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赤い輝石と終わりなき戦い

 かつてこの世界には、平穏な日々があった。


 人々は未来を信じて暮らし、互いを支え合って生きていた。


 だが、その日常は突如として崩れ去った。


 姿を現した“モンスター”たち。


 その正体は未だに解明されておらず、刃も銃も歯が立たない。


 人々は逃げ惑い、戦い、多くが命を落とした。


 モンスターとの戦いは、今もなお終わらない。


 彼らを倒しても、亡骸が全て残ることはなく、その場にはいくつかのものが残される。


 ――ひとつは、“赤く光る輝石”。

 どのモンスターからも必ず手に入る、不思議な赤い光を放つ石。


 そしてもうひとつは、モンスターの“体の一部”。


 鱗や爪、骨片、器官のかけら……


 それらは後に、薬や武器、防具の素材として重要な役割を果たすことになる。


 研究者たちは、その“赤い輝石”に着目した。


 それは既存の鉱石や金属とはまったく異なる未知の物質であり、研究の末、“動力源”として利用可能であることが判明する。


 この発見により、輝石を搭載した武器が開発され、かつては複数人がかりでも倒せなかった小型モンスターを、一人で討伐できるまでに力の差は縮まった。


 さらに、輝石の応用技術から“ドーム”と呼ばれる結界が生まれた。


 それはモンスターを寄せつけない防御領域であり、地上での生活を再び可能とした。


 ただし――

 ドームを維持するには、赤い輝石の定期的な補充が必要だった。


 時が経つにつれ、モンスターたちは次第に強くなっていき、かつて腕を振るっていた戦士たちも、次々と命を落とした。


 輝石を求めて外へ出られる者は激減し、このままでは1年ほどで資源が尽きると。


 ドームの崩壊が現実味を帯び始めたそのとき――


 一人の男が、声を上げた。


「1年しかない、んじゃない。1年“も”あるだろ?」


 彼の提案は、“冒険者養成所”の創設だった。


 理由は問わず、戦いたい者すべてを受け入れ、訓練し、希望を託す場。


 その言葉に動かされた若者たちが訓練を受け、自らの手でモンスターを倒し、素材と輝石を持ち帰る。


 そして――150年の歳月が流れた。


 養成所は国家規模へと発展し、ドームの維持技術も強化された。


 今、かつての戦いの記憶は“歴史”となり、新たな時代の扉が、また開かれようとしている。


 その養成所の門前に、一人の若者が立っていた。


 物語は、ここから始まる。


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