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世界中が俺を狙ってる~地球がファンタジー化していくのだが、ずばり俺は救わない!~  作者: 犬尾剣聖
第一章 異星人襲来とその代償

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11話 CIAと襲撃者と猫女









 ハーフ女が必死に銃で応戦するが、どう見ても人数の多い作業員風の男達が有利。

 不利ながらもハーフ女は、機関銃のように拳銃を発射している。

 それにハーフ女の反射神経がヤバいほど機敏だ。ここからみると敵の銃弾を避けている様にさえ見える。


 しかし人の事に構ってられない。

 俺は構わず階段を降りて、アパートの裏手に逃げようとしたのだが、そこで見えてしまった。

 そのハーフ女が撃たれたのだ。

 右肩の辺りだろうか。女は銃を落としてしまう。


 それを察知して、作業員風の男達が女に接近して行く。


 これはマズイな。


 そこで俺の脳内で葛藤かっとうが始まる。

「急いで逃げろ」という言葉と「助けたら良い事あるかもよ?」という言葉が、俺の脳内でせめぎ合う。


 それで出した答え。


「うらあっ」


 作業員風の男達に突撃していた。

 俺の答えは「助けて美味しい思いをする」だ!


 俺は本能に忠実なのだ。


 突撃して行くと、当然彼らの銃口は俺に向く。

 しかし俺には無敵の盾がある。

 奴らの弾丸を面白いくらいに弾いてやる。

 すると作業員風の男達は攻撃を諦めたのか、銃撃を止めて徐々に下がっていく。

 

 そうなったらこっちのもん。

 突撃は止めて叫ぶ。

 

「おい、そこから逃げろ!」


 そう叫ぶが、ハーフ女は「私のこと?」といった顔をする。

 そうか、外国人だから言葉が通じないか。


 するとその女、突然俺に向かって走って来る。

 そして、あれよあれよという間に俺の手を握ると、引っ張り出した。


「ここは危険にゃ……よ。ここから離れるにゃん……わよ」


 あれ、日本語通じるじゃねえか。

 しかし言葉の語尾が変だな。

 日本語に慣れていないのか?


 近くで見ると、やはり外交人とのハーフっぽい。それに思ったよりスタイルも良い。

 走るたびに色々と揺れまくる……


 うん、悪くない。


 それより、手を握られて引っ張られるのも悪くない。

 無意識に握り返してしまうくらい悪くない。

 いや、むしろこのまま俺をさらってくれ!


 車が放置された道路を縫うように走る走る。もう走らなくても良いんじゃね、とか思っていたら甘かった。

 逃げた作業員風の男達が、アサルトライフルを持ち出したからだ。

 ライフル弾が飛ぶときの風切り音は、拳銃のものとは別格だ。

 道路に放置された車両に弾丸が当たると、いとも簡単に貫通した。

 ヤバい、これって盾で防げるのだろうか。

 

 エロい気持ちは一瞬で萎えた。


 周囲にはまだ市民がいるというのにお構いなしだ。

 作業員らはアサルトライフルを撃ちまくる。


 恐怖しながら俺はハーフ女に付いて行く。


 橋が見えてきた。大きな川に架かった橋だ。

 その橋を一気に走り抜けようとした時だ。

 銃声が響き、弾丸がハーフ女のキャップをかすめた。


 舞い上がるキャップ。

 

 あらわになるハーフ女の頭。


「耳?」


 ハーフ女の頭を見て声を出してしまった。


 頭に耳が付いているのだ。

 耳といっても人間の耳ではない。

 獣の耳。

 俗に言う獣耳けもみみだな。

 ハーフはハーフでも、獣とのハーフかよ!


 慌てて両手で耳を隠す猫女。


「見たにゃ……」


 待て、それって俺が悪いのか?


 もう何を見ても驚かなくなったぞ。

 ハーフ女は放置自動車の影に隠れて、自分の獣耳けもみみを押さえたまま俺を睨んでくる。

 俺も自動車の影に隠れる。


「その耳、どうしたの?」


 好奇心が先にきて、ストレートに聞いてしまった。

 言った後に、実に失礼な質問だったと気が付いたがもう遅い。

 だが、猫女は不服そうに答えてくれた。


「宇宙人にアブダクトされたにゃっ!」


 つまり宇宙人に誘拐されたと。

 まさかあのゴブリンに誘拐されて、ネコ人間になったのか。アニメ的な言い方だと獣人だがな。ゴブリンに獣人、そして魔法のような剣に盾、ますますファンタジーっぽいじゃねえか。

 詳しい話を聞きたいのだが、今はあの作業員風の奴らを何とかしないといけない。作業員風の男達はアサルトライフルを撃ちながら、自動車を盾に前に進んで来る。人数は恐らく4人。


 意外と俺、冷静だな。

 戦いに慣れてきたって感じか。


 そこでネコ女の容態が良くない事に気が付く。そうだった、右肩を負傷してたんだよな。

 

「まずは病院に行こう」


 そう俺が提案すると猫女。


「それより、私は安全な所を知っているにゃん。案内……」 


 そこまで言いかけて、立ち上がろうとしたんだろうが、グラリとバランスを崩す。


 俺は駆け寄って助け上げる。


「すまなゃい、大丈夫にゃん」


 語尾で“にゃん”が付くとか、もうファンタジーでしかない。

 絶対に狙ってるよな。

 

 その前に、このままじゃ逃げ切れないな。

 仕方ない、格好良いところを見せるか。


「ちょっと待っててくれる。あいつら何とかしてくるからさ」


 そう言って俺は、盾を構えてメイスを持った手をクルクルと回し、ライフルを撃つ作業員風の男達へと走り出した。


「あっ、ま、待つにゃん。いくら何でも、ライフル弾は止められないにゃん!」


 えっ、そうなの?

 そう思ったがもう遅い。

 俺は自動車の陰から飛び出していた。


 こうなったら破れかぶれ!  


 頭上でメイスを回転させる。

 すると鎖が伸びて、鉄球がブンブンと風を切りながら回る。

   

 構えた盾が急に広がり、ライフル弾が次々に弾かれる。

 何だ、いけるじゃん。


 ここからだと標的までは10メートルはある。どう考えてもメイスじゃ届かないよな。

 それでも俺は何だかいけるような気がして、遠心力に乗った鉄球を放った。


 すると驚いたことに、鎖がグングン伸びていく。そしてライフルを撃つ男の1人に到達。遮蔽物にしていた自動車ごと、男を吹っ飛ばした。

  

 ガシャ~ンという轟音。

 宙を舞う車。


 猫女と俺が呆気に取られていると、その自動車は落下して爆発炎上。


 するとさっきの銃弾で放置車両に穴が空いていたのだろう。孔の空いた車から漏れて地面に広がった燃料に引火し、他の自動車にも火の手が回り始める。


 ヤバい、俺達は橋の上じゃん。逃げ道かねえ!


 あっという間に橋の上は火の海となった。


 川に飛び込むしかないか。考えている暇などない。


「猫女、飛び込むぞ!」


「にゃん?」


 俺は猫女を小脇に抱えて、橋の欄干らんかんを越えて飛び降りた。


「にゃ〜〜〜!」

「こえ〜〜〜!」


 着水した瞬間、猫女と離れてしまった。

 川の中は意外と深く、沈み込んでも川底に足が付かない。

 音の遮断された水中で俺は目を開く。猫女が数メートル先の渦の中で、クルクルと回転しているのを見つけた。


 急いで泳いで、猫女の襟首えりくびを何とか掴む。

 それを引っ張りながら、やっと水面上に顔を出せた。そして猫女も一気に水面上へと持ち上げる。


「ゴホッ、ゴホッ、汚いお水飲んだにゃ……」


 川の流れはかなり早く、どんどん流されて行く俺達。必死に岸の方へ泳ぐが、中々たどり着かない。遠くで爆発音が聞こえてきて、そちらを見ると橋の上で自動車が次々に爆発していた。

 何だかやっちまった感があるんだが。


 苦労してやっと岸にたどり着くのだが、猫女の容態が最悪。見ても分からないと思うが、一応右肩の傷を覗いて見た。

 顔を背けたくなるほど酷い。出血はそれほどでもないが、肉が見えている。

 それに服はビショビショだし、下手したら体が冷えて低体温症になり、さらに悪い方向へ向かってしまう。

 こんな状況でも俺のエロ目線は健在だ。ついつい濡れて身体の線がハッキリした猫女をジロジロ見てしまう。ええい、しっかりしろ俺!

 とにかく休める場所と、傷の手当てをしないと。

 

 俺が悩んでいると、猫女がやつれた表情で言ってきた。


「私達の隠れ家があるにゃ。そこへ行くにゃん……それからジロジロ見過ぎにゃ」


「……」


 隠れ家、まさかCIAの隠れ家なのか?

 日本でそんな体験が出来るとはな。

 スゲ〜な、特殊工作員ものの映画みたいになってきたよ。

 

 俺は言われるがままについて行くのだった。










 

ここまでで3万文字を越えました。

まだ続きますのでよろしくお願いします。

今回の作戦でポイントが増える算段でしたが、今の所はブックマーク一件のみ(感謝!)。

ネタ的な作戦でしたが、やはり難しかったようです。

少なくともここまで読んでくれたことに感謝ではあります!

気が向いたらブックマークよろしくです。



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