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三話 心配と暇人



次の日の朝。


僕はいつも通り、朝5時に目を覚ます。


「さて、今日も一日、頑張るか」


僕は着替えてキッチンに向かう。


キッチンは僕の部屋の反対にあるので玄関のあるところから向かう。


そのとき、ちょうど高原さんが玄関を出るところだった。


「あれ?こんな朝早くからどうしたの?」


それに高原さんは、振り向きながら答える。


「ああ、高波さん。おはようございます。私、早朝ランニングが日課になっているんです」


「へぇ~。すごいね~。それじゃあ、朝食を作って待っているから」


「はい。昨日と同じ部屋でいいんですね?」


「うん。それじゃ」


「はい」


そこで僕たちは会話を打ち切り、僕はキッチンに、高原さんはランニングに出かけた。


「さて、今日はお客さんもいるし、栄養のあるおいしい料理を作りますか」


僕は集中して作り始めた。


そうして一時間後。


「出来た」


朝食にしては少し豪華なものが出来てしまったが、仕方がない。


 夏月特製の旅館風朝食の完成だ。


「そろそろ帰って来る頃かな」


そう言っていると高原さんが帰って来た。


「戻りました」


「おかえりなさい。シャワーを浴びてきなよ」


「はい!」


 そのままそそくさと浴室まで小走りで駆けて行った。


 二十分後。


「おまたせしました!」


「ううん、気にしないで。それよりも。さあ、めしあがれ」


僕がそう言った途端、目を輝かせて僕の料理に食いついた。


 いただきますの挨拶も忘れるほどだ。


 ・・・どれだけ走って来たんだろうか。


「おいし~」


「ありがとう」


 何気に食べている時には素に戻っている高原さんだが、ツッコミ、もとい指摘はしない。


「うん。今日もおいしく出来たな」


そうして朝食を食べ終える。


「じゃあ、高原さん。僕は学校に行くから」


「はい」


「昼食はその冷蔵庫に入れてあるからね」


「はい」


「それと、もし、何か困ったことや助けて欲しいことがあったらこれに電話して」


そう言って僕は自分の携帯電話の番号を書いて渡す。


「家に誰か来ても出なくていいからね」


「分かりました」


「うん。それじゃあ、いってきます」


「はい。いってらっしゃい」


そうして僕はそのまま学校に行く。


 高原さんは大体僕と同じくらいの歳だし学校はいいのかな?とは思ったけど口には出さなかった。


 家出したのに学校になんて行ったら、おそらく速攻で親に見つかるだろうし。


もちろん昨日からのことは誰にも言わないし、言おうとも思わなかった。


「しかし、困っていたしな~」


 学校に着き、僕は自分の席で悩んでいた。


「何が?」


「うわっ!?」


「ふふふ」


今、僕に話し掛けてくれたのは我が光山高校で人気のある美少女、杉山潤子さん。


 性格もいいというまさに男の理想的な人だ。(山田調べ)


「い、いや。なんでもないよ。杉山さん」


ここ最近、よく、僕に話し掛けてきてくれる。


 僕も男なので普通に嬉しい。


「そう?」


「う、うん!」


だが、今は家にいる高原さんの方が気になる。


そうしていると授業が始まる。


「本当に大丈夫かな~?」


 集中力を欠いた状態の僕もだけど。




 ・・・




 一方、高波家。


「暇だな~」


私は困っていた。


「使用人もいないから本当に何にも出来ないや。何しようかな?」


私は考えた。


そして一つのいい考えが頭に浮かぶ。


「そうだ!運動して寝よう!」


若干、自分が暇人に思えたが仕方ない。


 どれを使っていいのか聞く人がいないのだ。


 使っていいとはっきり分かっているのは自分の泊まっている部屋のゲームで遊んでいいということ。


 それに食べていいとはっきり言われているのは高波さんが作っておいてくれた私用の昼食だけだ。


 けど、残念ながらゲームは滅多にやらない。


 まあ、それはさておき。自分の言った運動を早速実行に移す。


「まずは運動ね」


私はとりあえずこの家の周りを一周回ってみる。


私はその広さに唖然としてしまう。


「なんなの?この広さ」


走って二時間弱かかってしまった。


この広さを保持できる金持ちは世界にそんなにいない。


 私の家以外のそんな大金持ちの家、日本にあったかしら?


「まっ、後で考えるとしましょう」


私は計画通り眠くなったので客室で寝ることにした。


「ぐぅ~~~」


 あーだこーだ考える前に速攻で寝た。





読んでくれて感謝です。

次の話もぜひよろしくお願いします。

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