15.叡智の塔 第三の試練 剣士の間
第二の試練を突破した俺たちは最終試練の行われる部屋へとテレポートした。
部屋には、眼鏡をかけた男性が待っていた。その奥には、大きな木製の扉がある。あの奥に塔の魔女がいるのだろうか。
「叡智の塔最終試練へようこそ、まず最終試練まで合格した事を祝福します。私、最終試練を担当させていただきますアルバートと申します。」
眼鏡をかけた男性はそう名乗った。
「順番でいえば次は私だな。」
塔内アナウンスが流れる。
「最終試練の挑戦者はソフィア・ベイリーさんです。準備を始めてください。」
「ソフィアさん頑張って下さい。」
「…ソフィアさんなら突破できると思います。」
「ああ、二人のおかげでここまでこれた、ここで私が失敗するわけにはいかないな。」
ソフィアさんがアルバートのいる方向に歩くと例によって、また結界が張られた。
「素晴らしい仲間に恵まれたようですね。」
「そんなことわかっている。」
「ソフィア・ベイリーさん、貴女の噂は耳にしています。メルクリウス王国一の騎士だそうですね。一度でいいから手合わせ願いたかったです。」
アルバートは腰に携えていた剣を抜いた。
「叡智の塔にも私の噂が広まっているとは光栄だな。それでは、行くぞ。」
「最終試練始めてください。」
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戦いは、壮絶な剣の打ち合いとなった。前見た時と同じように舞っているように剣をふるうソフィアさんに対して、アルバートの剣捌きは実になめらかで剣の軌道が止まって見えるほどだ。俺とスザンナさんは、目の前に繰り広げられている剣劇に言葉も出ない。
文字通りの火花が出る戦いも、互いが間合いを取り、小休止に入る。
「素晴らしい!流石の剣技です!ソフィア・ベイリー!」
「貴様も私が手合わせした中で一番の剣捌きだ。」
互いに睨み合い、隙を窺う。先に動いたのは、アルバートだった。
アルバートがソフィアさんの足を払い、それをジャンプしてかわす、逆に、上から、ソフィアさんの攻撃が落ちるが、アルバートはそれを受け止める。その時に、一瞬体勢を崩した、その隙を見逃さない、達人同士の戦いになれば、一瞬でも命取りになる。ソフィアは、アルバートが体勢を整える前に後ろに回り込み後頭部に一撃を叩きこんだ。
アルバートは、気絶した。
塔内アナウンスが流れる。
「おめでとうございます。みなさん、叡智の塔の試練、無事終了となります。お疲れ様でした。」
結界が解け、奥にあった木製の大きな扉が開く。俺たちは、扉の向こうへ進んだ。