友達と期待
朝麦 遊です。
そろそろ書き溜めてた話が無くなります…
入学式は思いのほかすぐ終わり、私達はクラスに戻り、担任が来るのを待っていた。
先程まで「寒い」と言っていた私だが今はどちらかと言うと「暑い」。
なぜなら
私と私の隣の席に勝手に座っている叶の周りを同じクラスの女子はもちろんのこと、他クラスの女子が囲んでいるからだ。
その集まる女子は当たり前だが叶目当てのため、私のことは認識もせず遠慮なしに肘や腕を当ててくる。
「花江 叶くんだよね!あの…覚えてるかな、バスケの全国大会で戦った心凉中学校ってところなんだけど…私そこのマネだったの。叶くんのプレー見てからずっとファンです!!」
私は彼女のこと覚えている
叶のチームに初戦で負けたチームだ。そんな最初の方で負けてて叶が覚えてるわけないだろと言いたいが必死に抑える。
それからも叶の周りの女子は一向に減る気配はなく、「叶くんほんとかっこいいよね。私、同じ学校になれてラッキーかも」
「こんなにカッコイイし優しいんだから彼女いるんじゃないの?」とかピンクの歓声と質問の嵐。
確かに、10数年ほとんど毎日顔を見ている私でもたまに「こいつホント綺麗な顔しているな」と思うことがあるので女子の気持ちに否定はしないがもう少し周りを見てほしい。
私は聞いているだけで頭が痛くなってきたため外の空気を吸おうと席を立つ、何とかして女子の群れから脱出をしようとするが押し流されてしまう。
その中、誰の腕かはわからないが思いっきり振られた肘が私の腕に当たる。
かなり深い所に入ったみたいで冷や汗が出る。
その間も人にもみくちゃにされる。次は誰かの足に引っかかり転びそうになる。
ぎゅっと目を瞑り運命に身を委ねた。しかし優しくも力強い腕で支えられた。
それと同時に「オイ。大丈夫かよ。」と声をかけられる。
私を支えてくれた腕の主はもちろん叶だった。
「ア、アリガト」少しカタコトになりながらまだ痛む腕をかばいながらなんとか教室の外に出る。
教室を出る時チラッと中の様子を見たが数人の女子が私の事を憎しみの目で見ていてさらに恐怖する。
しかし私がこちらを見ているのに気づいたのかすぐ叶方を向きラブコールを送り始めた。
私は溜息をつきながら飲み物でも買おうと購買に向かうことにした。
足を階段に向けた瞬間
「お前らさ、人に迷惑かけてんの分かってる?さっきの奴だって誰のか知らねーけど肘当たって腕痛めてんだ。そんでまた誰かの足に引っかかって転びかけて。それなのに恨みこもった目で見やがって。女にかっこいいとか言ってもらえるのは嬉しいけど少なくとも俺はそういうことして何とも思わない女子に告られてもいくらいい女だってOKしないけどな」と言い捨てた。その言葉を降り階段に向かいながら聞いていたが私の言いたかったことを代弁してもらった気分になり少しスッキリした。
ジュース一本でも奢ってやろうと少しスキップ気味になりながら曲がり角を曲がった。しかし今度こそ私は倒れる。人にぶつかったのだ。
「いってぇ…はっ!す、すみませんでした!」と素早く立ち上がり頭を下げ謝罪する。
ぶつかった相手は女子だった。
頭を下げていたため、スカートが見えたから判断できた。
「い、いえ、こちらこそすみません顔を上げてください。」そう言われたので顔をゆっくりとあげるとそこには私より5cmほど背が低く黒い綺麗な髪を肩下で綺麗に切りそろえ雪のように白くでも健康そうな綺麗な顔があった。「派手にこけたのでどこか怪我とかしてないですか?」声はとても澄んでいて聞いていて心地よい。
「はい。全然大丈夫ですよ。えっと…貴女こそ大丈夫でしたか?」少しぎこちかなく返してしまったが
彼女はふわっと微笑んで「私、品川 雪乃って言います。私もどこも怪我してませんよ。」品川 雪乃 こんなにも容姿と名前があっている人は見たことがない。
「綺麗な名前ですね。あ、私は須川 柊月です。」
「よろしくお願いします。ところで須川さん。あの…一つ尋ねたいことが…」
「ん。なになに?」
雪乃ちゃんは少し照れながら
「1年c組の場所を教えてもらえませんか?!」
「え、私と同じクラスだ…」
「そうなんですか?!」私と同じクラスだと聞いた瞬間心の底から安堵した顔で私を見つめる
「えっと…一緒に行く?」
何となく砕けた言い方になってしまい雪乃ちゃんは少し驚いた顔をしたが
「うん!一緒に行こ!」
と受け入れてくれた。
「えっと…雪乃…ちゃんって呼んでも…」
「もちろんだよ!よろしくね柊月ちゃん」
入学して一日目早くも友達ができた喜びに浸る。
「あ、柊月ちゃんもう1人いるんだけど…」
「もう1人?その人も同じクラスなの?」
「うん。今、ジュース買いに行ってて…ごめんね、ちょっと待っててもいいかな?」
「もちろん!待ってよ待ってよー」そうして私と雪乃ちゃんは邪魔にならないところで雪乃ちゃんの友達を待つ。
その人ともお友達になりたいな…きっとその人も雪乃ちゃんみたいにちっちゃくて可愛くて優しいんだろうなぁ
と想像を膨らませる。
しばらくすると「あっ!都ちゃんこっちだよー!」
と雪乃ちゃんが手を振りながら叫ぶ。
その声を聞いて近づいてきたのは私が想像した人物像の真反対といってもいいような人だった。
身長は私よりあるし、『可愛い』と言うよりは『綺麗』と表現される方だろう。だが髪は金に近い茶色でよく見るとピアスもしている。簡単に言うと『ヤンキー』だろうか。
「はい。雪乃。いちごみるくだったよね?」
「うん!ありがと都ちゃん。あ、えっと、さっきお友達になった須川 柊月ちゃん同じクラスなんだよ!!」と雪乃ちゃんが私のことを紹介してくれる。
すると「都ちゃん」と呼ばれた彼女は「ん。よろしく」とだけ返す。
「都ちゃん…名前も言おうよ…」と少し呆れた顔で「都ちゃん」をつつく。
そうすると「…瀬名 都。これからよろしく…柊月」
と言いすぐそっぽを向く。
「あ〜!こういうの慣れてないから…!」
「ふふ…都ちゃん照れちゃった」
前言撤回。都ちゃんすっごく可愛い子だ。
「じゃあ教室行こうか」
とさっき来た道を指さす
「そうだね、そろそろ担任も来そうだし」と都ちゃんが少し歩いてこちらを振り返る。
「これからとりあえず3年よろしく…」また少し照れて前を向いて教室の方へ歩き出す。
私と雪乃ちゃんはお互い顔を見合わせ、少し笑って都ちゃんを追いかける。
いい高校生活を送れそうだ。と期待をふくらませる気持ちもある一方、まだ教室に戻りたくない気持ちもある。
だが後者の気持ちは振り切って教室に入る。すると都ちゃんが
「うわ…なにあの塊…」という。
塊…叶の周りに集まる女子の事だ。さっきよりは減ったもののラブコールは止まらない。
「あれ、真ん中にかっこいい人いる。あ〜…だからか」と何かを察した雪乃ちゃんと都ちゃんは私の手を取り黒板に貼られている席の場所を確認しに行く。
「ねぇ、私さ薄々気づいてたけど席、前後ろじゃね?」確かに雪乃ちゃんは私の前の席で都ちゃんは私の後ろの席だ。
「ホントだ!すごい偶然だね」「それだけ私らが友達になるのは運命だったってことだね」
と私との出会いを肯定され嬉しくなった。
「良かった二人と席が近くて…安心した…」
少し3人で笑ったあと
カバンを置こうと席に向かう。
少し三人で話しているとチャイムがなる。
どんどんクラスの席が埋まっていきやっとクラスメイト全員の顔を把握できるようになった。
「ねぇ」ふと、横から声を掛けられる。横を見てみれば、「チャラい」という表現が良く似合う男子生徒が座っていた。茶髪で多分毎朝セットしているのだろうファッションモデルが良くする髪型で第一ボタンを開け緩く結んであるネクタイ。制服からチラッとネックレスが見える。私の苦手なタイプだ。
「オレ、紫麻 翔。よかったら名前教えてよ」ウインクをしながらチャラ男は言う。
「須川 柊月です。えっと…紫麻くん」
「翔 でいいのに」紫麻くんは苦笑する。
「柊月ちゃん って呼んでもいいかな?」あんまりさっき自己紹介したばっかりなのにもう名前呼び、やはり苦手だ。だがここで断るとかわいそうだと思い「うん。いいよ」と返す。
「やった!」本当に嬉しそうに喜ぶ紫麻くんを見て『笑顔は嫌いじゃない』と思う。
ずっと気になっていたことがあり紫麻くんの後ろ当たりから視線を感じる。最初は叶の周りにいた女子かなと思っていたが少し見てみると叶本人からの視線であった。見た感じすごく不機嫌そうだ。
叶は私と目が合うとその不機嫌な顔のまま机にうつ伏せる。
10数年の付き合いから言うとこれはかなりめんどくさい。
叶はあんな風になると不機嫌になった理由を聞いても答えてくれない。
私は頭を抱えるが諦めて
前を見る。
ちょうど担任が教室に入ってくるところだったため救われた。
更新が一日二一回出来てたのに出来ませんでした…
ですが…!!!!柊月ちゃんに友達が2人も出来ました!!!おめでとう柊月ちゃん!
ここで今日新登場した子たちの紹介をします
品川 雪乃
身長 158cm 体重 48kg
好きなもの 動物
部活 美術部
瀬名 都
身長 173cm 体重 55kg
好きなもの スポーツ
部活 陸上部(スポーツ全般出来るためたまにほかの部に補欠で行くこともある)
紫麻 翔
身長176cm 体重 64kg
好きなもの 女の子
部活 サッカー部(幽霊部員)
変更があるかもしれませんが今のところこんな感じです。
都ちゃんがものすごく動かしやすい…!