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25.自己紹介

「じゃあ、簡単に自己紹介してくれ。前から順にな~。

 あぁ、家名は名乗らなくてもいいぞ。」



視線で私を指名され、慌てて立って自己紹介する。


「エミリアです。あまり魔術のことは知らなくて…。

 でも、魔術師になるために頑張ろうと思ってます。

 よろしくお願いします!」


ぺこりと頭を下げると、後ろの二人が拍手してくれた。

ただそれだけだけど、二人が良い人に思えて、

友達になれそうな気がしてうれしかった。

席に座ると、次はレイニードが立って自己紹介をする。


「レイニードです。エミリアとは婚約しています。

 もうすでに一緒に住んでいるので、よろしくお願いします。」


「えっ。」


思わず私が驚いて声をあげてしまった。

自己紹介って、そういうことを言うの?

後ろの二人はレイニードの自己紹介にも動じず、拍手をしている。

先生を見ると、にやっと笑っている…。

レイニードを見ても平然としていて、驚いた私の方がおかしいの?


驚いている私をよそに、自己紹介は続いていく。

後ろの二人の女の子のほうが立ち上がった。


「ルリナです。周りが魔術師が多い環境だったので、

 小さいころから魔術師になるんだと思ってました。

 頑張りますので、よろしくお願いします。」


女の子の方はルリナっていう名前らしい。

小さいけれど、はきはきと話す子のようだ。



「ファルカです。ルリナとは小さいころから一緒にいます。

 婚約はしていませんが、魔術師になったら結婚する予定です。

 よろしくお願いします。」


「…。」


男の子の方はファルカというらしい…レイニードと似たようなことを言っている。

見たら、レイニードとにやっと笑い合っている。

仲良くなれそう…なのかな。

ルリナはそんなファルカの自己紹介は聞いてないのか反応がない。

意外と変わっている子だったりするのだろうか。


「よし、自己紹介終わり。

 じゃあ、校舎の説明をするぞ。」


先生が黒板に説明を書き始めた時、教室の扉がガラッと開いた。

なんだろうと思って見ると、女の子が一人飛び込んでくるところだった。



「ごめんなさいっ!遅れちゃいましたぁ!」


ふわふわの茶色の髪をゆらしながら、息を整えようとしている。

ぱっちりの茶色い目、小さめの鼻と小さめの桃色の唇。

体格は普通だけど、なんとなく小動物っぽい感じの女の子だった。


「あー。ようやく来たか。ミーアだな?」


「はい!ミーアです!」


女の子らしい高くて甘えるような声でそう言うと、

私たちの隣の二人掛けの席に一人で座った。

私から見るとレイニードが間に入るので、直接話しかけるのは難しそうだ。

そう思って見ていると、ミーアはなぜかこちらのほうをチラチラと見てくる。


「…?」


どうやらレイニードを見ているようだ。

…やっぱりレイニードはもてるんだ。騎士じゃなくてもかっこいいもの。


騎士になるのを辞めたからか、髪は切らずにそのまま伸ばして後ろで結んでいる。

最近少しだけ大人びた顔つきになって、色っぽさも出てきている。

レイニードを見てしまう気持ちもわからなくはなかった。


午前中は先生に説明されるだけで終わりになり、昼休みの時間になった。

外へ出てご飯を食べる場所を探しに行こうとレイニードに声をかける前に、

ミーアがレイニードに話しかけてきた。


「ねぇ、ねぇ。名前なんて言うの?

 私遅れてきちゃったから、最初の説明を聞いていないの。

 これから一緒にお昼食べながら教えてくれない?」


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