49.救うのは誰
「安心しすぎていたのかな…。」
「そうだな…俺が騎士にならないことで運命が変わったのだと安心していた。
それに婚約の儀式さえしておけば、王族から狙われることも無いと…。」
「そうよね…私もそう思ったわ。」
「あの時…神父様が俺たちの白銀の魔力を見て、王族に狙われるって言ってたが、
もしかしたらサウンザード国の王族って意味じゃなかったのかもしれないな。
魔術師は一つの国のものにはならない、六か国に所属するって知ってたのに。
六か国の王族から狙われることに気がつかなかった…。」
「…。」
いつものように図書室のソファで後ろから抱きしめられているのに、
どこか寒い気がして…レイニードの腕にしがみついてしまう。
レイニードの腕の中にいるのに、足元が定まらないような不安に襲われる。
そんな私を抱きしめているレイニードにも、おそらくその不安は伝わっている。
「明日から、またエミリアを守るために頑張るよ。
今は安心させてあげられなくてごめん…もっと力をつけなきゃいけないな…。」
「その通りだ!」
突然の聞いたことのない低い男性の声に驚いて振り向くと、
図書室の中なのに人がいる。
白髪に近い銀髪を伸ばし、後ろに一つにまとめた、
わりと体格のいい高齢の男性が立っている。
その隣には薄茶色の髪の小さな高齢の女性が寄り添っている。
「…どなたですか?」
慌てて起き上がってソファから立ち上がると、レイニードが男性に声をかける。
この図書室に入ってこれたということは、
間違いなくエンドソン家に関わりのあるものだということだ。
不思議がる私たちに向かって、二人は柔和な笑顔を見せた。
「お前がレイニードか?それと…エミリア。大きくなったな。
お前の祖父だよ。」
「え?お祖父さま!?」
目の前にいる男性がお祖父さまだと言われ、
お父様に似ている目元や鼻筋に気がつく。
白髪になりかかっているが、生え際に少し銀色が残っている。
お父様や私と同じ銀色…前のエンドソン侯爵ということ?
亡くなったとは聞いてなかったから、どうしているのか気になってはいた。
まさか突然帰ってくるとは思わなかった。
今朝もお父様は普通に王宮へと仕事へ行っている。
…お父様も知らなかったのかもしれない。
「ああ。図書室にかけた鍵が開いたのに気がついて、リンクスに連絡をしてみたら、
エミリアが魔術師を目指していると聞いてな。
すぐにこちらに戻ってきたかったのだが、あいにく仕事がなかなか空かなくて。
ようやく時間が取れたから、ユリミアと帰って来たんだ。」
「じゃあ、本当にジョセフお祖父さまとユリミアお祖母さま?」




