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私達の最良の時/私達は幸いなる少数  作者: MV E.Satow maru
第1章 私達の最良の時
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2020年3月

古城こじょうミフユ


 3月の春休みは結局2泊3日でしか実家に戻れなかった。

練習しようとと言われるし、私だって怖いから練習したい。そういう感じで地方組の北見きたみ先輩や比嘉ひがさんと私は実家に顔を出してすぐ寮に戻ったという感じだった。


 家では「なんで、お姉ちゃんそんなに急いで帰るの?」とミアキに聞かれた。


「ひょっとして彼氏?まさか相手が奥さんいる人?」


こういう時の妹はまるでかわいくないし。だいたい大人向けドラマの見過ぎよ、もう。


「こら、断じて違うから。バイトとか友達に予定入れられちゃっただけだから」


大きくなったらまさかそういう疑いを事ある毎に言ってくるようになるとは。ミアキには困ったものっていうかませガキ過ぎるわ。トホホ。


 こんなのだったので陽子ちゃんや肇くんたち高校の友達とは2日目の晩に喫茶店でパフェの会をやったぐらいでしか会えなかった。

高校の近くの喫茶店。貸し切りにしてくれていて三々五々、私の代とその次の加美さん、そして彼女の後を受けた生徒自治会長の執行部のメンバーが集まってきた。


「先輩、忙しすぎませんか?」


とは私の次の代の生徒自治会長になった加美さんのお言葉。彼女も無事高校卒業して大学にも無事合格していて卒業旅行とかあるだろうにパフェの会に来てくれたのだ。


「もともと変な大学で忙しいんだけど、変な友達に巻き込まれて。あ、勧誘とかそんな性格の物じゃないから。そういうのに巻き込まれた訳じゃないんだけど」

「そうですか。先輩がそんなの引っかかるわけがないからそういう心配はしてませんが無茶とか無理はしちゃダメですよ」


なんて事を心配して言ってきた。流石は選挙参謀にして陽子ちゃんと二人で私の代の副会長をしてくれた子だなと思う。


「ほんと、冬ちゃん付き合い悪い。こっちから神戸に押しかけようかな」とは陽子ちゃん。

「それはいいかもな。古城の大学キャンパスの学祭って5月だったっけ?」とは肇くん。


えーと。それは非常に雲行きが悪い。都合が悪い。


「えーと。うちのキャンパスは今年は学祭ないんだ」

「あら、そうなの。残念。船に乗れると思ってたんだけどな」

「工事とかドック入りとか色々重なってね。来年は大丈夫だと思うから」


陽子ちゃん、嘘ついてごめん。でも流石に高校時代のみんなに披露はちょっと。


 そんなところに最近付き合っていると噂の二人が到着。私は高校時代からそうなるよって言っていたけど的中したカップルだった。


「遅れてごめーん。こいつがさ、やっと帰ってきたから無理矢理連れてきた」


体育大学に進学して体育教師を目指している秋山菜乃佳さん。学校も彼女に合っていたようでのびのびしていた。


「悪い。船が入るの遅れたんだ」


そう言ったのはそんな彼女に連行されてきた姫岡秀幸くんだった。彼は海上警察官となって半年の舞鶴での教育課程を終えて横浜基地配備の船の機関部乗員になっていて今日帰港したばかりなのだという。船員養成大学に進学した身としてはあとで船乗り生活の様子をよく聞いておかなくちゃ。


 あとは吉良さん、松平さんたちが来れば久しぶりにみんな揃う。あの子達はもう少し後になるとは連絡もらっていた。みんなと会うのに今晩この時間しか取れないのが残念。

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