらみんなの台詞に嘘がない事はよく分かったと思う。そういう私の前向きな努力の意欲を削ぐような事は言わなかったのだとは無論分かっているけど想像以上にハードだった。

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