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異形になってた

バイオとかサイレントヒルとかのボス系異形のモンスターが好きなので異形の化け物を題材にしたお話を書いてみました。

こちらもちまちま更新していく予定ですのでよろしければ見ていってください。


「なっ、なんじゃこりゃあぁぁぁぁ!!!」

俺は水面に映った自分の姿に驚き叫んでいた。

そこに映っていたのは、見慣れたはずの顔ではなく、本来なら目や鼻や口など本来あるはずのものが一切なく、代わりに大きなドス黒い深淵のような底の見えない穴が空いていた。

「うわぁ・・・なんだよこれ・・・目も鼻も口も何も無いんだけど・・・」

と言うか、目が無いのになんで見えるんだ?

鼻も無いのに水や草の匂いも感じるし、口もないはずなのに俺今どうやって叫んだんだろうか?

「ど、どうなってるか確認しないとな・・・」

恐る恐る右手で自分の顔に触る。

「お、触れる。」

どう見ても顔に大きな穴が空いているようにしか見えないが触ってみると頬の辺りを触った時と同じ感触がした。

「おお、これは頬だな。間違いない。」

しかし、なんだろう。妙に平たい、その上、まるで分厚い鉄板のに触ってるような硬さを感じるな。

他の部分はどうなってるんだろうか?

そう思い、目の部分に手をやると視界を塞ぐように手が映る。

あれ?ここも平で硬いな、本来なら瞼辺りを触ってるはずなのだか。

その後、鼻、眉、口と順番に触っていったがどの部分も平で壁でも触ってるように起伏が一切なかった。

「うんん?わかんないな。顔のパーツは全然無いのに、どうやって・・・待てよ、もしかて耳も・・・」

咄嗟に顔の横を触るがそこに耳らしきものはなく。肌の感触がしただけだった。

俺はその場に倒れるように座り込みため息をついた。

「なんで、こんな姿になったんだ俺は?それに―――」

辺りを見渡すと目の前には大きな湖と深い森が広がっていた。

「ここ何処なんだよ・・・」

全く身に覚えのない場所だ。俺はどうしてこんな場所に居るのだろうか?

全ては三十分ほど前にまで遡る。


俺こと、織部玲二(おりべれいじ)は、身長は平均、体型も平均、顔も中の下ぐらいの平凡で、成績も百二十三人中六十四位と良くも悪くもなく、どこにでもいる平凡で特徴のない男子高校生だ。

「次は・・・英語かよ。」

後ろの黒板に書かれた授業表には、『2~3限英語』と書かれていた。ただでさえ嫌いな科目なのに二時間もあるとか最悪だな。

しかも内容と言ったらここ最近は、同じ箇所の説明ばかりで(この先生授業進める気あるのか?)と思うが、そんなこと先生に言えるわけもないし黙って授業は受けるけどさ。

そうして先生の説明を聞き流しつつ黒板をノートに写していると、段々と眠くなってきて、視界が暗転したことに気づいた。「やっべ!寝落ちした!?」と思って、目を開くと青々と茂った木々の葉が視界に入った。

「あれ?葉っぱ、なんで・・・」

何かがおかしいことに気づき、俺はその場で飛び起きて辺りを見渡すと、そこは教室ではなく、辺り一面木々が生い茂る見知らぬ森の中に一人いた。

「はぁ?!何だよここ―――何処だよ!!」

パニックになり、クラスメイトや先生の名前を叫びながら辺りを走り回った。

「委員長、西村、海斗、美咲、先生、誰か・・・誰か居ないのかぁ!!」

しかし、森には人どころか動物の気配すらなく静まり返っていて、自分の声が虚しく響くだけだった。

そうして走り回っているうちに湖にたどり着き、今に至る訳だが。

「うん・・・ダメだ。なんもわからん!」

いや、まぁ。わかるわけがない。授業中に寝落ちして起きたら全く知らない森に寝転がっていて、しかも自分の姿は化け物みたいになっているとか、夢だと言った方がまだ信じられる。

「でも、夢じゃないんだよなぁ・・・」

木々の騒めき、森の湿った匂い、土の感触、夢というにはあまりにもリアルすぎる。

「まぁ。ここがどこかは今はとりあえず置いこう。それよりも問題はこの姿だよなぁ。」

改めて湖に映る自分の姿を確認する。

「あぁ、うん。だよね。」

予想はしていたけど、やっぱり変わったのは顔だけじゃ無かった。

死人を通り越して洗い立てのシーツみたいな異常な程に白い肌、髪の代わりに膝裏ほどの長さがある黒いクラゲの触手みたいなのが数十本生え、元のさほど鍛えていない細い身体とは思えない程に隆起した胸筋、綺麗に割れたシックスパック、ベンチプレス100kg位なら余裕で上がりそうなゴツゴツした腕、鬼神が宿ってそうな背筋、まるで某格闘技漫画の最強の生物みたいな筋肉ゴリゴリの肉体になっていた。

「うわぁ。これほんとに俺の身体かよ。なんかすげぇな、色々と・・・ん?なんだこれ?」

胸筋から脇腹にかけて紋章状の黒い刺青、いや刻印みたいなのが―――

「よく見たら腕にもあるじゃん。」

肩から手首辺まで腹部と同様の刻印があった。

「ってことは、もしかして背中にも・・・」

案の定、湖の水面に映る背中にも刻印があった。

他とは違って、背中全体に太陽みたいな刻印があり、太陽フレア?みたいな波状の7本の刻印にはそれぞれ見た事ない文字が彫られていた。

「背中は違うだな。ていうか、俺の身体中刺青だらけじゃん。」

そもそもどうして上半身裸なんだ。

下は何故か白い布みたいなものを風呂上がりのバスタオルみたいに腰から足首辺りをまでを覆うように巻いていたから大丈夫だけど、上着は何処よ。

「しっかし、なんか凄いフィットするな。」

ただ布みたいなものを巻いてるだけなのに、サイズピッタリのブリーフを履いているみたいな不思議な感じがする。

「まぁなんにせよ、ここでじっとしてても何も解決しないし、また人探し再開するか・・・」

まぁ、誰かに会えたとしても、今の俺の姿を見たら100%逃げ出すだろうけど、そこはどうにかするしか無いだろう。





18時にも投稿します。

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