2021年7月(2)
ホーレイシア・コリングウッド
今日はブラス・フリートとコメット・ストリングスとの合同練習で練習スタジオに入っていた。
休憩中にふと冬ちゃんにメッセをしてみたのだった。とりとめのないメッセのやり取り。相変わらず取り付く島がなかった。溜息。スマフォの電源を切ってトートバッグに仕舞う。そして傍らに置いていた冷たいお茶を入れてあるステンレスボトルから一口飲んでため息をついた。
光がそんな私の様子を見ていて視線が合った。
「光、どうかした?」
「スマフォの相手ってティエンフェイの子?」
光も気になるらしい。
「うん。冬ちゃんとちょっとくだらない話をしてた」
この間、メッセでやり取りした時は映画からアプローチしたけど音楽に話が及ぶと拒否された。今日は新しく作った曲を送って感想を聞いたけど「いいね」とは答えてくれたけどそこまでだった。
「様子はどう?」
「相変わらずかな。音楽の話はシャットアウト。何かきっかけがないとダメだと思う」
「そうか。俺、古城さんの歌声は好きだしまた一緒に演りたい。ティエンフェイの他のみんなとも合奏できたらいいと思うけど最後は当人次第だから無理は言うなよ」
「そういうお節介は私も主義じゃないからしない。ましてバンドだとあの人達の間で納得する結論を出すしかない。今は待つしかない。そう思ってるから」
そう思っているからギリギリのところにボールを投げて様子を見ていた。諦めている訳じゃない。そうじゃない。
「ホーちゃんなら分かっているとは思ったけど、そう聞いて安心した。探り入れてるんだろうけど深追いは気をつけてな」
まあ、創設メンバーさんは私の事よく分かってるわ。私は少し首を傾げて苦笑。彼は肩をすぼめて苦笑を返して来た。そして心のギヤを入れると手を叩いた。
「さ、みんな。休憩は終わり。練習、練習」




