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私達の最良の時/私達は幸いなる少数  作者: MV E.Satow maru
第1章 私達の最良の時
7/79

2020年1月下旬(1) 

古城こじょうミフユ


 夜、女子学生寮の自室で寝巻き代わりの大学トレーナーに着替えてデスクランプをつけて翌日の勉強をしているとドアがノックされた。


「はーい。開いてますよ」


と言うとドアがいきなり大きく開かれた。そこには1回上の北見朱理きたみあかり先輩と同級生の中谷皆美なかたにみなみ西田摩耶にしだまや比嘉ひがふみよの四人が立っていた。みんなも私と同様にトレーナー姿だった。


「折り入って話があるんだけど、ここじゃなんだから食堂に来てくれない?コーヒーを奢るからさあ」


中谷なかたにさんが代表して言ってきた。すかさずその飲み物はどの程度のグレードを想定しているか聞いてみた。


「本物?」


すぐ答えが帰ってこない。あー、中谷なかたにさん。インスタントコーヒーを考えていたよね。そう思わせる間の後で清水の舞台から落ちて骨折する事にしたらしい。


「い、いいよ。レギュラーコーヒー奢るから」


 私はトレーナー姿のまま部屋を出て一階の食堂へと一緒に降りた。

食堂の一角に寮生が自主管理している区画があって簡単な自炊や飲み物を作れる事が出来た。コーヒーや紅茶も置いてあって使った分の金額を備え付けの代金収納用の貯金箱に入れたらいいようになっていた。


中谷なかたにさんが北見きたみ先輩や西田にしださん、比嘉ひがさんをつついて小銭を集めると「食堂管理委員会」と書かれた貯金箱にお金を入れてコーヒーサーバーの上にドリッパーとペーパーフィルターをセットしてたっぷりコーヒー豆の粉を入れた。


「全部中谷さんたち持ちでは悪いから私が淹れるよ」


そう声を掛けた。


「じゃあ古城さん、よろしく」


 中谷なかたにさんはあっさりと後の工程を私に譲ってくれた。コーヒーへの執念が強いお母さんに似てしまったようで下手な淹れ方されるなら自分でやった方がいいやと思うようになってしまった。まさかこんな所が似るとはねえと自分でも呆れる。

お湯を少しドリッパーに入れて蒸らすと聞いた。


「で、一体どういう話なの?」


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