トンネル作業の最中。(もなかじゃないよ)③
一番最初に見たガン○ムはWです。
幼稚園くらいの頃に従兄に借りたスパ○ボDをやった影響で見始めました。
マ○ラヴのチェ○ミナートルみたいな全身凶器もいいですけど、やっぱりヘビーアー○ズみたいな全身凶器の方が好きです。
要するに、仕込むなら刃物より砲門が好きってことです。
いつかコウ君にはそういう装備を作ってもらう予定です。
ミサイルって浪漫。
2日目、午後10時
夕食後、3時間程作業して、レイさんたちは1度落ちた。俺は「《格闘》でどれだけ掘れるか試したい」と言ってもう少しだけ作業することにした。これからすることは《格闘》も使うので嘘は言っていない。はず。
自分の持っているスキルを細かく知らないとせっかくの《鑑定》さんが腐ってしまう。
今のところ俺くらいしか《鑑定》を持っている人はいないようなので、ゴミとか言ってる奴等を見返してやりたいのだ。楽しいよね。そういうの。
今の俺のMPは全回だ。レイさんたちが落ちる前に結構しゃべってたしな。
取り敢えず、《格闘》の強化アビリティは全部使う。その状態で掘ってみて、一休みしながら自分のスキルを1つずつ確認するつもりだ。
「ダークエンチャント!」
「ファイアエンチャント!」
「身体強化!」
「気闘法!」
「気刃化!」
「魔拳!火!」
「魔脚!火!」
エンチャントはMP消費5、身体強化・気闘法・気刃化はそれぞれ5、8、5の消費。結構MPが減る。
発動は気分を出すために無駄にシャウト。魔拳は《魔力調節》の対象にできるかの確認に発動するように念じたらMPを30消費して発動した。なんか、熱い。俺のこの手が真っ赤に燃えてる。勝利を掴めと輝き叫んではくれないけど。
ハッ!?
これはもしや、俺にゴ○ドフィンガーしろという神のお告げか!?
いやいや、抑えろ、俺。そんなMPを無駄にするようなことはするべきじゃない。
それに、あまり派手にやると崩落が進む可能性があるんだ。
ここでゴ○ドフィンガーなんかやったら確実に馬鹿者☆埋まる君になってしまうぞ?
土から5メートル位距離を取って、構える。
「俺のこの手が光って唸るぅぅぅ!」
デレデレデー デデーデーデ デレデレデー
「勝利を掴めと輝き叫ぶぅぅぅ!」
デデーデーデ デレレ デーデデッデデレデー(ry
頭の中で魔透拳と念じる。
「ぶぁあああくねぇつッ!」
ファイアピラーを選択して、更に《魔力調節》を使う。ファイアピラーに残りのMPを全部持っていかれた。今はそんなことどうだっていい。壁まで全力ダッシュ!
「ゴォォォ○ドォォオ!フィンガアアァァァ!!!」
壁に思いっきり手を突っ込んで、
「ヒイイィィィトオオ!」
一番奥で、発動!
「エエエェェンドオオォォ!」
ドウウウグオオアアアア!!!
「ギャアアアアア!」
コウ は めのまえが まっくろに なった!
土がめっちゃ飛んでくる。ファイアショットの時の比ではない。
やばい、身体が埋もれていってるのが感覚的に分かる。
やっぱり埋まる君になってしまいそうだ。
――――――身体の『芯』が抜けていくような感覚。
それを感じた俺は、「あれ?ログアウトなんか選んでないぞ?」と思いながら気を失ったのだった。
「んあ?」
目を覚ます。どうやら詰所のようだ。周りではレイさんたちのアバターが寝ている。
「おや、コウさん。目を覚まされましたか?」
「はい。えっと、俺は……ハッ!?トンネルはどうなってますか?」
「トンネルはかなり掘り進んでいましたよ。というか、何をやったらあんな音がでるんですか?交代で寝ていたジーグが跳び起きてましたよ?彼はとても寝起きが悪いのに」
「それは、えぇっとぉ…」
「今回は私たちが様子を見に行ったからよかったですが、こんな無茶をしていたらいつか死にますよ!?冒険者なら自分の手札は明かせないと思いますが、2度とこんな無茶はしないでください!」
「はい。すいませんでした」
正直反省はしているが後悔はしていない。でも、ギースさんがこれだけ心配してくれているのだ。少なくともトンネルでの作業の間は魔透拳は自粛しよう。nice boat.
仕方のない人ですねぇって顔でギースさんは出て行った。ホンマええ嫁さんに…
ハッ!?これは…腐気!?
「フィーヒヒ」
「どうした?ヒスイ」
「何でもないわ。ちょっとね…」
「?」
気を取り直して、ステータスをチェック。
HPはほぼ全回。MPは…ゴ○ドフィンガーしなかったら何とかなる。真面目に検証しよう。
というか、気絶する寸前のあの感覚は何だったのか。ううむ。
まぁ、後回し。今は、真面目に掘るのだ。
ギースさんとジーグさんに謝ってから、現場に戻る。なんか、地面に土が積もってて、人1人掘り出した跡のようなものがみえ…
俺は何も見ていない。いいね?
アッハイ。
なんて一人芝居をしながら壁まで行く。
幸い…というべきか。ピラーは上方向に向かって撃たれるので、落ちてくる土も吹き飛ばしたようで、かなり掘り進んだようだ。
魔力生成促進を発動。
では改めて。
「ダークエンチャント!」
「ファイアエンチャント!」
「身体強化!」
「気闘法!」
「気刃化!」
「魔拳!火!」
「魔脚!火!」
今度は《魔力調節》を使わない。俺は元来節約家なのだ。
伊達に毎回渓流とか孤島でハチミツを採取して回復薬グレートの残量にみんなが困っている中「うわー、ハチミツが900個も余ってるわー、売っちまおうかなー」とかいってヒスイに殴られたりしていないのだ。
え?それはケチ臭いだけだって?
自覚はあるからほっとけ。
ひとまず、掘り進める。
ゴ○ドフィンガーの時は二の腕の半分くらいまで腕が刺さったが、今回は普通に掘るのでチョップのような感じに手のひらを真っ直ぐにして手首ぐらいまで突っ込んで、ショベルカーみたいに手の形を変えて、かき出すように掘る。
うおお、結構ゴリゴリ削れる。なんか楽しい。気分は3週目のウルマシW。ガオ○イガーさんとかが強すぎて敵がワンパンで沈むんだけど、プチプチつぶしてるような気分でかなりスッキリする。
ゴリゴリ、ゴリゴリ…。
ゴリゴリ、ゴリゴリ…。
ゴリゴリ、ゴリゴリ…。
ゴリゴ…んあ?
なんか、鉱石っぽいものが出てきた。《鑑定》さん、出番ですよ。
イルギア鉱石 素材アイテム
イルギアという金属を多く含む鉱石。
熱や衝撃に弱く、それらを受けると土塊のようになってしまう。
広い地域で産出されるが、まばらにしか産出されないため、先述の特性と合わさって、数を揃えるのは困難。
ふむ、これは…魔法とか武技を使って掘っていたら見つけられそうにないな。イルギアを更に《鑑定》。
イルギア 素材アイテム
イルギア鉱石を製錬して得られる金属。長時間高熱を与えることで製錬できる。
アイアンよりは若干強度が劣るが、その分軽い。また、魔法の威力を上げる効果もあることから、主に魔法の指輪のリング部分として用いられる。
イルギア鉱石を大量に揃えるのは難しいので、イルギアで作られた装備品は高値が付く。
…もう魔法とか使うのやめようかな。
とりあえずバフの効果が切れるまでは掘り進める。
ゴリゴリ、ゴリゴリ…。
ゴリゴリ、ゴリゴリ…。イルギア鉱石2個出た。
ゴリゴリ、ゴリゴリ…。
ゴリゴリ、ゴリゴリ…。
ゴリゴリ、ゴリゴリ…。あっまた出た。
ゴリゴリ、ゴリガッ!
痛え!突き指したあ!
バフの効果が切れたようだ。ううむ。どうしようかな。正直、イルギア鉱石はかなり惜しい。どうにかして効率よく得られないものか…。
休む用の椅子を持ってき忘れたので、クレイウォールで小さい椅子を作って、そこに座る。
流石に幅が30センチの椅子には座れないので、壁を地面に見立てて横向きに出した。うむ、これなら十分だろう。
ステータス画面を開いて、未取得のスキル一覧表とにらめっこする。
なんかいいもんねぇかなぁ…?
少年捜索中…
なんだこれ?なんか…『NEW!』って右側に出てるんだが…。
魔力感知 魔法補助・探知系スキル
自身や周囲の魔力を感じ取ることができるようになるスキル。
パッシブアビリティ:魔力感知
生物の体内の魔力を感じられるようになる。範囲や精度はMAT、MDF、DEXに依存。
取得条件:1分間の間に自分のMPを最大の状態から使い切る。この時、MPの総量が200を超えている必要がある。更に、その際自身の魔力の喪失を感覚で捉えること。
魔力の喪失の感覚ってログアウトするときの感覚のことか…?
もしかしたら、だが。
魔法にもプレイヤースキルが入る余地がある…のか?
とりあえずこのスキルは便利そうだな。ちょっと気になる…。
必要スキルポイントは7だな。
ええい、取ってしまえい!
『スキル“魔力感知”を取得しました!』
やってやったぜ。ていうか元の目的のスキル探そう。
少年再捜索中…
これは…使えるか?
錬金術 生産系スキル
様々な消耗品を生産するスキル。
また、アビリティとして、化学の実験の操作のような、生産活動の補助をするものを覚える。
アクティブアビリティ:魔力浸透
自身の魔力を対象に浸透させる。MP消費量は対象の体積や素材による。
アクティブアビリティ:濾過
ある混合物から、特定の物体をより分ける能力。自分の魔力が伝わっているものにしか発動できない。
対象が気体でも液体でも個体でも使用可能。
ううむむむむむう。使い辛そうだし、詳細はよくわからないが。必要スキルポイントは8と結構重い。ええい、男は度胸!
『スキル“錬金術”を取得しました!』
そういえば、こういうシステムメッセージを見るの久々だな。
ちょうどクレイウォールの効果時間も終わったようだ。椅子が消えて、周りの壁が少し抉れている。
とりあえず、魔力浸透と濾過を試してみよう。
《格闘》と《鑑定》をはずして、代わりに《魔力感知》と《錬金術》をセットする。
「使えねぇぇぇ!」
土の体積があり過ぎて、俺のMPがカバーしきれない。ていうか、自分の魔力を伝わせるっていうのがよくわからぬ。とてつもなく効率が悪いのは分かったけど。
魔力の使い方を習得する日は遠そうだ。
でもまぁ、何となくだが、魔力浸透を選んで、土に手をかざすと、うっすらと手から力が抜けていくような感覚がある。
俺ってば天才?
肝心のイルギア鉱石集めが全然進んでないんですけどね!
んんんんんんんんぅ。
ちょっと休むか…?
中途半端ですけど、長くなりすぎてる気がしたので投稿します。




