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【書籍化】神の審判でやり直しさせられています  作者: gacchi(がっち)


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77.依頼の内容

「陛下は体調を発表して国が弱体化することを恐れた。

 表向きの発表は、刺客にねらわれたが無事だった、

 ケガも軽くすぐに回復している、ことになっていますよね。

 だけど本当は下半身に麻痺が残り子が作れない。

 王女を王妃の子にしたのは、

 そのほうが政略結婚につかえるということもあるんでしょうけど、

 もう子が作れないことを公表しないために、

 王妃が二人産んだのだから側妃はもう必要ないとしたかったのでしょう。」


「なるほどな。王妃が産んだのが第一王子だけなら、立場は弱くなる。

 側妃よりも子を産めない王妃だと陰口を言われかねない。

 王妃を守るためにもそうしたのだろう。

 王妃のミリアーナ様を選んだのは陛下自身だから。


 婚約者選びの時点での評判では側妃のカレン様のほうが上だった。

 身分では公爵令嬢のミリアーナ様の方が上だったのだが、

 カレン様は周りのものから聖女のように思われていたから。

 実際にはそうではなかったのだから、陛下の見る目があったというべきだな。


 陛下と王妃が結婚した後、

 残った王族で独身だった王弟殿下とカレン様の婚約話が持ち上がった。

 だが、王弟殿下がカレン様のことを強く拒否してしまい、

 カレン様の名誉を傷つけてしまったということで陛下が側妃にした経緯がある。

 

 あの時には王弟殿下の婚約者が亡くなった原因がカレン様だとは知らなかった。

 処刑する前に調べ直して、側妃の関与があったことがわかったが、

 王弟殿下だけは当時からそのことを知っていたようだ。

 王弟殿下がカレン様を拒否するのも無理はなかった。」


側妃の子だからとフレデリック様を拒否した王弟殿下。

それ以前に側妃との婚約も拒否していたとは…。

自分の婚約者が亡くなった原因である側妃との結婚…受け入れられないのはわかる。

だが、王弟殿下はビクトリア様のことは知らないのだろうか。

ジョージア様もそのことを知らないのかもしれない。

陛下と王妃だけ知っていることなのだとしたら、

私たちはとんでもないことを知ってしまったのかもしれない。


「ビクトリア様を隣国へと嫁がせようとしたのは、そのせいでしょうか。」


「そうだろうな。この国にいて、側妃の子だと知られたらまずいだろう。

 側妃の被害者は恨みを忘れていない。

 だから狙われるのがわかっているフレデリック様には護衛を必ずつけている。

 騎士団に早くから来ていたのも自分で身を守らせるためだったのだから。」


「それがああなるとは思いませんでしたけどね…。」


「すまんな…一応騎士団で訓練させているとはいえ、

 第二王子に手加減せずに訓練させるわけにもいかない。

 中途半端な鍛え方をさせてしまった。

 レイニードに負けたことで少しは考えるようになるといいのだが。」


「そうですね。おそらく王宮で謝罪されるときに、

 フレデリック様の今後のことも教えてくれると思いますが。

 今回、魔術師協会から頼まれごとをしているんです。」


「頼まれごと?」


「はい。陛下の治療をしてくれないかと。」


「は?お前たちが?

 どうして魔術師協会のものがしないんだ?」



「魔術師協会から王家に働きかけるのは六か国法にふれるからまずいそうなんです。

 だけど、今治療しなければ陛下はジョージア様の成人までもたないだろうと。

 俺たちはまだ学生なので、魔術師協会のものではないと言い訳できるそうです。


 魔術師長の考えでは、陛下の体にはまだ毒が残っているんじゃないかと。

 神経毒なんでしょうけど、他の毒も混ざっていたせいで、

 内臓まで腐りかかっている可能性があるのではないかと。

 解毒と治癒、それと魔術具を作って渡してほしいと書かれていました。」


「解毒と治癒はわかるが、魔術具?」


「どうやらこのままだと陛下とジョージア様は毒殺される恐れがあるそうです。」


「なんだと?誰にだ?」


「ビクトリア王女に。」


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