1章2話 神様は過保護すぎたようです
「安全第一《いのちをだいじに》!それと気に入った街で嫁さん作って幸せに暮らしたい!」
((そう言って早一時間が経った・・・が))
「うーん安全と来たか・・・加えて気に入った街で嫁作りとはのぉ・・・ならこの技能とこの技能・・・いやもっといい組み合わせがあるはずじゃ・・・ごにょごにょごにょごにょ・・・」
((爺さんもとい神様はかなりの心配性みたいだ・・・少し笑えてくる、まぁそこまで考えてくれるのは俺も少し嬉しい))
「よし!これでいいじゃろ、これで危険という危険はまず無いのぉ、ほれおぬし、落とすなよ」
ポイっ
優は片手でキャッチする
「何だこれ・・・林檎か?」
投げられた物はごくごく普通の林檎、変わったところは特にない
「ふぉっふぉっふぉっ、林檎は林檎でも神だけが作れる人間に技能を付与する果実その名も【神の林檎】じゃ」
((そのまんまじゃねぇか!))
「まぁ一部制約があり転生者及び転送者しか使えないがのォ・・・さぁ食わんか?」
「・・・じゃあ頂きます」
優は林檎を噛じった、甘酸っぱい香りが口の中に広がる・・・
((この林檎・・・うまい!今まで食べてきた林檎がまだ熟して無かったんじゃないかって思うほどに!))
林檎を食べる手は止まらずあっという間に芯まで食ってしまった・・・種も無かったし美味しく頂いた
「ごちそうさまでした・・・」
「ふぉっふぉっふぉっ、さぞかし美味かったであろう・・・」
「ああ、今まで食べてきた林檎の中で1番美味かった」
「ではわしの出来ることはもう終わりじゃ、
もう1度謝らせてもらうが・・・すまんかった、いきなり転送してしもうて、・・・実は殴られると思ってたんじゃがの・・・」
((いや、最初は思う事もたくさんあった・・・
高校卒業出来なかったなぁとか妹は大丈夫かなぁとか母さんに親孝行出来てなかったなぁ・・・正直やり残した事はたくさんある、けど生まれた時からこんな運命に決まってたもんだからな、なんせ神様の手違いってな、でもその凡ミスが無かったら俺は母さんの子供ではなかったし妹の兄ではなかった・・・だから・・・))
「もう、その事はいいんだ・・・俺はこの世界で生きていく、そして幸せに暮らす、これからできるかもしれない嫁さんを紹介出来ないのと孫の顔を見せれないのが残念だが、それが1番の親孝行ってね」
神様は目に涙を溜めているようだ・・・ったくだからこの爺さんは憎めない
「では・・・よい旅を・・・おぬしの人生に大きな祝福を」
そう言うと爺さんは風と共に消えていった・・・
「ああ、ありがとう、神様」
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それから五時間経ったのだが・・・
「駄目だ、完全に迷った・・・」
ーーーーーー優は絶賛迷子中
「あーーあの爺さんに地図貰えばよかった・・」
優の持ち物は
数日間の食料と何に使うか分からない小さな玉が数個、小さなナイフとあとステイタスカードと呼ばれるものだけ
「そういえばこのカード調べてなかったな・・」
そのカードには小さな四角がありそこに血をつけて使うようだ・・・
「ナイフで指を切ってっと・・・」
ステイタスカードの四角に血を付けるとステイタスが現れた
カードから出てくる光にはステイタスが刻まれてる
「・・・なんだこれ!」
決してステイタスカードの仕様に驚いた訳ではない・・・・・・自分のステイタスとスキルに驚いたのだ、それは・・・
ーーーーーーーーーステイタスーーーーーーーー
名前:鳴上優
種族:人間
体力:2569
攻撃:2477
防御:観測不能
速さ:1265
ーーーーーーーーーースキルーーーーーーーー
全状態異常耐性Lv10
全ての状態異常を無効化する
全魔法耐性Lv10
全ての魔法攻撃に対する耐性
完全防壁《パーフェクトシールド》Lv1
全ての物理攻撃を無効化する
これは範囲は自身から1m内の味方にも作用する
Lvが上がる毎に範囲が広がる
超反撃《オーバーカウンター》Lv1
完全防壁《パーフェクトシールド》に攻撃した者にLvに応じて強くなるカウンターを行う
誘導魔法《ナビマジック》Lv5
目的の場所、又は人物などの場所に誘導してくれる光を放つ魔法、Lvによって誘導できる場所が増える、今は人間領域まで
鑑識魔法《サーチマジック》Lv7
目に見える人物、モンスターのステイタスを
見れる、またこの魔法を持っているもののステイタスは見れない
超防御上昇《フルディフェンスアップ》Lv10
防御を限界まで上げる、これを極めし者
一切のダメージを受けない
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「・・・・・・確かに安全第一《いのちをだいじに》って言ったんだけど・・・」
「やりすぎだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」