ありふれた誘拐
掲載日:2021/07/07
まさか自分がエイリアンに誘拐されるとは思いもよらなかった。
深夜の公園を何気なく散歩していたまでは記憶がある。
しかし気付いたら金縛りにあったように、体の自由が利かなくなり、空へと吊り上げられていた。
僕は何が何だか分からずに「助けて!」と必死で叫んだ。
「嫌だ!誰か助けて!」
僕は叫び続けた。
しかし状況は変わらない。
だが、ふと思い出した。
僕は前にも誘拐されたような既視感を感じた。
それが夢だったのか、現実だったのか定かではないけど、確かに僕は誘拐されたのだ。
暫くして目を覚ますと、僕は無機質な真っ白な空間へと連れて来られていた。
そこにはエイリアンが居た。
やはりこれが初めてじゃない。
僕は前にも確かにこのエイリアンに会っている。
「◆○#*◇★@」
何か喋っているようだが、意味は分からない。
「%*○▼△□#※★」
またエイリアンが何か喋っているが、意味はさっぱり分からなかった。
僕は身動きもせず、ただエイリアンを見つめていた。
「ミーくん、もう家から逃げ出したりしちゃダメよ。心配してたんだから。でも見つかって良かったわ」
綾子はホッとした様子で、飼い猫に呟いた。




