思い付かないなら他人任せで~
「まぁ・・・大体事情はわかったよ」
俺が腕組みして見下ろす場所には土下座の体勢で懸命に謝罪する美しい女神さん
「俺もマンガやアニメは好きだったから何となくこの後も想像がつくが・・・やっぱりもとの生活には?」
「はい、魂の器ごと綺麗に無くなってしまい全て元通りにはできません」
いきなり次元に切れ目が出来て巻き込まれた俺は瞬殺だったらしい
他人がみればいきなり俺が消えたような感じらしいが
歩いてたらいきなり此処にいて目の前に女神さんが立っていた
部下のミスで貴方は死にましたごめんなさいって土下座してきてビックリしたが更に俺の足が透けててビックリした
「んで?この後は別の世界に転生チート生活にまっしぐらな感じかな?」
「あなたが望むのならそれも可能です」
近年の王道まっしぐらだなー
「但し不死だけは叶えられません」
まじか、だがそれでも勝ち組だし文句言えないか
「そんじゃどんなチートくれますかい?一応社会人三年目だったし善悪のバランスくらい考えてますんで戦闘力高めがいいなぁ」
しゃがんで女神さんと目線を合わせ手を合わせて祈るように
調子こいたら痛い目にあうのは身に染みてるからな、相手は神さまだし下手にな
「望みは貴方の思うがままで構いませんよ」
顔を上げ正座のまま俺に微笑む女神さん
転生なしで女神さんといちゃラブ生活はあかんやろか?
「申し訳ないですが私も色々多忙でして・・・あまり逢瀬を重ねる時間が取れないので後悔すると思います」
「あー心読めますよね、女神さんだもんね」
こりゃ気まずい、はよ転生せなあかん
「一応ファンタジーな世界に転生してもらう予定ですがよろしいですか?」
「はい!もちろんです!魔法やらドラゴンやら楽しみだなー」
「わかりました、それでは今より転生となります、以後この神界に立ち入るのは難しくなりますから今のうちに質問などありますか?」
「ないです」
チートなんだから行き当たりばったりは当然だろ
「そうですか・・・それでは転生させて頂きます」
立ち上がった女神さんの右手がこちらに向くと俺の足下から魔法陣が浮いてきた
「おぉーすげぇ!」
「これから貴方が行く道に驚きや感動が溢れているように願ってますよ」
今までで一番素敵な笑顔に見送られながら俺は転生した