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TS擬人化②

視点がかなり低い。だいたい目の前にいるマスターの腰より少し高い位だ。120前後だろうか・・・。

幼女だ。

青っぽい色の髪で右目が隠れてる。一般的な人間が14歳頃に、憧れるようなヘアスタイルだ。・・・俺もそうだった。実際にやるとかなり鬱陶しい髪型だろう。

全体的にふにっとした肉付き、そして幼女にはあまりにも不自然な成熟した胸部。


ロリ巨乳だ。


そのロリ巨乳こと俺が身に付けるは、首から下の全身にぴったり吸い付きボディーラインが剥き出しになった独特のテカリを放つ黒いスーツである。材質はゴムっぽい。


「なんと言うか・・・えろぃですね。私の性癖であるぺドフィリアが加速しますよマスター!」

「お前凄いな。どうすれば自分を性癖の対象として見れるんだよ・・・。」

「この姿になったのはマスターが私の中をこねくり回したせいですよ?責任取って下さい。」

「おいやめろ。その言い方は誤解を招く。僕はただボタンを押しただけだ。」


暗くなり始めた森に俺とマスターの声だけが響く。

夜の森は危険な気がする。


「どうすれば、元に戻るのでしょうか。この姿も良いですが戦力的に問題がありそうです。」

「そうだね、どっかに元に戻るボタンとか付いてないかな?あっ、なんか首のところにボタン付いてる。」

「首のところ?あっこれですか!」


触って確かめてみると首にチョーカーが付いており、一箇所出っ張りがある。試しに押してみる。

「ほいっ。」


―――ポチッ!―――

小気味よい音が響く。

その瞬間俺の体に再び変化が起きる。体の様々な場所に光が集まり形を作る。

光が収まるとその場所には・・・まるでグレイヴの装甲をこの体に合うようにアレンジしたような、鎧が現れた。驚く事に、その鎧は全く重さを感じなかった。


「これは・・・。」

「一体どうなってるんだってばよ。」

「ありのまま今起こった出来事を話して下さい。」

「なるほどわからん。」

「何かもう疲れました。精神的に。」

「僕も、早く街に入りたい。この大狼をお金を持って行けば・・・ああ!!」

「どうしました?マスター。」

「この大狼・・・どうやって、街に運ぼう」

「・・・。何かこう・・・アイテムボックス的な素敵スキル無いんですか?」

「そんな都合のいいスキルあるわけ・・・あったぁぁぁぁ!!コンテナぁ!これで勝つるぅ!」


そう言うとマスターは大狼に近付いて・・・何もしない。


「使わないんですか?コンテナ。」

「これどうやって使うんだ?」

「ええー。」

「ええぃ!コンテナぁ!発動せよコンテナぁ!万物をのみ込めコンテナぁ!」


大狼の死体には1ミリも変化はない。


「出来ませんね。」

「手で触れて〜コンテナぁ!。よっしゃァァァ!」


ブラックホールのようなものが

現れ、大狼の死体が吸い込まれ消える。どうやら触れてスキルの名を唱えるのが正解のようだ。どうやらあのブラックホールはコンテナの出入り口のようだ。


「あっ、出来ましたね。おめでとうございますマスター。」

「よしっ、街に戻るぞ!」

「そうですね。ところでマスター・・・完全に日が暮れましたよ。」

「」



―――1時間後―――


鎧を装備したこの体のスペックは人外の域だった。

数十kmをかなりの速度を維持しながらマスターを担いで行っても、全く息切れせずたったの1時間で街の門に着いた。


「マスター、着きましたよ〜?」

「うぁ・・・、変な体勢で居たから腰が痛い。」

「しかし、真っ暗になってしまいましたね。」

「朝まで野宿だね、これは・・・。」


グゥー、マスターの胃袋が悲鳴を挙げる。


「そーいえば・・・朝から何にも口にしてないや。」

「そんなこと私に言われましても。・・・あれくらいの壁なら私、越えられそうですけど。」

「それだ!お前がこっそり壁を越えて食べ物を買ってくれば・・・」

「お金ないのにどうやって買うんです?それにこんな夜中に奇抜な鎧を纏った幼女の私の姿はかなり目立つと思います。」

「だぁー!!腹減って元々あまり働かない頭が仕事を放棄し始めてるぅー!!」

「何か、口調も変わってないですか?」

「そういう、お前は腹減ねぇのかぁ?結構動いたりしてただろ。」

「全然減りません。」


恐らく、今もなおグレイヴに搭載された超越物質がエネルギーを生産しているからだろう。


「マジかよどうなってるんだお前ぇ。」

「そういう、機能がありまして。ってマスター!?その辺に生えている草を持って何しようとしているんですか!まさか・・・。」

「いいぜぇ、そのまさかさぁ!そこで見てなぁ!なぁ〜に良く言うだろぉ?空腹はぁ〜、最っ高のスパイスだってよぉぉぉぉ!!!」

「わぁ!!マスターが空腹で壊れた!?」

「おおおおおおおお!!!いただきまぁす!」


むしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃ・・・、目を瞑り食事に集中する。暫くするとマスターは カッ!っと目を見開いて口を開く。


「おおおおおおおおっ!!口に入れた瞬間に広がる草のありのままの青臭さと土臭さ!草本来の強い苦味と、強烈な酸味!アク抜きも糞もないが故に醸し出るえぐみが絶妙にマッチしさらなる不味さを醸し出す!!これは・・・人間の食べるものじゃあ無い!」


そう言うと バタッ、とマスターが崩れ落ちる。


「ま゛ずい゛よ゛ぉ゛。」


ガクッ、

そして、マスターは意識を失った。

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