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世界中が俺を狙ってる~地球がファンタジー化していくのだが、ずばり俺は救わない!~  作者: 犬尾剣聖
第二章 世界が変わり始めた

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32話 秘密機関が集合







 メイプルが捕まったと言うことは、妹のキララは……


キララはどうなったんだよ!」


 俺が言葉を荒らげると、グリムは申し訳なさそうに返答する。


「申し訳ない、確認は出来ませんでした。捕まっている可能性もありますが、小さいし羽があるから飛んで逃げた可能性もあります」


 マジかよ……これは何とかするしかないな。


 フェリスとグリムと話し合った結果メイプルとキララを救い出す作戦を行うことになった。名付けて「プルキラ奪還作戦」だ!

 そう、だっふ――だっかんだ!

 桜木さんが横でケラケラ笑っている。

 無視だ無視!


 さて、助け出すのは良いが、何処にいるかも分からない。それならおびき出して、こっちも人質を取れば良い。

 だが桜木マンションはマズいので、人が居ない山の中に誘き出そうと俺が提案し話は進んでいたのだが、桜木さんから横槍が入る。

 

「ちょっと待ってよ。もしかして私抜きでやるつもり?」


 待て待て、逆に一緒にやるつもりなのかよ。

 それにはグリムが答えてくれた。


「桜木さんが作戦に参加すると、異星人が出てくる可能性があります。我々との事もありますし、それは危険なんじゃありませんか」


 さすがグリム、最もな意見である。

 だが桜木さんは反論する。


「それって今更でしよ。この家にあんたらが出入りしてる時点でさ、危険を通り越してると思うよ〜」


「しかしですね、今のところは異星人には気付かれていないのですよね? 気が付かれてないのなら、これ以上リスクは避けた方がよろしいかと思いますが、いかがでしょう」


「う〜ん、それがさ〜、もう気付かれてるっぽいんだよね〜」


 それには俺も黙ってられなかった。


「待てっ、どういう事だよ!」


「だ〜か〜ら〜、あいつらがその内ね〜、ここに来るって話だって〜」


「それはいつだよっ」


「分かんな〜い。分かれは苦労しないよね〜。だからさ〜、もうここへ誘き出せば良いんじゃないの。防備は完璧だよ?」


 悩むな。

 確かに異星人の魔法と言うテクノロジーなら、地球の武器くらいなら軽く蹴散らせると思う。だがメイプルが敵に拉致されたなら、メイプルの魔法の武具も奴らの手に入ったと言う事になる。メイプルは盾と弓を持っていたはず。そうなるとあの魔法の弓の性能は敵に回すと厄介過ぎる。


 俺が考えていると、グリムとフェリスが俺を見ている。桜木さんまで俺を見つめる。

 何か俺の判断を待っている図なんだが。

 俺が不思議そうに皆の顔を見回すと、グリムが一言。


「まとっち、最終判断をお願いします」

 

 何こいつ、俺の判断待ちみたいな事言ってるぞ。まるで俺がリーダーみたいじゃねえか!

 まあ、一応、答えるけどな……


「そ、そうだな。ここで迎え討つ事にする」


 するとグリムが立ち上がり言った。


「そうと決まったら色々準備をしないといけません。手分けしましょう」


 ヤル気満々じゃねえか。


 こうしてプルキラ奪還作戦の準備が始まった。

 何度も言うが奪還だっかんである。




 □ □ □




 準備が整った所で俺達は仕掛けた。


 先ずは妨害系の魔法結界を解いてもらい、スマホを使いまくる。さらにパソコンで大男に関する情報を検索しまくる。

 これで政府などの秘密機関なら、スマホの位置情報や怪しい検索をしたパソコンのアドレスから、居場所を特定するくらい出来るだろう。


 あとは待つだけだな。

 俺は双眼鏡で地上を偵察していた。


 1時間ちょっとで、怪しい奴らがマンションの周囲をうろつき始めたのに気が付く。

 これはビンゴだな。罠に掛かりやがった。

 さすがにガードマンがいるから中には、入って来ない。


 さらに工事業者が近くで道路工事を開始。外国人労働者ばかりだ。映画の見過ぎかもしれないが、何か怪しい気がしてしまう。

 さらにさらに、マンションの反対側でも水道管の修理が始まった。こっそり見ていると、工事業者同士がお互いを気にして、チラチラ見ている気がする。

 そしてしばらくするとサラリーマン風の人物が、コートを羽織ってウロウロし始めた。あれは日本の警察っぽいな。


 何か色んな国の怪しい機関が集まって来た気がする。


 少しするとそれぞれの動きが怪しくなって来た。何かの準備を始めたような……


 そこへ新たな参加団体が登場した。

 燭台しょくだいを片手にした、白いローブの連中だ。30人はいるだろうか。いかにも怪しい振興宗教っぽい。その団体が徐々に桜木マンションに近付いて来る。

 ローブの胸の部分には、手書きで“天使様は実在する”と書かれている。


 天使?


 まさか天使教か!?


 ここへきて天使教とか、ややこし過ぎる!

 俺は近くで確認しようと一階まで降りて、身を隠しながらエントランスの隅で様子を伺った。


 そして白ローブ軍団は桜木マンションに到達すると、その周囲を練り歩き始めた。

 そうなると工事業者やら張り込み刑事達は、何も仕掛けてこれなくなる。俺達としては早い所攻めて来て欲しいのだがな。


 そして白ローブ軍団は、行動が徐々にエスカレートして行く。


「天使様は崇高なり!」

「天に捧げよ!」

「我らは天使様の下僕也!」


 そんな事を叫び始めた。

 そしてエントランス近くで、“天使様は実在する”と書かれたプラカードを掲げて押し寄せた。

 必死にガードマンがそれを防ごうとするのだが、人数が違いすぎる。押し切られるのも時間の問題だった。現にエントランスホールにまで侵入して来た。

 

 しかし天使教軍団は突如として、下がり始めた。騒がしいまま、マンションから離れて行く。

 そして何故かエントランスホールに立つ女性が一人。


「あれ? まさか……」

 

 俺の声に気が付きこちらを見る女性。

 するとその女性のポケットから突如飛び立つ、キラキラした生き物。


キラキラ!」


「お兄ちゃん!」


 なんとメイプルとキラキラの2人だった。

 2人いたガードマンがキララを見て驚いている。見られてしまったが、最近は魔物だなんだでこれくらい問題無い……はず。


 しかしエントランスホールの中は、外からでも見えてしまう。つまり俺達がここにいる事が、奴らに完全に知られてしてまった。これは突入して来るな。


「メイプルついて来い!」


 俺はそう叫んでエレベーターに乗り込む。続いてメイプルが乗り込んだ所で、外の連中が動き出したのが見え、そこでエレベーターの扉は閉まる。


「メイプル、どういう事だ。説明してくれるか」


 今の俺はイライラモードだ。

 するとメイプルが説明してくれた。


「何か急に変な奴らに押し潰されてよ。捕まりそうになったんだよ。そこでこの盾を振り回したんだよ。そしたらさ、あたいに被さってた奴らが吹っ飛んだんだよ。いや〜、この盾がなかったらヤバかったぜ」

 

 そう言って左腕の魔石付きの盾をバンバン叩いて見せる。

 人間相手なら無敵だな、魔石付きの盾は。


 たが俺達の姿を見せてしまった以上、このマンションに今いる事がバレてしまった。突入は時間の問題だな。









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