新しい生活といつもの光景は
朝麦 遊です。
全く更新できてない異世界から抜け出し、たまには現実味のある恋愛ものとか…
〜「こいつはオレの"およめさん"になるんだ。だからイジメたらオレがお前らを許さないからな。」
そう言ってイジメられていた女の子を助けてくれたヒーロー ──女の子の幼馴染みの男の子は、いじめっ子を追い払ったあと
少し照れながら
「大丈夫か?…あのさ、さっき言ったことはホントだから…だから…これ。"こんやくゆびわ"の代わりだ。」
と言い、星の飾りが付いた髪ゴムを渡す。────〜
そこでいつも私の夢は途切れる。
もっとその先を見たいのに。いつも同じところで目が覚める。
私──須川 柊月は今日も夢の続きを諦めて
新しい制服に手を伸ばす。
春。 私は今日から高校生になった。
いつもの髪ゴムでサッと髪をくくり、ふと壁掛けの時計を見る。
時間にはゆとりがあったので薄く化粧もした。
パタパタと階段を降り、リビングのドアに手をかける。
朝日をいっぱいに取り込んだリビングは眩しく私の新しく始まる生活を応援しているようにも思えた。
鮮やかなでも派手すぎないスーツを着た母はもう既に朝食を作り終え、朝の情報番組を見ていた。
ちなみに父は単身赴任でイタリアにいる。
他には兄がいるが寮生活のため実質私と母の二人暮らしだ。
昨日の夜、父からは「今日から高校生だな。頑張れよ。夏休みには1度そっち戻れるからお土産を楽しみにしてろ」とメールが来ていた。
兄からは電話で「入学おめでとう。外泊許可が取れたらすぐ向かうから待ってて」と一言もらった。
部屋に入ってきた私に気づいた母に
「お母さん、おはよう。」と言う。
「柊月おはよう。あら、早起きね珍しいわぁ」
「もう今日から高校生だからね少しはまともにならないと」
「はぁ柊月もとうとう親離れなのね…お母さん寂しいわ…」
もうこんな会話は飽きるほどしたが母の愛を感じるので嫌だとは思わない。
そんな母の朝食を食べ、あとは家を出るだけだ。 というところまで来た時、家のチャイムが鳴った。
私には誰なのか分かるので玄関に向かおうとする母をソファーに座らせて少し警戒しながら玄関のドアノブに手をかける。
ガチャッ といい音ともに太陽の眩しい光が差し込む。
しかしあまり眩しいとは思わなかった。なぜなら
玄関の前に立っていたのは身長は180は超えているであろう、
今までに嫌という程見た顔。
隣の家の"幼馴染み"──花江 叶だったからだ。
「何しに来たの?」
「何しにって…学校行くから迎えに来てやったんだろ」
少し喧嘩腰なのが癪に障るが「助かった」というのが本音だ。
家の奥から母が
「あら〜叶くん。おはよう」
「ママさんおはようございます。」
「この子、まだ学校への行き道覚えてないのよぉ〜だから宜しくね?」
「はい。任せてください」
私の方向音痴の酷さは自分でもやばいな。と思うぐらいで、近くの行き慣れたスーパーでもたまに迷う。
そんな私が新しく通う学校への行き道を短時間で覚えられるだろうか。不可能である。
「悔しいけど一緒に学校に行かせてください…」
「最初からそう言えばいいんだよ。」
クッソォ…覚えてろよ…!!という気持ちを懸命に抑えつつ、
「入学式、バッチリ写真撮るから任せてねぇ〜!」といつになく張り切る母に見送られ私達は新しい学舎に向けて歩き始めた。
キャラ設定
◎須川 柊月
本作品の主人公 16歳
身長 163cm 体重 52kg
好きなもの クマ
◎花江 叶
本作品のサブ主人公 16歳
身長 183cm 体重 68kg
好きなもの バスケ
◎須川 詞音
柊月の母 38歳
身長 169cm 体重 57kg
好きなもの butler→今人気のアイドルグループ