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【書籍化】神の審判でやり直しさせられています  作者: gacchi(がっち)


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26.昼ご飯

「ねぇ、ねぇ。名前なんて言うの?

 私遅れてきちゃったから、最初の説明を聞いていないの。

 これから一緒にお昼食べながら教えてくれない?」


「…最初の説明なんて無かったよ。」


「えぇ~?そうなの?

 じゃあ、それはいいからお昼ご飯一緒に食べよう?」


「…断る。」


「え!どうして!?

 せっかく一緒のクラスなんだから、仲良くしたいのに~。

 きゃっ!やだにらまないで~!怖い!」


「え?」


レイニードとミーアが話しているのを見ていただけなのに、

ミーアに怖がられてしまった。

涙目のミーアを見ていると自分が何かしてしまったのかと思う。

私、気が付かないうちにミーアをにらんでいたのだろうか?


「行こうか。」


「え?」


「良いから、行くよ。」


レイニードに手をつながれて、そのまま教室の外に連れて行かれる。

振り返ってみると、ミーアににらまれていた。


「もう!そんな意地悪な女なんかほっとけばいいじゃない!」


そんな声が聞こえて来たけれど、

ミーアの声を無視してレイニードはそのまま外に出て行こうとしている。


「レイニード?」


「あんなの気にしなくていい。

 ご飯食べるところ探そう?」


「…うん。」


せっかく同じクラスに女の子が二人いるのに、

一人は仲良くしてもらえ無さそうだった。

まだ一言も話してないのにな…。少しだけ悲しくなってしまう。



どこかお弁当を広げられるような場所は無いかと探していると、

校舎の脇に木で出来たテーブルセットがいくつか並んで置いてあった。

場所から考えると魔術師科の学生が使っていいのだろう。

一つのテーブルには6人が座れるようになっている。


「ここにしようか。」


「そうだね。ちょうど木の陰になっていて、良い感じ。」


制服のローブの両ポケットが収納魔術のものになっていて、

右側には勉強道具が、左側にはお弁当が収納されている。

そこからテーブルにお弁当を出して並び終えた頃、後ろから声をかけられた。


「ねぇ、俺たちもここで食べてもいいかな?」


ファルカとルリナだった。手に持っているのはお弁当だろう。

レイニードが私を見て確認するので、頷いて了承する。


「いいよ。」


「ありがとう。…ルリナは真ん中に座って。俺は端に座るから。」


「それ、何か意味があるのか?」


「ん?もし、あの女が追いかけてきても、俺の隣に座らないように。」


「…なるほど。じゃあ、俺もそうしよう。エミリア、真ん中に座って?」


「うん。」


ルリナの向かい側に私、ファルカの向かい側にレイニードが座ると、

妙に落ち着いた気持ちになった。

なぜか、ずっと昔から知ってる人と一緒にいるような。


「あらためてルリナです。仲よくしてくれるとうれしい。」


「エミリアです。私も…お友達いなくて。

 ルリナとお友達になれたらうれしい。」


少し猫目のようなルリナの目がくるくる楽しそうに動くのを見て、

思わずふふっと笑ってしまう。

それを見てルリナも笑いかけてくれたから、友達になれそうでうれしくなる。



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