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私達の最良の時/私達は幸いなる少数  作者: MV E.Satow maru
第3章 私達は幸いなる少数
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3年後 エピローグ

中谷皆美なかたにみなみ


 「ティエンフェイ様」と書かれたプレートがある楽屋で私は演奏本番のための支度をしていた。


 ヴォーカル&ギターは智絵美ちえみちゃん。レギュラーメンバーのベースとキーボード、もう一人のヴォーカルは年1回程度しか出演が無理なのでいつもお願いしているサポート奏者に来てもらっている。


 マネージャーの人が顔をのぞかせた。


中谷ちゅうやさん、時間だしそろそろ舞台袖に行って」

「はーい。チケット4枚は受付に?」

「もち。受付に渡してお願いしてあるから」


メンバーが参加してない時はもしなにかのはずみで予定が空いて来れたら入れるようにチケットを預けていた。冬ちゃん、ふーちゃん、朱里しゅり先輩。そしてあいつの分だ。


「ごめんね。ありがとう」


マネージャーは笑顔で応じると「急いでね」といってドアを閉めて行った。


 私はアクセサリー入れの中からあるネックレスを取り出すと身に付けた。シネマ・コンサートの日、摩耶まーやのご両親から持っていて欲しいと頼まれた四分音符のネックレスだった。あの瞬間、私は海の仕事ではなく音楽の道を選び、こうして演奏活動を続けている。


 琴乃さんに相談したら大学を出たらうちでしごいてあげるから来てねといってくれた。智絵美ちえみちゃんは何で気付いたのか分からないけど私と一緒にりたいと言ってくれた。

 そして大学四回生になった時、ティエンフェイのみんなに卒業したら音楽の道を行く事、その時は私と智絵美ちえみちゃんでバンドをやると報告したら、みんなから応援すると言われた。そしてそれなら「二人が嫌でないなら新生ティエンフェイとして続けたらどう?」と言ってくれた。その時に私はこう返したのだった。


「それなら常勤メンバーは私と智絵美ちえみちゃんになるね。みんな辞めるとか思ってないし」


みんな、爆笑して私の提案を受け入れてくれた。

みんな、学校を卒業した後の道は違えたけどこうやって摩耶まーやとみんなで始めたバンドは今もメロディとリズムを奏でている。


 ティエンフェイは今、智絵美ちえみちゃんの本業の俳優の仕事を縫ってレコーディングやライブツアーをやっている。今日はブラス・フリートのホーちゃんも客演で参加してくれている。彼女のペット演奏はとっても大好きなので楽しみだ。


中谷ちゅうやちゃん、まだ?ホーちゃんも待ってるし、そろそろ来てよ」


 智絵美ちえみちゃんがドアをガバッと開けて顔を突っ込んで来た。うちのヴォーカル&ギター。大学に入って一段とかわいらしくきれいになったけど、歌やギターだけでなく作曲でも才能を見せ始めている。同じバンドメンバー、作詞担当としてはうれしい。私も負けてられないやって思う。


「行く、行く」


 私は鏡台の前に置いた写真立てを見た。その写真立てには摩耶まーやと私の大学入学式の記念写真、シネマ・コンサートでティエンフェイ、ブラス・フリートやコメット・ストリングス、琴乃さんや新山監督、大井先生兄弟、プロオケの人達と一緒に賑やかに映り込んだ記念写真が入っていた。


私はお守りにしている写真立てのみんな、そして摩耶まーやに「一発かましてくるよ」ってサムアップで挨拶するとスティックを手に部屋を出た。


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