表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

プロローグ

初投稿で色々と至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします。

 突然、床が白い光を放つ。足元へ目を向けるとそこにはマンガなどでよく見る、いわゆる『魔法陣』が広がっていた。


「え、マジ?」


 床が激しく振動するとともに、視界を白い光が埋め尽くし影人は思わず目を閉じる。

 揺れが収まり目を開けるとそこは先程影人がいた図書館ではなく、見たこともない白塗りの壁に囲われた部屋だった。そこにある巨大な門は荘厳で、この世のものとは思えない美しさを持っていた。


「おぉ! すごい迫力だ! 柄でもないけど少し興奮するな!」


 周りを見渡し、門以外に何もないことを確認する。


「やっぱり門を開けなきゃいけないよね。こういう場合門の通じる先は王様の城の中か、どこかの草原とか森とかなのかな」


 昔読んだ小説にもこういうような場面があったことを思い出す。


「まぁ、考えていても仕方ないか」


 門へと手を近づけると、触れるまでもなく徐々に開きだす。まぶしい光が溢れ出し、影人は顔を顰める。

 光が収まり完全に門が開くとそこには、美しい16歳ぐらいの少女が立っており、その後ろには鎧を着こんだ騎士と思われる人たちが控えていた。


「*********」


 少女は手を広げ、笑顔で何かを話している。全く理解できないので、影人は笑顔で頷き誤魔化す。


「言葉が通じないのは非常に困るな。早急に意思疎通の手段を考えないと。魔法とかで何とかできたら楽だろうな」


 すると目の前の少女は急に焦りだし、必死に影人に手招きをしていた。


「ああ、そういえばまだ門を潜ってなかった」


 門を潜ろうと一歩踏み出したとき突然、門の向こう側から爆発音が響き渡る。それと共に数人の黒ずくめが侵入してきていた。10人いた騎士のうち4人が爆発によって吹き飛ばされるも、残りの騎士たちは必死に応戦している。しかし、残った騎士たちも爆発により少なからずダメージを受けており、そのうえ人数的も不利である。


「これってかなりピンチだよね?」


 助けにいこうかいかないか迷い立ち止まっていると、門に大きな衝撃が走る。門の下部がどす黒く染まっていき、門の向こう側が歪んでいるように見えた。空間が歪んでいるとはこういうことを言うのだろう。

 門がほとんど黒く染まったとき、影人はやっと決心し歯を食いしばる。


「あぁもうどうとでもなれ!」


 影人が飛び込むとほぼ同時に門は崩れ落ちる。影人の姿は消えており、白い部屋もまた瞬時に消失した。


■   ■   ■   ■

  


 目を開けるとそこは王宮ではなく、木々が生い茂る森の中であった。

 肌を撫でるじめじめとした微風が、影人を不快にさせる。


「うぅ、ここどこだ?」


 影人は立ち上がり、服に付着した雑草を払い落としながら周囲の状況を確認する。森はとても深いようでまわりに道などなく、人間が近くにいる様子もない。まだ正午に近いぐらいの時間であるのに、太陽の光は僅かに差し込むだけで鬱蒼としてる。


(あの時、門が歪んでしまっていたから王宮じゃなくてこんな森の奥に飛ばされてしまったのか?)


 胸の裡で呟くが、いまさらそんなことを考察しても仕方がない。


「はぁー、食料なし、水もなし、武器もなし、人影もなしって最初からハードすぎるでしょ。」


 食料は少しは我慢できるとして、さすがに水分補給できない状況は危険だろう。今日中に川を見つけなければいけない。川を見つけるのにはかなり歩く必要があるだろう。

 影人はとりあえず適当な方向に歩き出す。ひたすら直進し続ければそのうち人に会ったり、町に出ることもあるだろう。そんな僅かな希望を抱きながら生い茂った木々をかき分けひたすらに直進する。

 そこで影人はあることを思い出す。昔やっていたゲームにステータスというものがあったはずだ。


「もしかしたらあるかもしれない。 とりあえず唱えてみますか」

『ステータス』


 影人の目の前に一瞬でステータスが現れる。

___________________________________


名前:エイト・オクムラ 年齢:16

性別:男        種族:人族

レベル:1

【メインジョブ】

未開放

【サブジョブ】

未開放

HP:30  MP:40


筋力:30

防御:10

敏捷:40

精神:50


【スキル】

?????

【アビリティ】

未設定


アビリティポイント:20

_____________________________________


(基準がないから強いか、弱いかもわからんな。ジョブはまだ使用できないのか?)

 一通りチェックし、最後にアビリティ欄へと目を向ける。


「おっ!アビリティは選択できるにみたいだな」


 新たなる可能性に影人は胸を躍らし、アビリティ選択欄を開く。どうやら適正というものがあり、適性のないアビリティは適性のある人の十分の一程度の力しか発揮できないらしい。

 しばらく適性アビリティ欄を見て、影人は暗い表情で長い溜息を吐く。


「なんでこんなアビリティしかないのかな。 さすがの僕でもこれは落ち込むよ」


 影人は自身の適性アビリティの弱さや、少なさに落ち込んだわけではない。適性アビリティの内容にひどく落胆したのである。

____________________

【適性アビリティ】

闇魔法

短剣術

弓術

投擲術

暗殺術

糸絞術

体術

隠術

偽装術

罠術

房中術

精神干渉

遠視

気配探知

五感強化

身体強化

薬調合

毒薬調合

毒耐性

____________________


「なんでこんなに後ろ暗い能力しか適性ないんだよ! 僕だったらこんなアビリティ適性しかない奴となんて絶対に友達にならんわ! どうすんだよこれ……ボッチ決定じゃねーかよ……」


 精神力は人一倍強いという自信がある影人でも、落ち込みその顔に少なくない疲労を浮かばせる。


「仕方ない…とりあえずアビリティを選択するか」


 いくら落ち込んでいても問題は決して解決しない。この状況下において有効な能力を探す。


「隠術、身体強化、気配探知、遠視あたりが妥当かな。 15ポイント使って、あとは取っておいた方がいいかな」


 この遠視は目の屈折異常の事ではない。読んで字のごとく、遠くを見ることができる能力である。低いアビリティランクでは数百メートルしか見ることはできないだろうが、ランク10にもなれば1キロ先まで見ることができるだろう。

 ポイントを振り分けてランクを上げ、遠視をランク3、それ以外の3個をランク2にした。アビリティを取得するのに1ポイント、ランク2に上げるには2ポイント、ランク3には3ポイントといった感じでランクを上げることができるらしい。ポイント、正式にはアビリティポイントを獲得するには自身のレベルを上げる必要があり、レベルが5の倍数になったときポイントがもらえるということらしい。


「よし! 遠視を使って川を探すか!」


 遠視により川を見つけるのはだいぶ楽になったといっていいだろう。ランク3では300メートル先までしか見えないが今の影人にとってはありがたい恩寵だ。

 水場さえ見つけてしまえば、明日からの生活は格段に楽になり、少しは余裕も出て来るだろう。

 湿った地面を踏みしめる影人の足取りは先程より力強く、そして軽やかであった。




適性アビリティ欄 召喚魔法⇒闇魔法に変更しました

スキルを変更しましたがストーリーには影響はありません

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ