トンネル復旧作業。
キャラの名前はフィーリングと、ゲームとかアニメからもらってます。主にロボットもの。
今回は鋼鉄神さんとカスタム○ボの歴代主人公機のレイからもらいました。
レイよりリトルチックの方が強いですが。(異論は認める)
草原のラビットたちを蹴散らして、トンネルに向かう。
3回に1回ファイター系が混じっているので、結構おいしく感じる。
そうやって30分もすると、山が近付いてきて、洞窟っぽい穴の周りに数人の鎧を着た兵隊さんがいるのが見えた。あそこが例のトンネルだな。
「こんにちは。ギルドでトンネル復旧の依頼を受けてきた者です。コウと言います」
「そうですか、ありがとうございます。実は、あまり人が集まらなくて、困っていたんです。ファストから来た人もちらほらいるらしいのですが、みなさん専らダンジョンに潜って、ギルドの張り紙なんか目にも留めない、とギルドで受付をしている私の叔父も嘆いていました。」
「そうだったんですか。じゃあ僕もその人とあってるかもですね。トンネルの復旧状況はどんな感じですか?」
「先ほど話した通り、人が少ないのと、洞窟内での作業ということで大きな威力の魔法や武技は使えないということもあって、まだ2割というところですね。もう5日も経っているのに…」
「じゃあ、早速お手伝いしたほうがいいですね。現場はどこですか?」
「現場は、ここに入ってずっとまっすぐ行けばいいですよ。休む時は洞窟内の兵士詰め所を貸し出しているので、多少の食事や飲み物も提供できますし、宿屋同様に休んでいただくこともできます。MPポーションは品薄なので用意できませんが、ポーションならいくらか融通できますよ」
「そうですか。ありがとうございます。あ、遭難者はあといくらくらいなら持ちこたえられますか?」
「そうですね、サ-ズからの救援物資も事故に巻き込まれたらしいですから、最低でも後1週間は耐えられるかと思います。しかし、精神的にかなり辛いと思うので、やはり速く救出していただきたいですね」
「分かりました。では行ってきます」
「はい、よろしくお願いします」
早速洞窟に入る。光魔法の明かりや風魔法の換気システムなんかがあるらしく、思っていたよりは明るいし、息苦しさも感じない。道幅や天井までの高さも広い。こりゃ確かにすごいな。
5分も歩くとさっき聞いた詰め所に着いた。交番みたいなところで2人の兵士さんが待機している。
「すいません。復旧作業のお手伝いに来ました。コウと言います。よろしくお願いします」
「お、手伝ってくれんのか。ありがとな。俺はジーグってんだ。よろしくな」
「ギースと言います。よろしくお願いします。この先が崩落現場です。私たちはここで待機して、みなさんが作業しやすいようにバックアップする任務に着いています。ここ以外にもいくつか詰め所はありますから、そちらにも顔を出しておいてください」
「わかりました。行ってきます」
こんな感じで後2つの詰め所に挨拶をして、さらに進むと少しずつ空気がほこりっぽくなってきて、土のにおいが強くなってきた。
さらに進むと、道がふさがっている前で、6人のプレイヤーがいるのが見えた。ここだな。
「どうも、依頼受けてきたコウと言います。これからよろしくお願いします」
「お、やっと人が増えたな。俺たちは6人でパーティー組んでるんだ。俺はリーダーのレイ。獣人族だ。これからよろしくな」
「どうも、サブリ-ダーをやっているフエンです。魔人族をやっています。よろしくお願いします」
「これまた若い子が来たねー。私はアミカだよ。妖精族。よろしく」
「ニックだ。森人族」
「もー、もうちょっと愛想よくしなさいよ。私はミィって言うんだ。獣人族だよ。よろしく!」
「俺はイルムという。山人族だ。よろしく」
装備から考えて、レイさんとイルムさんとミィさんが前衛で、フエンさんとニックさんが後衛、アミカさんは多分盗賊系のスキル持ちだろう。短剣を持っていて、俺と同様装備は軽めだ。
「作業はどんな感じですか?」
「それがよお。入口のにぃちゃんに聞いたかもしれねぇが、あんまり派手な魔法や武技を使うと、上からさらに土が降ってきて、MPの消費と割に合わねぇんだよ。1回、降ってきた土に巻き込まれちまったこともあったし。かといって、ちまちま削っててもなかなか進まないしな。今は、MPを回復させるために休憩中だ」
「そうなんですか。じゃあ僕は作業してますね」
「おう、無理すんなよ?」
「新しい魔法を試すので危ないから」と結構場所を空けてもらって(自意識過剰な厨二病だと思われたらしく、ちょっと苦笑いされた)、『魔力生成促進』を発動する。今使えそうなのはランスとシュートとショット位だな。シュートからいってみるか。
まて、そういえばステータスポイント振ってなかった。もういいや、MATに17、ラビットマジシャンみたいに魔法を使う敵も出てきたからMDFに10振って、さっさと撃ってみよう。
「ファイアシュート!」
ぬおっ熱い!広いといっても、洞窟で自分の横に火の球出したらさすがに熱いわな。気をつけよう。とりあえず行って来い!
ドゴッ!
結構良い感じじゃないか?半径80センチくらいの半球状に丸く抉れている。とりあえず次行ってみよう。
土砂から3メートル位のところまで近付く。
「ファイアショット!」
俺の腹から50センチ位のところに火の球が浮かびあがって、ばらばらになりながら前方へ一瞬で飛んで行った。
バッ!
ぎゃーーーー!土煙がおもいっきり目に入ったぁ!いってぇぇぇ!
しばらく目をゴシゴシして、ようやく開けられるようになった。
抉れた後をみると、ショットの方が全体的に効果が高そうだ。
チクショウ、ひどい目にあった。次!
土砂から10メートル位離れる。
「ファイアランス!」
ドドドドボンッ!
「できるだけ多く貫け」と念じて4回貫けるようだ。効果は…うん。1メートル奥で爆発したからか、削れたようには見えない。
もう一度近付いて、今度は目も口も塞いで、ファイアショットを使う。
バッ!
ぬあーーーめっちゃ顔に土があたるうううぅぅ!
土煙が収まったのを確認してから目を開けると、一番深いところで1メートル50センチくらいは削れていた。ここまでで使ったMPは合計68。『魔力生成促進』で回復しているので、10分後には残りMPが182になっている計算だ。うーむ、これ、どのくらいの効率なんだ?わからぬ。聞いてみよう。
「あのー、レイさん。今のでどのくらい進みました?」
「…ハッ!?お、おう、今ので俺たちの半日分は進んだぞ…」
「さっきの魔法は、βで使っている人がいたファイアシュートとファイアランスでしたね。二つ目の魔法は見たことがありませんが…」
「え?そうなんですか?」
「ファイアランスが使えるようになるのはスキル《火魔法》のレベルが17以上ですから。最前線の人たちには使える人もいるでしょうが、私たちはいつもパーティーで行動しているので、他のプレイヤーとはあまり面識がないんですよ。プレイもエンジョイ勢という感じで、私の《火魔法》のレベルも12ですしね」
「ガチもいいですけど、せっかくリアルを気にせずに遊べるなら、僕も気楽に遊びたいですね」
あのクソ女共は1回シメるが。
「(なんか背中から黒いオーラ出てる…)そうだな。俺たちは大学のサークル仲間でな。1回俗にいうオタサーの姫って感じの奴に人間関係メチャクチャにされたサークルの、被害を受けなかったやつで再結成したサークルなんだ。だから、みんな少しサークルメンバー以外には人間不信気味でな…。あの頃は本当に空気が死んでた…」
「た、大変だったんですね。まぁ、元気出してくださいよ。こんな冴えないやつじゃ皆さんの関係をどうこうできませんし。僕だってそういう人をATMみたいに思ってる奴は大嫌いです。安心して下さいって」
「ありがとう。ありがとう。そういってもらえると本当に嬉しい」
「いい子だね~、コウ君」
「レイは悪意のある奴がいないかずっと気を張ってるから、俺たちはいっつも心配してるんだ。俺たちだってレイにもこのゲームを楽しんでもらいたいのに」
とイルムさんが言うと、他のメンバーも頷いているのを見て、レイさんが照れて顔を赤くしてちょっと泣きそうになっている。なんというか、いい人たちだな。
「~~~、っそれで!さっきの2つ目の魔法はなんだったんだよ!」
なんか、レイさんが乙女ゲーとか少女漫画の主人公みたいにみえる。やったことないからイメージだけど。
「あれはファイアショットっていう魔法です。情報ないんですか?」
「はい、βの頃にも使っている人はいませんでした。」
やっぱり魔法と近接の両立はやる人が少ないか…。ヒスイたちから聞いてはいたが、他の人にも言われるとなんだか改めてボッチということにショックを受ける。
「良かったら、取得条件をお教えしましょうか?」
「いいのか?解析班が発見してないってことは、かなり見つけるの大変だったんじゃないか?」
「いいですよ、別に。大して苦労したわけじゃないですし、それに使える人が増えないと、僕ボッチですよ」
「ブフッ。レアな魔法持ってるのにそれを捕まえてボッチとか、やっぱ変わった奴だな」
「そうですね、なら遠慮なく聞かせて下さい」
「えっと、『スキル《火魔法》Lv.8、物理攻撃で30体の敵にとどめをさす。』ですね。レイさんたちがラビの動きを封じてから、フエンさんが杖でとどめをさせばいいと思いますよ」
「その条件なら使ってる人を見かけないのも納得だね。後衛が杖で殴って敵を倒すのは前衛が崩れたすごくやばい状況の時だけだし、死に戻りを嫌う人ばかりだから安全マージンはかなり取ってるから、そんな状況はすごく珍しいし、誰も持ってなくても納得だよ。でも、さっきの魔法があれば、後衛からMOBを強制的に遠ざけて、隊列を組みなおす時間もできそうだね。」
「そうだったんですか。ソロなんで基本魔法も近接もやらないと捌き切れないんですよね。まぁ、さっき言った通り初めて使いましたけど」
「なぁ、もしかしてなんだが。その《火魔法》のレベルといい、ソロってのといい、お前が街道クエストの初クリア者なのか?」
ウゲッ。鋭い。まぁ、言われてみればかなり分かりやすいよな、この状況。仕方ない。
「そうですよ。まぁ、あの時はかなりバーサクしてたからできたってだけで、その後すぐにログアウトして眠っちゃうくらい疲れました。今はかなり無茶をしたと思います」
反省はしているが後悔はしていない。
「そうか、お前が…。すごいやつだな、俺たちは5回目の挑戦でやっとクリアしたんだ。クリアした後は同じようにログアウトして爆睡したぜ。しばらく毛皮はみたくないぞ…」
「まあまあ、このイベントを終わらせたら、猫カフェにでも行って癒されてきて下さいよ。とりあえず、今は中にいる人の救出が先ですが」
「そうだったな。んじゃ、俺たちも作業に戻るか。このクエストが終わったら、フエンたちにショット系も覚えてもらうぜ。情報、ありがとな。」
「いえいえ。でも、僕が初クリア者だって他の人には教えないでくださいよ?それで、ファイアショットなんですけど、レイさんたちが悪い人じゃないって思えるような人に教えてあげて下さい。」
この人たちなら悪いようにはしないだろうし、ボッチ脱却を手伝ってもらおう。
「おう。もっとも、俺たちも掲示板は使ったことがないけどな!」
「それに、あまり人とも関われませんしね!」
人選ミスのような気がするが、まあいいや。
俺の第一目標は強くなることだが、やはりこの世界を楽しむことも忘れちゃいけない。
「じゃあ、作業を再開しますか!」
「「「「「おう!」」」」」
「ちょっとニック!合わせなさいよ!」
うん、締まらない。
キャラが増えてもほとんどレイさんとしか話さない主人公。
女の人→苦手
寡黙な人、聡明な人→話しかけることで邪魔するのが申し訳ない。
話せないわけではありませんが、こういう理由で自分からはあまり話しかけません。
ぼっちの闇は深いのです。




