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絶望

 ユオがゲホゲホやりながらタバコを吸い、コーラ5杯飲んで待つこと1時間。

1人の男がユオに近づいた!

ボッサンは離れたところでユオを監視していた。


「お?エサに食い付いたか?」


「へい♪よう♪にいちゃん♪元気か~い♪」


ユオは、その近づいてきた男を睨みながら言った。


「あ~ん?誰だテメ~は?ゲホゲホ。こっちはヤクが切れてイライラしてんだ。ゲホゲホ」


「ヤクがほしいんスか?」



「あ~、ちょうど切らしちまってな。どっかにね~かい」


「売ってあげてもいいっスよ~♪」


「そりゃ~ありがて~な。」


「外の車の中にあるんスよ~♪」


「お、おぉ」


2人は店を出ていく。

ボッサンは立ち上がった。


「ヤバいな」


ボッサンも店を出る。

ユオは男の後について店の裏に行く。

黒のベンツが止まっていた。

後ろのドアが開いて大男が出て来た。


「えーっと、今日はいいや。じゃあな」


ユオはUターンしたが、大男に肩をつかまれた。


「そう言うなよ。ゆっくりしてけよ」


「そうッスよ、刑事さん♪」


ユオはハッとして逃げようとしたが、男に腹を蹴り上げられて、そのまま車に押し込められた!

ボッサンが来た時には、車が発進したところだった。

ボッサンは走って追いかけるが追いつかない!

ベンツはみるみる小さくなっていって見えなくなった。

ボッサンは走るのを止めて、肩で息をしながら天を仰いだ。


「くそー!!」


いつの間にか新宿の街には雨が降りはじめていた‥




警視庁

警視総監室

 

ラッキーデカ長は“愛國者”の裏帳簿を持って、警視庁のトップ、警視総監に直訴しに来た。


「失礼します」


ノックをして入ってきたラッキーデカ長に、園田警視総監はパソコンから顔を上げて言った。


「こんな時間に何だね?」


「“愛國者”と言う組織をご存知ですか?」


「噂では聞いた事あるが‥」


「ちょっとこのファイルを見て頂きたいのです」


ラッキーデカ長が、UBSメモリーを園田警視総監に渡す。

それを机の上のパソコンに差してファイルを開く。


「これは?その“愛國者”とやらの裏帳簿?」


「はい、そうです」


「なんて事だ!警察内部で、こんな事が起こっていたとは!これが事実なら、早急に対処しなければならんな」


「そのファイルの中に“愛國者”メンバーの名簿があります。ちなみに私も“愛國者”のメンバーです」


「内部告発と言う事だね。よく決心してくれた!君の名前は?」


「川口警察署の神倉です。神倉裕次郎。」


「神倉くん、君以外のメンバーを即刻解雇しよう。その上で刑事責任を負わせよう。

君は無罪という訳にはいかんが、極力考慮しよう。後は私に任せなさい。ご苦労だったな」


「よかった!これで“愛國者”を潰せるぞ!後は宜しくお願いします」


ラッキーデカ長は部屋を出ていった。

机の電話が鳴る。


「もしもし・・・あぁ・・・そうだな・・・うむ・・・ そうしてくれ。

それと、神倉が裏切った。“愛國者”の裏帳簿を持って来た。・・・ いや、削除してないやつだ。

・・・ そうだな。・・・またお願い出来るか?・・・北川の時と同じでいい。・・・たのんだぞ」


電話を切り、パソコンのマウスをつかむと、UBSメモリーのファイルを削除した。

そして、パソコンの待受画面に“X”の文字が浮かび上がった。


「おとなしくしてれば死なずに済んだものを」


UBSメモリーをパソコンから抜くと、ゴミ箱に捨てた‥


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