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新たな任務

いつからだ


いつから俺はこんな事をするようになったんだ


自衛隊に入って、バシバシ訓練受けて、陸曹候補生教育課程も終了してやっと一人前の自衛官になったって言うのに。

なんだよ

本部管理中隊 「第ゼロ小隊」って・・・


数日前



「3等陸曹、稲葉来斗いなばらいとを本部管理中隊第ゼロ小隊への配属を任命する」


教育課程を終わり、所属中隊に帰還。久しぶりの営内に戻り荷物を整理していたら小隊長からお呼び出しをくらった。帰隊後の報告がまだだったのでその事かと思って来てみたら、まさかの連隊長室前だ。小隊長曰く、連隊長が直々に話があるそうだ。教育課程では優秀な方だったし問題行動も特にない、お叱りということはないだろうが出来れば関わりたくない。


「稲葉3曹入ります!」


「どうぞ」


気だるそうな声で入出許可が出たので緊張しながら基本教練に則って入室する。


「3等陸曹!稲葉来斗は!石垣連隊長に要件があり参りました!」


「あいよ、ご苦労さん。硬ぇ事は無しだ、先ずは座ってくれ」


「はっ、失礼します!」


この石垣1等陸佐は幹部ながら下士官にも気さくで親しみやすい人物と有名である。とは言え、気安く話しかけられるような人物ではない。失礼のないように近くにあったソファーに腰を下ろす。


「稲葉3曹、帰隊直後にわざわざ呼び出して済まなかったな、どうしても早めに話しておかなければならない事があってな。ところでお前さんは、最近巷で流行っている噂を耳にしたことはあるか?」


「いえ!教育中は外出もせずに座学や体力錬成に励んでいましたので、流行りごとには疎いと思います」


「そうかそうか、実はな最近この辺で人が居なくなる事件が多発していてな。自衛隊に災害派遣要請が出る可能性がある」


「は?・・・災害派遣ですか、確かに遭難者に対して災害派遣がかかる事も有り得ますがそれだけ聞くと警察の領分だと思うのですが」


「その意見は当然だろうな、話は変わるんだが教育中に座禅を組んで瞑想するって訓練を受けなかったか?」


「はい、確かに受けました。ですが、その訓練だけ何のためにやったのか全く分かりませんでした。一応精神力を鍛えるための訓練だとは聞きましたが正直あれだけは必要性を感じませんでした」


教育中に精神力を鍛えるためと称して理不尽な命令を受ける事はよくある。けど、座禅を組み額に意識を集中させるだけというあの訓練だけは意味がわからなかった。


「うむ、あれは精神力を鍛えるための訓練でもなんでもないからな、そう感じるのも仕方ないだろう。あれは、個人のフォトンの操作技能を見るものだからな」


「フォト・・・え?なんですかそれは、それに全く話が見えないのですが」


「すまんすまん、私からもなんと説明していいものか迷っていてな。単刀直入に言うと、稲葉3曹に本管にできる新しい小隊の指揮を執ってもらいたいんだよ」


「・・・自分にですか、失礼ながら自分は3等陸曹になったばかりの新米です。他に適任者が居るのでは、自分には荷が重いと思うのですが・・・、それにさっきの話とどう繋がるのでしょうか」


「掻い摘んで説明すると、数年前に防衛省のレーダーに謎のエネルギー波が映るという事故があった。その日を境に各所で不可思議な事が頻繁に起こるようになったのだよ。そして、エネルギー波の発生源に向かった隊員がとある研究員の遺品と思われる物を発見した。その研究をおこなっていた研究員の記録にその原因とエネルギーについてが詳しく書かれていた。そのエネルギーの名前がフォトンだ、最近起きている事件もそのフォトンが関係していると思われているのだ。原因不明の事態が頻発していることから防衛省でこの事態に対処出来る部隊を作る事になった。その先駆けとなるのが君が着任する新しい小隊、第ゼロ小隊だ。君は、座禅の訓練の時に秘密裏にフォトンの質や量を測定した結果、高い数値を出した事から小隊長に適任だと私が判断した、とまぁこんな感じだ」


「自分が知らないところでそんな事が起きていたなんてにわかには信じ難いですね、ですが、国レベルで動いてる事なら信じるしかないと思います」


「そう言ってくれると助かるぜ、詳しい話はまた後程していくとして。稲葉3等陸曹、改めて君を第ゼロ小隊の小隊長に任命する。」


「了解!」


俺は思いがけない大任を任され、不安に思いながらも全力で敬礼した。



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