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異世界!

たくさんのお気に入り登録や評価をくださりありがとうございます!

一度ヘタレて、改訂版という形で再出発した作品にも関わらず、変わらぬご愛顧をいただき感謝の極みでございます。



広場中央にある白銀色のオブジェの正体はセーブポイントだった。ワーオ。ゲーム的ぃ!

従兄弟に促されオブジェに触れると、触った部分が一瞬だけボヤッと光った。ウヒョー。ゲーム的ぃぃ!!


なんだかんだと言ったってゲーム的要素盛りだくさんじゃないッスか!異世界なんてやっぱりなかったんや!やっぱりあれは従兄弟の狂言やったんや!

――とかはしゃいでた過去の自分を全力でブン殴りたい。助走つけて思いっきりグーでだ。


今思えば、問答無用でオブジェを触らせようとする従兄弟を、僕はもっと警戒すべきだったんだ。

『コレは何なの?どうして触らないといけないの?』と一言尋ねていたら、ひょっとしたら今みたいな辛い現実は回避できていたかもしれないのに……。




オブジェがボヤッと光るのを見届けた従兄弟は、満足気にそれはもう元気よく言った。


「よしこれで死ぬことはないな!」

待って欲しい。ちょっとだけ待って欲しい。一体どこからそんな話になったの!?

『まずはセーブしないとな!』と上機嫌な従兄弟に促されてホイホイ付いて来ただけなのに、それがどうして生死に関わるような話に発展しちゃってるんだよッ!


僕はオブジェを触ったまま、意味不明な事を告げて来た従兄弟をマジマジと見つめた。


「えっと、どういう事……?」

「ん?何がだ?」

あんなにも物騒な事を言ったくせに自覚はないらしい。

従兄弟らしいと言えば従兄弟らしいけどね。今にも『俺が知ってるんだから、お前も知ってるだろ?』という従兄弟の声が聞こえて来そうだよ……。

僕に関係なければ放置するんだけど今回はそういう訳にもいかない。


「いや、だから。『もう死ぬことはない』ってどういう事?」

遠慮がちにそう尋ねると


「あぁそうか。涼太知らないよな。えっとな」

ようやく僕の質問の意図を察してくれたらしく、従兄弟はバシバシと2回オブジェを叩いた。


「これに触るとセーブできるんだ!」

うん。それは薄々分かってたよ。何たってセーブポイントだもんね。そりゃセーブ出来るだろうさ。


「でな。セーブすると【帰還リターン】って魔法で一瞬でセーブポイントまでワープできるんだよ!」

なるほど。3Lでのセーブっていうのはそういう効果があるのか。

それにしても魔法かぁ。従兄弟の口ぶりから察するに【帰還リターン】は使えて当然みたいな感じだったけど、僕の場合【帰還リターン】どころか魔法系のギフト1つも取ってないんだよね。ハハッ……。


とはいえまだ話の途中だし、僕のギフトの事で話の腰を折るのは止めておこう。

それに僕のネタにまみれたようなギフトはきっと従兄弟の琴線に触れる。問題の先送りだと分かってるんだけど、出来るところまでギフトの事は隠しておきたいんだ。

そう判断して僕は黙ったまま従兄弟の話しに耳を傾けた。


「だからもう死ぬことはねぇだろ?」

待って欲しい。再び待って欲しい。結論がちょっとばかし早すぎませんか?

もうちょっと内容を膨らませてもらわないと分かんないよ……?中間を大胆にもカットしすぎじゃあありませんかね?


それってつまり桃太郎を

『桃から生まれた桃太郎は、金銀財宝を持って帰りました』って省略するようなもんだよ。犬、猿、雉子も鬼も登場しない桃太郎とかありえないよね?


しつこいようだけど浦島太郎を

『浦島太郎は亀を助けて、おじいちゃんになりました』って省略するようなもんだよ。竜宮城も玉手箱も登場しない浦島太郎なんてありえないよね?


わけがわからないよ。と視線で訴えてみるが笑顔で親指を突き立ててきた。

あ、ダメだコレ。さっきの説明だけで完全に通じたと思い込んじゃってるよコレ。


「ごめん。どうしてそれで死ななくなるの?」

仕方なくそう尋ねると、従兄弟はとても意外そうな表情で、とても聞きたくないことを教えてくれた。


「そりゃセーブしときゃ、ドラゴンブレスで焦がされようとしても、片腕を食いちぎられようとしても、頭蓋骨を握りつぶされようとしても【帰還リターン】で帰ってこれるだろ?」

ん?……んん?んー?目の前のアホはいま何て言った……?

焦がされたり、かじられたり、潰されたりしても大丈夫とか聞こえた気がする。

つまり死にそうになっても【帰還リターン】出来るから多少危険な事やっても問題ない。と、そのような意味の事を言っていなかったか……?


つまり……つまりだよ。

従兄弟の頭の中では、僕を危険なことに巻き込む事が既に決定していて、でもそのままじゃ危ないから死なないようにセーブをさせた。って事なんだろうか。

それは逆の見方をすれば、セーブするまでは巻き込まれずにいられたって事なんじゃないだろうか。


アレ。僕とんでもない間違いを冒してしまったんじゃ……。

頭の中に危険信号が灯る。どうも僕の身に良くないことが起こっている気がしてならない。


ギギギと油の切れたブリキのおもちゃみたいなぎこちない動きで従兄弟の顔を伺い見ると、彼はとても満足そうに頷いていた。


「セーブしないと【帰還リターン】は発動しないからな!看板にも書いてあるだろ?」

看板っていうのはクチバシにぶら下げられた例の看板の事だろうか。

確かとても物騒な事が書かれてたよね?でもセーブの事や【帰還リターン】についてなんて書かれてなかった――


とそこまで考えた所で気づく。

あぁぁぁぁ……。つまりそういう事だったのか……。と。


『※ログインされたばかりのプレイヤーは必ずお立ち寄りください』っていうのはつまり――ログインしたらスグにセーブしに来てね。っていう意味で

『※寄らねば死にます』っていうのはつまり――セーブせずに危険な事すると【帰還リターン】できずに死んじゃいますよ。って警告だったわけか。


だったら……。もしホントにそうだとしたら。

親切に看板まで吊るしてくれた人に向かって無礼なのは承知の上で言いたいことがあるんだ。


素直にそう書いとけってんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!

あんな不親切な書き方で伝わるのなんて経験者だけだろうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!


で気づく。

そうだったぁぁぁぁぁ!!僕以外全員経験者じゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!


でさらに気づく。

そもそも経験者だったら看板自体不必要じゃねぇかよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!


何とも言えない憤りを感じて僕は吠えた。


「あんな看板分かるわけないよッ!あんなの分かる初心者いるわけないじゃんッ!!」

「初心者とかお前以外にいないから問題ないだろ?」

グウの音も出ない正論。全くもってその通りだ。

そりゃ大人気の3Lをβテストから参加するような奇特な人間は僕しかいないでしょうよッ!?


「経験者だったらセーブの事も知ってるだろうから、そもそも看板なんていらないんじゃないのッ!?」

理不尽な怒りだと思うけど、なおも腹の虫が収まらない。

勢いでそう叫ぶと、従兄弟から思わぬ答えが返ってきた。


「それがそうでもないんだよ。確かにセーブの事知らないヤツはいないだろうけど、面倒臭がってセーブしないヤツとかいるからな」

ナニソレ羨ましいッ!?よかったら僕のセーブをアナタに譲って差し上げたいくらいだよ!

むしろもらっていただきたいッ!僕にセーブを促してきたって事は、いかにゴーイングマイウェイな従兄弟でも未セーブ状態の僕を危険な目に遭わせる気はないみたいだからッ!


「オイ。ちゃんと聞いてるか?これから大事な事話すぞ?」

人の話は聞かないくせに、自分の話しは聞かせたいらしい。

はいはい。ちゃんと聞いてますよ。好きに喋ったらいいよ……。


コクコクとおざなりに頷いてやると、満足したのか従兄弟は話を続けた。


「で、そういうヤツに向けて警告するためにあの看板は設置されてんだよ」

そういうヤツっていうのは、面倒臭がってセーブしていない羨ましいプレイヤーの事を指すんだろうな。


「不思議な事にな、面倒臭がってセーブもしないようなヤツってモンスターとの戦闘もどこかふざけてるんだよ。

不真面目ってわけでもないんだけど、真剣味が足りないっていうか、どこかお遊び感覚でやってるから仲間との連携がうまくいかなかったりする」

ゲームをお遊び感覚でやって何が悪いのか。と思えないのが日本人らしい。特に不特定多数の人間が参加するMMOでは『自分の役割はちゃんとこなす』とか『他人に迷惑をかけない』とか当たり前のようにやっちゃうんだろうね。

つまり間違っても『今日は撲殺したい気分』って理由で、ヒーラーなのに回復を忘れて敵をぶん殴りに行ったりはしないって事だ。


でも、全てのプレイヤーがそうかと言われると、中には従兄弟が言ったような『不真面目』なプレイヤーもそりゃいるんだろう。

……っていうか僕にとっての迷惑な人間は間違いなくお前なんだけどな。今も昔も変わらずね。現実リアルでもゲームでも違わずね。


「普段ならそういうヤツにまで気を遣う必要はないんだけど、ちょっとそうも言ってられない事情があってな。それでせめて注意喚起をしようって事であの看板は用意されたんだよ」

つまり初心者向けでも経験者向けでもない。馬鹿向けの看板だったて事か。


それにしても従兄弟のヤツ、えらく事情に詳しいようだけど、もしかして看板設置に関係してたのかな?

あるいはその『事情』ってヤツが、誰でも知ってる程有名な事なのかな?


「事情って?」

ちょっと気になったので気軽な気持ちで尋ねてみたら


「あー……。それがなー」

言い淀んだ……だと?

あの『包み隠さずハイテンション』が信条の従兄弟が言い淀むなんてよっぽどの事だ。嫌な予感しかしないぞ……?


「それがなー……。実はセーブしないでモンスターと戦ってたヤツらがな――」

そこでいったん言葉を切ると、従兄弟は少し声のトーンを落とした小声で続けた。

先に言っておくけど、この後僕は本日一番の衝撃を受ける事になる。


「死んだんだよ」

「えっ……?」

「だから、モンスターにやられて死んじまったんだよ」

3Lは、剣と魔法の本格サバイバルVRMMORPGなんだからそりゃモンスターに負ければ死んじゃうでしょ?

それは当然の話のはずなのに、従兄弟の醸し出す雰囲気が僕にそう尋ねる事を許さない。


そういう事じゃない。僕は大きな勘違いをしてる。

まるでそう諭すような、そんな雰囲気だ。


「αテストの時みたいに、街まで"死に戻り"してくれるんなら問題なかったんだけどな。

あ、"死に戻り"って分かるか?"死に戻り"っていうのはモンスターに殺されたプレイヤーが街で復活するシステムの事な」

"死に戻り"くらいは知ってるさ。で、"死に戻り"しちゃうとデスペナって制約がしばらく続くんでしょ?

僕は他でもない、お前からその愚痴を聞かされたんだ。知らない訳ないじゃないか。


従兄弟が言わんとしてることを薄々察して僕は生唾を飲み込んだ。

訊きたいのに訊けない。きっと本能的に知りたくないって思ってる証拠だろうなこれは。


たった数秒だったけど無言の時間が流れた後、従兄弟はしっかりとした口調で言った。


「涼太。ここはゲームの世界じゃないんだよ」

「だから……?だからどうしたの?」

唾を飲み込んだっていうのにカラカラに乾いたままの喉で絞り出すようにそう返答すると従兄弟が笑った。


「おー!ようやく信じる気になったか!」

「ゲームの世界だといいなって、今でも思ってるよ……」

ここで黙っちゃうと何か負けな気がして無理して言い返す。

『ゲームの世界じゃない!』って否定出来なくなってる時点で僕の負けかもしんないけどさ。

僕の返答を聞いた従兄弟は


「それはないな」

早口にキッパリと断定して、ゆっくりとその理由を語った。


「涼太。"人"が死ぬんだよここ。"プレイヤー"が死ぬんじゃない。"人"が死ぬんだ。お前ならこの意味分かるよな?」

念を押すように語られる内容。僕は頷く代わりに、従兄弟へさらなる疑問をぶつけた。


「……兄ちゃんは見たの?」

『何を』とは伝えなくても分かる事だ。

僕は無意識に従兄弟が『見てない』と答える事を祈った。


実際に『見た』んじゃなくて、噂で知ったんだったらまだ希望はあると思ったんだ。

だって噂なんて尾ひれ背ひれがついて最終的には事実無根の作り話になるもんだからね。

どっかのお調子者が『誰かが怪我をした』って話を大きく膨れさせただけって可能性も十分ありえると思うんだ。


が、僕の思いも虚しく従兄弟はコクリと首肯すると苦々しい声で言った。


「見たぞ」

やはり『何を』とは答えない。でも答えはそれだけで十分だった。

従兄弟は少しだけ逡巡した後、さらに苦々しい声で続けた。


「あーっとな……。一人はまだ人の形してたけど、もう一人は半分になってたな」

「そこまで聞いてない。止めてよ。嫌な想像しちゃったじゃん」

「そりゃお前が頑固なのが悪いんだろ。素直に信じてくれてればこんな生々しい事言わずに済んだんだよ」

ここまで言われちゃったら、もう誤魔化すこともできないか……。

全身全霊で認めたくないんだけど、認めざるを得ないのかもしれない。


ここでは人が死ぬ。

それはHPが0になったって事じゃなくて、ステータス異常の『死亡』になったって事でもなくて。

"プレイヤー"なんかじゃない。"人"が死ぬんだ。


「俺はお前を死なせないぞ!」

場違いな程明るい従兄弟の声に、思わず僕も笑ってしまった。

考えてみるとコイツには心配かけまくってたんだよなぁ僕……。


僕がいない3日間従兄弟はどういう気持ちで過ごしたんだろう。

基本善人の従兄弟の事だ。僕を探しまくったに決まってる。


でそれだけ探しまくった僕がノンキな顔して広場に突っ立ってる所を見つければ

そりゃショルダータックルの1つや2つ食らわせたく――いや、それでも普通だったらショルダータックルはしないか。

それを躊躇なくやっちゃう人間だからこそ日常的かつ一方的に僕が困ってるわけだしね。


でも、まぁ。これは一応お礼を言った方がいいのかな。

心配掛けてごめんなさいと謝るよりは、心配してくれてありがとうって言うべき所だよね?


でも何か忘れてないか僕?それも結構重要な事を忘れてる気がするんだけどな……。

しんみりとした気分で必死にその『何か』を思い出そうとする僕の耳に、再び威勢のいい声が聞こえたきた。


「でもまぁ!こうやって無事に涼太のセーブも終わったことだし!これで心おきなくモンスターと戦えるな!」

オイ。もういっちょオイッ!そうだったよッ!コイツ僕を危険な事に巻き込むためにセーブさせたんだったッ!!

シリアスモードのせいですっかり忘れてたけど、僕にとっての最大の危険人物は従兄弟じゃないか!!


「ちょ、ちょ!ちょっと待って!そもそも兄ちゃんは前提がズレてるよッ!?」

「ん?前提?」

そうだ。前提だよ。前提がおかしいんだよ。

焦げそうになったら帰還リターン。もげそうになったら帰還リターン、潰れそうになったら帰還リターン。だから大丈夫って前提がそもそもおかしいんだ。


ヤツは『危険になっても逃げれるからOK』って楽観視してるみたいだけど、普通に考えれば『危険なことにならないように注意しよう』ってなるはずだよね?

つまり"痛み"も感じるし"人"も死ぬって環境でモンスターと戦うって選択肢自体が常軌を逸してるんだ。『帰還リターンが間に合わなかったらどうしよう』って考えればなおさらそうだよね。

が、どうやら僕の主張は、従兄弟にとって理解不能な理論だったらしい。


「だから間に合うように【帰還リターン】すればいいだけだろ?」

「いやいや!間に合わないかもしれないじゃないかッ!」

「ハハッ。何言ってんだよ間に合わないわけないだろ!」

どうやら僕の主張はナイスジョークとして処理することに決めたらしい。


あぁぁぁ……。そうだったぁぁぁ……。

残念すぎる性格のせいでついつい忘れがちになっちゃうけど、スペックだけは無駄に高いんだったコイツ……。


イケメンでスタイル良くて頭良くて運動も得意。いや『得意』なんて言葉では表せないレベルなんだよ。

モデルみたいな見た目。全国模試で一桁の順位を取れる頭脳。インターハイで優勝しちゃうような運動神経。もはやチートレベルのスーパーボーイだったんだ……。


きっと従兄弟からしてみたら【帰還リターン】が間に合わないなんて、それこそギャグみたいなもんなんだろう。

しかし…!それでも僕は主張しなくてはならないッ!!そんな事言えるのお前だけだとッ!!


「それに僕【帰還リターン】なんて魔法が使えるギフト取得してないよッ!?」

背に腹は代えられない。自ら禁じてにしたギフトの話題もこの際出さざるを得ない。

しかし無駄だった。


「心配することないぞ。【帰還リターン】は生活魔法の1種で誰でも使えるからな!」

あー……。それは良い事を聞いた。聞いたけど――

しかしここでは逆効果なんだよッ!!なんだよ生活魔法ってッ!!むしろ使えない方がよかったよッ!!


このままではいけない。

このまま従兄弟に押し切られてしまえば、次に身体が半分こになるのは間違いなく僕だ。



これはもう肉を切らせて骨を断つ精神で挑まねばならないということなのかもしれない。

僕が戦えないと分かれば流石の従兄弟も無理にモンスターとバトらせたりはしないハズだし。


そのためには晒さないといけないわけだけどね。

何をって。そんなの決まってる。僕のギフトをだよ。


武器も魔法もついでに実用性も一切存在しないネタまみれのギフト。

ふざけたラインナップのそれを見た従兄弟の反応は予想できないけど、確実にテンションが天元突破するだろう事は予想できる。


乗るか反るか。それは誰にも分からない。

それでも助かる可能性が少しでもあるんだったら、これにかけるしかないんだ。


なんたって賭け金は僕の命だ。

負けるわけにはいかねぇんだよ……。



「実は僕ね――

覚悟を決めて取得ギフトを晒す。

無駄かもしれないけどネタで取った訳じゃなく数々の不幸が重なった結果だと言い訳もしておく。


ひどいギフトだろ?お前コイツを見てどうおもう?

スゴく……戦えないです。


涼太。そんなギフトで大丈夫か?

大丈夫じゃない。問題だ。一番いいギフトを――いややっぱいらないです。今のままのギフトで大丈夫なのでお気遣いなく。戦える"普通"のギフトなんて必要ない。



でも従兄弟の反応は僕が懸念したいずれでもなかった。

予想もしなかった事を、それこそ獣の咆哮のような雄叫びと共に叫ばれた。


"意味が分からない"

思わず呟いた僕の言葉を、従兄弟の雄叫びが飲み込んだ。



途中シリアスになりかけたので軌道修正。

ほのぼの路線から逸脱しないよう頑張ってますッ!


でも気を抜くとスグに暗くなったり、シリアスぶったりしちゃうんです。

困ったもんだよね(他人事)

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