表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/59

六話 父がやってきた(;´・ω・)


 まさか、そんな超能力みたいなチートまがいの目を持っているなんて知らなかった。


 私は混乱した。


 実際に現実にそんなものがあるなんて。


 この高原実咲、一生の不覚。


(でも、アイツはかなり有能な奴ね。なんだか味方として欲しくなってきちゃったわ)


 さっきまでの清楚な女の子はわがままで自信過剰な元気な女の子に早変わりだ。


(ただ、問題はあのお姉さんよねぇ~。どうしましょうか?)


 私は前で一緒にご飯を食べている美香さんを見る。


「ん?どうかした?」


「えっ!?い、いや、別に何も」


「そう?」


 私の視線に気が付いたのかこちらに聞いてきた。


 が、私は動揺しながらも何とか受け返す。


(でも、こんな考えも見抜いてしまう奴なんだろうな~、コイツは。)


「ん?どうかしたかな?僕と姉さんの顔に何かついてる?」


 こっちも私の視線に気付き、とっさにふと思ったことを聞いてみた。


「い、いやどうして姉弟なのに似てないし、美香さんは弟にゾッコンだし、何でだろうな~って思って。」


「ああ。私たち血が繋がってないのよ」


 言いづらいことをサラッと言う美香さん。


「えっ?」


「私たち姉弟はそれぞれ孤児院からお父さんとお母さんに引き取られたの」


「ええっ!?」


 私はいけないことを聞いたのかと思い、しょぼんとする。


 すると高波さん(弟)は、


「気にしなくてもいいよ」


「えっ?」


「もし、本当に聞かれたくなかったら適当にはぐらかすか嘘をついているって」


「い、いやでも」


「いいから。はい、これでこの話は終了」


 それから二人は私に小さな頃にあった面白いこととかを色々と話してくれた。


「あははははは」


 私は楽しかった。


 私のお父様は孤児院から引き取った私にとても優しくしてくれた。


 お母様は亡くなってしまっていたけれども。


 でも、こんなに楽しく過ごしたのは孤児院以来だわ。


 そう思えてきてついつい笑顔になった。


 楽しい時間は過ぎていく。




・・・




 昔の話をしているといつの間にか父さんたちが帰って来る時間になっていた。


「じゃあ、私は部屋でおとなしくしているわ」


「うん。分かった」


「待っててね~。まだまだ楽しいお話したいんだから」


「はい」


 僕と姉さんは軽く挨拶をすると玄関に向かう。


「姉さん」


「なあに~?ナツ~」


「お客さんって誰だろうね?」


「う~ん。今回は私には分からないわ」


「じゃあ、姉さんも知らないのか」


「誰なんだろうな~」


「そうだね~」


 そう話しているとチャイムが鳴る。ついに到着したようだ。


「うわさをすれば、だね。姉さん」


「ええ。さあ、お出迎えに行きましょう」


 僕と姉さんは急いで玄関まで行く。


 そして、玄関の少し手前で一呼吸置いてから戸を開ける。


「お待たせしました」


「ただいま~」


「わっ!?」


「元気だった~?二人とも」


「いきなり飛び込んでこないでよ、母さん」


「ごめんね。久々だから、つい」


「今日はお客様もいるんでしょ?」


 姉さんが聞いた。


「ええ」


 母さんがそう答えると後ろから父さんと一緒にいる人が見えた。


「そちらが?」


「ええ。高原櫻嘉おうかさんよ」


「始めまして。高原櫻嘉です」


「えっ?高原って」


「ね、姉さん!」


 僕は恐る恐る姉さんの方を向く。


 そこからアイコンタクトで会話。


(姉さん。もしかして、この人・・・)


(え、ええ。多分、ナツの思っている人だと思うわ)


(どうしよう。姉さん)


(とりあえず、様子見よ。落ち着きなさい)


(わ、分かった。でも、姉さんも落ち着きなよ)


 動揺する僕らは表情に出さないように必死に耐える。


 僕たちもとりあえず挨拶する。


「始めまして。高波美香です」


「夏月です」


「これはこれは、ご丁寧に。・・・おや?君、私と会ったことないかね?」


 僕に櫻嘉さんが訊ねてくる。


「いえ、ないと思います」


「そうか」


 危ない危ない。


 あの立場のことは秘密だし。


 面倒だったけど、わざわざいつもメイクとかしててよかった。


「それでは、客間にご案内します」


「頼むよ。二人とも。私たちは着替えて行くから」


「分かったよ。父さん」


 そう言って父さんと母さんは着替えに行った。


「しかし、本当に使用人を雇わないだね」


「ええ。ここの家訓ですので」


 姉さんが受け答えをし、僕が案内をするというスタイルで移動する。


「着きました。ここが客間です」


「ご苦労様」


「それでは僕はこれから食事の用意をするので失礼します」


 姉さんにもアイコンタクトで


(姉さん)


(何?)


(ここから高原さんのいる部屋までそう遠くないからやばいよ)


(そうね。うっかり鉢合わせっていう可能性があるわ)


(僕は高原さんにこのことを伝えて姉さんの部屋に隠れてもらおうと思うんだけど、いい かな?)


(いや、まって。今はダメよ)


(? どうして?)


(・・・。ぽっ)


(何でそこで赤くなるの!?意味わかんないよ!?)


(もう!いいから早く行きなさい)


(よ、よく分かんないけど分かった)


 僕は姉さんに気圧され、そのまま退出する。


「急いでこのことを伝えないと」


 僕は走って高原さんのいる部屋まで急いだ。




読んでくれて感謝です。

次の話もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ