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【完結済】未来の君に、さよなら  作者: 朝倉夜空
第二学年・夏〈解放〉と〈アイドル〉の物語
194/434

第56話 地図なき航海の先に 2

 

 バリバリのキャリアウーマン。

 

 黛みちるという中年女性をひとことで形容するならば、それ以上にふさわしい言葉はないように思えた。みちるさんはパンプスの音を小気味よく響かせながら廊下を歩いてきた。俺の待つ応接室に入った彼女の第一声は「めんどくさ」だった。「こんにちは」も「はじめまして」もなかった。

 

 俺はおどおどして椅子から立ち上がった。つまらない定型句しか思い浮かばない。

「お忙しいなか、お手数をおかけして申し訳ありません」


「母から手紙を預かってきたそうね」みちるさんはテーブルを挟んだ向かいの席に腰かけた。「ああ、君も座って」

 

 俺は会釈してから再度着席すると、受付で入社許可証の役割を果たしてくれた手紙をみちるさんに渡した。彼女はそれをたいしてありがたくもなさそうに読みはじめた。生みの親からの便りであるにもかかわらず。


 一方手持ちぶさたになってしまった俺は、彼女の容姿を観察してみることにした。


 髪型はワンレングスのボブカットで、右耳にだけ髪がかけられている。面長の顔は全体的に骨張っており、顎のラインは二次関数のグラフみたいにシャープかつ左右対称だ。切れ長の目も相まって、人にはやや冷たい印象を与えるだろう。好き嫌いがはっきり分かれそうな顔とも言えるかもしれない。そして表情や身のこなしには、世の中の酸いも甘いも知り尽くした貫禄とでも呼ぶべきものが、そこはかとなく漂っていた。


 スカートからは黒のストッキングに包まれた細くてきれいな脚が伸びていて、否応なく俺の視線を下げさせた。この人は母親と同い年だぞ、と自分を理性で律したところで、みちるさんは便せんをテーブルに置いた。


「君は鳴桜高校の後輩か」とみちるさんは面倒臭そうに言った。「手紙には、かれこれ十年以上顔を見せない親不孝娘に対する親の愚痴と、君の話を聞くようにとの指示が書かれていたわけだけど、当面私はふるさとに帰るつもりはないから、君の話を聞くことで、それを親孝行とする」

 

 俺はひとまずほっとした。「ありがとうございます」

 

 みちるさんはブランドものの腕時計を指さす。爪には落ち着いたトーンの赤いマニキュアが塗られていた。「ただし手短にね。私、忙しいの」


「わかりました」俺はうなずいてテーブルに身を乗り出し、先輩、と呼びかけた。「いきなりですが本題に入ります。”未来の君”という言葉を、ご存じですよね?」

 

 みちるさんは耳を無表情で掻いた。そして口元に笑みらしきものを浮かべた。

「ごめん。その話(・・・)は、やめてもらえる?」

 

 もちろん俺はそう簡単に引き下がるわけにはいかなかった。

「先輩。あなたも高校生のときに“未来の君”について占われているはずなんです。20年前、春の夜、黒マントの占い師……」


「やめてって言ってるでしょう!?」みちるさんは声を荒らげて立ち上がった。「やっぱり帰ってちょうだい。親孝行はまたの機会でいい。私にはやるべき仕事が山ほどあるの」


「先輩が忘れたい過去をほじくり返すような真似をしているのは百も承知です」と俺はすかさず言った。「でも、それでも、どうしても僕は“未来の君”についての情報が欲しいんです。お願いします。どんな小さなことでもかまいません。知っていることを話してはいただけませんか?」

 

 みちるさんは取り乱したことを自省するように静かに席についた。

「その様子だと、君も占われたのね? あの黒ずくめの不吉な占い師に」


「そうです」

 俺はナップサックから色褪せた日記帳を取り出してテーブルに置き、深く頭を下げた。「すみません。先輩の高校時代の日記を読ませていただきました。お母様が読むことを許可してくださったもので。ここに書かれていることは、すべて事実ですよね?」


「君の目には、私がありもしない絵空事を延々と書き連ねるようなイタイ女に見えるのかしら?」

 

 俺はうろたえた。「い、いえ。そういうわけでは、決してなくて」

 

 みちるさんは日記帳を手にとってぱらぱらめくった。そしてぴしゃりと閉じた。

「これを一通り読んだのなら、私があの街を離れて東京に来たいきさつも君はとっくに理解しているのよね?」

 

 俺はまずみちるさんが当時交際していた天野さんの名前を出し、それから順を追って事実確認していった。


 天野さんは書道界では神童と目されていたこと。

 彼はある日の不幸な出来事によって利き手に重い後遺症を負ってしまったこと。

 その出来事とは階段からの転落事故だったこと。

 彼は恋人だったみちるさんを守ろうとしたこと。

 後遺症が癒えず夢破れた天野さんは高校を去ったこと。

 やがてみちるさんも高校にはいられなくなったこと。

 

 事故のあった階段に今もみちるさんの生霊が棲み着いているらしいこと――まではいくらなんでも口にしなかった。そんなことを唐突に真顔で持ち出したら頭のおかしい後輩だと思われかねない。


「そう、私は高校を中退した」と彼女は抑揚のない声で言った。「私はとにかくあの街を離れたかった。どこか新しい場所で人生を一からやり直したかった。それで身ひとつで上京してきたの。君ももう子どもじゃないんだから、私が何を言いたいかはわかるでしょう? どうかお願いだから、昔のことを思い出させないで」


「似てるんです」ここが踏ん張りどころだ、と俺は自分に言い聞かせた。「20年前の先輩が置かれた状況と今の僕が置かれた状況とを比べてみると、ほとんど同じなんです。先輩は天野さんに恋をしていましたよね? でも占い師が告げた先輩の“未来の君”は、別の男子生徒でした。僕も高校に入って一人の女の子に恋をしました。でも占い師が水晶の中に見た僕の“未来の君”は、どうやらその娘ではないらしいんです。他の女子生徒みたいなんです」

 

 みちるさんがあからさまに苛立って眉をひそめたので、間髪を容れず俺は「ここがもっとも重要なんですが」と続けた。「その二人の女子生徒は、どちらも先輩のよく知る人物(・・・・・・)の娘さんです。一人は――僕の個人的な理由で敬称は省きますが――柏木恭一。それからもう一人は直行さん。そうです。先輩。あなたの”未来の君”です」

 

「そんな人たち、知らないわ」とみちるさんは言った。目が泳いでいた。しらばっくれるのも想定の範囲内だった。俺はナップサックから一枚の写真を取り出し、それを彼女の前に差し出した。


「しつこいようで、本当に申し訳なく思っています。これは20年前の遠足の様子を写した写真です。バーベキューのコンロを和気あいあいと囲んでいるジャージ姿の生徒たち。この中に先輩がいます。その隣には天野さん。そしてただひとり仏頂面の僕の母の両隣にいるのが、柏木恭一と直行さんです。青春時代を共に過ごした旧友たちを知らないというのは、さすがに無理があります」

 

 どういうわけか、みちるさんの眉間は狭まっていた。

「君、今、なんて言った?」

 

 俺は焦った。何か失言でもしてしまっただろうか?

「え?」


「君、たしか『僕の母』って言ったよね?」

 

 俺はおそるおそるうなずいた。するとみちるさんは写真を手に取り、俺の顔と何度も見比べた。「君、ひょっとして、ユッキーの息子さん?」

 

 みちるさんの日記では母はユッキーという名で登場していたことを俺は思い出した。

「はい。そこに写っている戸川有希子は、僕の母です」


「なによ、もう!」みちるさんは椅子から立ち上がり、小走りで駆け寄ってきた。パンプスが脱げそうになる。「それを最初に言いなさいよ。ええと、その、冷たくしちゃってごめんねぇ。そっか、ユッキーの息子さんか。ああ、言われてみれば似てる。特に世を()ねたような目なんかそっくりじゃない!」

 

 彼女は壁に備え付けられている内線電話を使って誰かと連絡をとり、近くのカフェからコーヒーをテイクアウトしてこの応接室まで持ってくるよう指示を出した。おかまいなく、と俺は謙遜したけれど、お腹空いてるよね、と彼女は断定し、サンドイッチとスコーンとケーキを追加した。


 電話を切ると彼女は元の席につき、柔和な目で俺を見つめた。まるで親戚の子を見るかのようだ。

 

 俺はなんだか照れ臭くなって口を開いた。

「先輩は母と仲が良かったんですよね?」


「そうよ。私は有希子をユッキーって呼んでいたし、逆に向こうは私のことをミッチーって呼んでいたの。ユッキー&ミッチー。どっちもあまり社交的な性格の女子じゃなかったから、馬が合ったのよね。懐かしいな。二人でよく恋バナしたのよ。君にはとても話せないようなキワどい話も。ユッキー、今も元気にしてる?」


「恥ずかしながら、僕にもそれはわからないんです」

 俺はみちるさんが高校を去った後、母がどういう人生を歩んだかをかい摘まんで話した。「まぁ、すべてを捨てて富山で柏木恭一と新しい家族を築くだけのエネルギーはあるんですから、元気でやっていると言えるんじゃないですか」


「そうだったの。君も年の割に苦労してきたんだ」みちるさんは同情してくれる。「なるほど。たしかに君には恭一君を”さん”付けで呼べない個人的な理由がある。母親を盗んでいった憎き男だものね。できることなら殴りたいくらいよね」


「もう殴りましたよ」


「え?」

「三発。こないだの冬に富山に行ったんです」


「見かけによらず君って血気盛んなのね」みちるさんはくすくす笑う。「なにはともあれ、ユッキーの息子が私を頼ってわざわざ東京まで来てくれたんだもの、何もお土産を持たせないわけにはいかないね。いいわ。“未来の君”について、私の知っていることを話してあげる」

 

 俺が感謝を述べるとみちるさんは名前を尋ねてきた。悠介ですと俺は答えた。良い名前ね、と彼女は奇しくも自身の“未来の君”である直行さんと同じことを言った。


「ところで悠介は、占い師にどこまで聞いているの?」

「“未来の君”とは、平たく言えば“運命の人”のようなものだとしか」


「私はもっと具体的な説明を受けたわ」と言ってみちるさんは深呼吸した。「悠介。これから私が話すことには、君が耳をふさぎたくなるような情報も含まれているかもしれない。それでも聞く覚悟はできている?」


「もちろんです」と俺は言った。「そのためにここに来たんです」


 ♯ ♯ ♯


 社員が近くのカフェからテイクアウトしてきたコーヒーや食べ物がテーブルに並ぶと、みちるさんは両手を大きく広げた。

「さあ、好きなものを好きなだけ食べて。遠慮はいらないから」

 

 正直俺は少しも腹は減っていなかったけれど、何も手をつけないというのもなんだか無礼なので、目についたサンドイッチをいただくことにした。どことなく都会的な食感を楽しみつつ、室内を見渡してみる。白い壁には数枚の写真が飾られている。いずれも海の写真だ。コバルトブルーと白のコントラストが美しい。


「ぜんぶ私が撮影した写真なのよ」みちるさんはカメラのシャッターを押す仕草をする。「セーリングの趣味が高じて、世界中の海を旅してまわったわ。地図なんか持たないで気ままに洋上を旅するの。海はいいわよ、広くて大きくて。いかに自分が普段、陸でせせこましく生きているか実感するもの」


「はぁ」かなづちの俺には、遭難してサメやシャチに怯えながら大海原をただよう光景しか思い浮かばない。


「秋になったらアカプルコに行くの。もしよかったら、悠介も連れていってあげようか?」


「け、けっこうです」と俺は言った。「それにしても先輩はすごいんですね。応接室にこうして自分が撮った写真を自由に飾れるなんて。なんていうか、先輩の会社みたいです」


「そうよ。ここは私の会社よ」

「えっ?」


 彼女はひとしきり笑うと、名刺を取り出して俺に渡し、あらたまった声に切り替えた。

「voyageエンターテインメント・代表取締役の黛みちると申します。どうぞ以降、お見知り置きを」

 

 名刺には役職や名前の他に、会社のロゴマークもプリントされていた。ヨットの帆をあしらったデザインだ。それを見て俺はピンと来た。


「社名の由来がわかりました。先輩の趣味からですね。voyageは日本語で航海。先輩はいわば、船長でもあるというわけです」


「その通り。それでこそ私の後輩だ」

 

 俺の想像は膨らんで、実は“未来の君”を選ばなかった“後悔”と”航海”をかけているのかともふと思ったが、調子に乗って余計なことは言わない方がいいだろう。きっと後悔する羽目になる。


「さて」コーヒーブレイクが終わり、みちるさんは表情をきりっと引き締めた。「そろそろ始めましょうか。“未来の君”についてのお話を」

 

 俺も気合を入れ直した。「お願いします」


「“未来の君”、これすなわち運命の人。私も悠介と同じように最初は占い師にそう言われたわ。でも高校時代の私はさっぱり釈然としなかった。生物の授業でDNAとはデオキシリボ核酸のことである。そう教わって『ああ、そういうことなのか』とはならないじゃない? それと同じ。肝心なのはデオキシリボ核酸の構造や働きでしょう。だから私は、もっとわかりやすい説明を求めたの。すると占い師は人生を旅に例えて話し始めた」

 

 俺は瞬きするのも忘れて耳をすました。


「占い師が言うには、私たちは誰もがみんな、地図(・・)を持って生まれてきていると考えればいいらしいの。人生という険しい旅の道しるべとなる地図ね。もちろんその地図はどれも同じではない。100人いれば100通りの地図がある。大きな地図、小さな地図、親切な地図、不親切な地図、模範的な地図、でたらめな地図。宝のありかを記した地図だってある。沈没した海賊船から見つかるような×のついたやつね」


「億万長者になれる人はきっとそういう地図の持ち主なんでしょうね」

 

 破いて燃やしてやりたいわね、とみちるさんは笑いながら言って、話を戻した。

「ただ、なかには稀に、不完全な地図(・・・・・・)を持って生まれてくる人がいると占い師は言うわけ。どこがどう不完全かというと、その地図はちょうど半分にちぎれていて、そのままでは道しるべの役割をまるで果たさないの。


 突然だけどここで悠介に質問。もし君が未開の地を旅することになったとする。そこはひどく荒れ果てていて、毒蛇やら魔物やら底なし沼やらが待ち受けているとてもリスキーな場所だ。でも手元にある地図は半分のあたりでちぎれていて使い物にならない。さぁ、どうする?」

 

 とるべき行動はひとつしか考えつかなかった。

「とりあえず、地図のもう半分を探してみると思います」


「それが賢明な冒険者の判断よね。ではまた質問。もし自分と同じように、半分しかない地図を持って困惑している他の冒険者に出会ったとしたら、どうする?」


「合わせてみます」と俺は即答した。「互いの地図の切れ目を。もしかしたら、ぴったり合って、きちんとした地図になるかもしれない」


「一枚の完全な地図になったなら、その半分を持っていた冒険者こそが、共に旅をするパートナー――“未来の君”なのよ」みちるさんはたしかにそう言った。「もうここまで話せばわかるでしょ? 占い師に“未来の君”がいると言われた私と悠介は、不完全な地図を持ってこの世に生まれてきた人間なの。私たちが生きていくうえで欠かすことのできない存在。それが“未来の君”よ」


 俺は日記帳を手にとり、12月1日の記述を読み上げた。

「『“未来の君”を選ばなければ必ず不幸が訪れるとあの占い師は私に忠告した』とありますが、これはどういうことですか?」


「占い師はこうも話していた」とみちるさんは言った。「『不完全な地図を持っているあなたの旅に、元々きちんとした一枚の地図を持っている者を同行させてはならない。行き先が不明瞭となり、旅は途中で頓挫してしまう』。……そして私はその言いつけを破った」

 

 俺も破ろうとしている、と俺は思った。


「悠介」みちるさんはテーブルの上で指を組んだ。「さっきの話によれば、悠介の身近には、恭一君の娘さんと直行の娘さんがいるそうね。どちらが悠介の“未来の君”なの?」

 

 柏木恭一の娘ですと俺は答えた。


「そう……。ということは、悠介が好きになったのは直行の――私の“未来の君”の――娘さんなんだ?」

 

 俺はうなずいた。


「余計なお世話かもしれないけど、悠介、恭一君の娘さんを選びなさい。悪いことは言わない。たかが占いだなんて侮ってはいけない。あの占い師はまぎれもなくホンモノよ。彼の予言は当たるの。彼には本当に未来が見えるの。自分の想いを優先して言いつけを破った私は、君も知っての通り、天野君を傷つけてしまった。彼の書道家になるという旅を終わらせてしまった。悠介だって好きな娘を傷つけたくないでしょう?」

 

 占われてから20年近くが経っているみちるさんの言葉は、強い説得力をもって俺の耳に響いた。しかし同時に、ひとつの反論を脳裏に浮かばせたのも事実だった。それをすかさず口に出す。


「先輩は直行さんではなく最終的には天野さんを選びましたよね。ということは、先輩も直行さんも、半分だけの不完全な地図でこれまで旅を続けてきたことになります。ちなみに直行さんが今、何をされているかご存じですか?」

 

 直行さんの元恋人は若干はにかんだ。「さぁね」


「株式会社タカセヤ。そこで社長の職についています。老舗スーパーマーケット全9店舗の総指揮をとる経営者です。直行さんは地元では今やちょっとした有名人ですよ。そして先輩。先輩は代々木の一等地にこうして立派な自社ビルを構える芸能事務所のトップだ。


 そうなんです。おふたりとも、場所と業種の違いはありますが、企業の最高責任者として社会の第一線で活躍されているんです。それは先輩たちの高校時代から見れば、成功を手にした未来と言えるんじゃないですか? 不完全な地図のままでも行き先を見失うことなく旅ができるんじゃないですか? 


 先輩は占い師の忠告を無視して直行さんとは共に歩みませんでした。けれども僕の目には、どちらもしごく真っ当に生きているように映ります」

 

 みちるさんは無表情で十秒ほど黙った。それからがっかりしたようにため息をついた。

「社会的地位の高い人間がもれなく人生の成功者だと思うのなら、それは、君がまだ青い証拠よ?」

 

 そう言われてしまうと、彼女の半分も生きていない俺は何も言い返せない。俺が黙り込んでいると、みちるさんは煙草を吸ってくると言い残して応接室から出ていった。


 感傷的な気分に浸りつつ、俺は壁に飾られている海の写真を見た。世界中の海を旅してまわった、とみちるさんは言っていた。


 地図なき航海の先に、彼女はいったい何を見い出すのだろうか。

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