夜叉王
世は彼をこう呼んでいる。
”人知を超えた夜叉の如き勇ましき若人”・・・と
名は七瀬孝宗《ななせたかむね》。
常に危険と隣り合わせで世界各地で活躍する国際機密機関【ISO】に所属しており、18歳の若さで日々仕事に励む。
幾多の事件を解決に導くが、それは孝宗が失った過去のピースを埋めていくことになる。
記憶の欠片が戻る嬉しさには、信じがたい現実が待ちわびていた。
彼の背中には禍々しい烙印が疼いている。
それは日を追うごとに、身体を侵食し自由を犯していく。
『オマエガホシイ・・・』
背後から語りかけてくる悪魔の囁きは、日に日に孝宗の身体と心を苦しめていく。
痛みを伴いながらも真実を知るべく今日も彼は走り続ける。