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【書籍化】神の審判でやり直しさせられています  作者: gacchi(がっち)


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126/158

126.ライニードの相手

ライニードのそばに行くと、ライニードのほうから近づいてくる。

人の少ない場所で話をしたいようだ。

歓談席の奥、布で区切られている席まで行くと、小声で報告される。


「エリザベスから受け取った飲み物に何か入ってた。

 ペンダントが熱くなったよ。」


「やっぱり…エリザベスは何か言ってた?」


「これ。」


それは小さな紙片だった。

"二人きりで話がしたいので休憩室に行きませんか?

夜会の間、休憩室付近の廊下でお待ちしています。"

そう書いてあった。


「…この手紙を見ると、使われた薬は媚薬だったのかと思うけど。」


「ついでにジュリアにも同じことを言われたよ。

 休憩室の近くの廊下で待ってます、だってさ。」


さきほどジュリアが耳元で言ってたのはそれだったのか。


「ねぇ…休憩室付近で二人ばったり会ったら喧嘩になってないかしら。」


「ありうるな~。」


「…俺が行かないとわかったら、二人とも広間に戻ってきそうだけど。」


「戻ってきたらきたで揉めそうね。」


「まぁ、その辺はうまくやるよ。

 俺は相手するなんて一度も言ってないからね。

 もちろん直接誘われるようなことがあればはっきりと断るよ。」


それはそうかもしれないけれど、それで納得するような子たちかしら。

ライニードの話は聞かずに二人で取り合いするような場面が想像できた。


「ビクトリア様は話しかけに来た?」


「ビクトリア様は今日が夜会デビューだろう?

 まずは王族として当主たちのほうに挨拶に行ってるはずだよ。

 こっちに来るのはもう少し後になるんじゃないかな。

 …ダンスするように遠回しに誘われたけど、断ったよ。」


「なんて言って断ったの?」


「…初めてのダンスは恋人と踊る約束をしていますって。」


「「…。」」


ミリーナ様とそんな約束をしていたなんて。

耳が赤くなったライニードに、ミリーナ様とは順調なんだと安心する。

だけど、そう言って断られたビクトリア様の反応はどうだったんだろう。


「それって、断って大丈夫だったの?」


「陛下からもジョージア様からも、

 その気がないならはっきり断っていいって言われている。

 むしろ思わせぶりなことをすると揉めるだろうって。

 ダンスを踊ったりしたら婚約したなんて言い出しかねないからね。」


「あぁ、それもそうか。」


「確かに言われかねないわね。」


「だからこの後も広間に居るけど、誰の誘いにも乗らずにいるよ。

 下手に姿を消すと噂になりそうだしね。

 人の目につくところにいることにするよ。」


「そのほうがいいな。

 俺たちは離れるけど、遠くから見ているから。

 何かあればすぐに駆け付けるよ。」


「ああ、ありがとう。助かるよ。」



レイニードとその場を離れると、

令嬢たちがライニードを遠巻きに見ているのがわかった。

声をかけるのは無理でも、近くで見ていたいのだろう。

婚約者がいない公爵家嫡男、銀の貴公子に近づきたいのはエリザベスたちだけじゃない。

ミリーナ様のことがわかってもあきらめきれない人もいるだろう。


その視線に気が付いているのかいないのか、

ライニードは近くにいた令息たちと談笑している。

その笑顔はエリザベスたちに向けていたのと全く同じで、

誰から見ても気がないのだとわかるようなものだった。


「少し見てたらわかるのにね。」


「ん?」


「ライニードが令嬢たちに見せる笑顔と令息たちに見せる笑顔、まったく同じだわ。

 これほどはっきりと気がないのがわかるのに…。」


「自分に自信がある令嬢ほど勘違いするんだろう。

 私に惚れないわけがないとか思ってそうだしな…。」


「なるほどね…。」


そんなことを話していると広間の入り口付近がざわつき始めた。

人が多くてここからは見えないけれど、もしかしたらビクトリア様が来た?


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