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世界中が俺を狙ってる~地球がファンタジー化していくのだが、ずばり俺は救わない!~  作者: 犬尾剣聖
第一章 異星人襲来とその代償

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10話 自宅とCIA








 ここへ来て、やはり情報を得るにはスマホが必要と痛感した。時間もだいぶ経ったし、ネットもそろそろ繋がるだろう。

 それで俺は自宅に戻る決意をする。

 スマホは落としたのでは無く、きっと家に忘れて来ただけだと信じ、俺は来た道を戻り出した。


 色々歩いてみて分かったのは、電気は地域によって通っている所と、通っていない場所があるようだ。 

 それに治安も地域によって全然違う。


 とある知らない地域を歩いていたら、道端に露店があった。おばちゃんがシートを広げて、色々と売っている。

 息子さんだろうか、用心棒みたいに立っていた。

 その露店で乾パンの缶詰を発見。

 

「おばちゃん、これ幾ら!」


 興奮して聞くとおばちゃん。


「5000円」


「えっと、それってケースの値段ですよね?」


「1缶5000円」


 まあ、ダイナミックな値段を付けたものだな。確か普通の値段は200円くらいじゃなかったか?

 だがな、ここで買わなければ、この後で食料を買える保証はない。

 

「か、買います……」


 売ってる乾パン、4缶全部買いました。金二万円也。

 しかし中身は意外と少ない。


 乾パンをかじりながら歩いていると、何者かに付けられているのに気が付いた。

 チラリと横目で見ると、それは2名の警察官だった。早足でこちらに近付いて来る。

 遂に警察に目を付けられてしまったか。


 横道にそれてダッシュする。

 そして物陰に隠れて様子を見る。


 警察官は「逃げられたか」とか言っている。

 これで間違い無い。俺は警察のブラックリストに載っちまったな。


 

  □ □ □



 しばらくぶりに俺は、自分の住む町に戻って来た。

 俺の住むアパートはもう近い。


 日が暮れてきて、辺りは暗くなりつつある。だが、この地域の電気は通っているようだ。その証拠に街灯が点き始めた。


 見慣れた二階建てのボロアパートが見えて来る。

 怪しい奴はいないか確認。特に警察に見張られている感じはない。

 俺は喜び勇んで2階の自分の部屋に入って、電気を付ける。

 

「あ、明るい!」


 何だかこれだけで感動してしまう。


 そしてスマホを探す。

 直ぐに見つかった。

 テーブルの上に置いてあったよ。


「おお〜、我が友よ!」


 親友との再会に頬擦ほおずりし、電源を入れようとするのだが、すでに充電は切れていた。そこで直ぐに充電開始。

 その間に情報を得ようと、テレビを付けた。

 いきなり俺の犬帽子姿の映像が映る。

 舌打ちしてチャンネル変更。

 すると、またしても俺の映像。


「やめてくれ、何なんだよ!」


 東都テレビのチャンネルに変えて、やっと違う内容がやっていた。

 他にもチャンネルを変えてみたが、3つしか映らない。テレビ局にも被害があったってことだろう。


 東都テレビでも特別番組とかで、ゴブリンのニュースばかりだ。俺の映像は映らなかったが、ゴブリンの武器を持った者の映像が流れていた。だが映像が不鮮明で良く分からない。

 解説者は異星人の武器と断定した上で、それを何らかの方法で手に入れた者が犯罪を犯していると言っていた。

 そして別の映像が流れる。それは防犯カメラの映像だった。

 男が槍を持ってスーパーに強盗に入った映像だ。男は槍で軽くレジを突いた様に見えた。すると槍が輝き、バチバチッとレジは破壊した。正確には槍にめられた石が輝いただな。

 誰が見ても分かるほどの威力。


 そういった映像は日本だけじゃなく、海外の映像も流された。どの映像もゴブリンの武器を使った強盗や暴行だった。

 アメリカは銃社会だ。

 それにも関わらず、ゴブリンの武器が脅威とされていた。やはりその威力は物凄く、壁を破壊するし銀行のATMも壊してしまうからだ。


 そういった映像を見て、俺は改めて俺が持つメイスと盾を見た。地球人が知らない未知のテクノロジーを秘めた武器。

 これって各国が欲しがるんじゃないだろうか。

 例えばアメリカ、中国、ロシアなど。


 何か怖くなってきた。


 その時だ。


 玄関のチャイムが鳴った。


 心臓が飛び出しそうになる。


 モニターを確認する。


 するとそこにはスーツを着た男が映し出された。


 刑事とかじゃないだろうな。まさか自宅がバレたとか?

 いや、顔は見られたが住所までバレるはずが無い。だが町中には防犯カメラがあるんだよな。それを追跡すれば自宅くらい簡単に探し出せるか。裏通りを通って来れば良かったな。

 さあ、どうしたら良いのか。

 インターホンに出るべきか。


 再び鳴るチャイム。


 刑事と決まった訳じゃない。

 セールスかもしれない。こんな時だから宗教の勧誘かもしれないしな。


 取り敢えずインターホンに出てみた。


「はい、どちらさんですか」


『間藤君、間藤閃輝まとうせんき君だね?』


 いきなり俺の名前かよ。

 ヤバい雰囲気しかしないんだが。

 やっぱ警察関係なんだろうか。

 もう一度聞く。


「あの〜、どちら様でしょうか」


 するとインターホン越しに名刺を見せてきた。

 米中央情報局日本支部〜的な事が書かれている。

 中央情報局って聞いたことあるぞ。え〜と、何だったか……


 

――思い出した、CIAだ!



『ドアを開けてもらえるかな。ちょっと話がしたいだけだよ』


 アメリカの情報局が何で日本にいるんだよ。そんな奴らが、話だけのはずないだろ。一応確認してみる。


「そんなこと言って、開けた途端に突入して来るんだよね?」


 そう言いながら、俺は装備を整える。盾とメイスを持ち、ショルダーバックを首に通す。

 とうとう俺は国をまたぐ程の犯罪者かよ。


 なおもインターホン越しに話し掛けてくる。


『約束する。話をするだけだよ』


「話ならインターホン越しでも出来るだろ」


『ああ、分かった……話と言うのは間藤君、君の持っている異星人の武器のことだよ』


 やはりそうか。

 逃げ道は無いしな。

 

「今、玄関を開けますから、ちょっと待って下さい」


 俺はそう言って玄関へと向かう。

 こうなったら観念しするしかない。話をするだけって言ってるし。


 俺が玄関のカギを開け、扉を開けた途端だった。


 映画とかで聞くような銃撃音が、連続で聞こえた。

 玄関扉の前に立っていた男が、血だらけになってなぎ倒された。

 インターホンで俺としゃべっていたスーツ男だ。


 扉の左右にも何人かのスーツ男がいて、銃撃音と共に倒されて行くのが見えた。


 俺は急いで扉を閉め鍵を掛ける。


 どうなってんだ?


 ここは日本だぞ!


 急いでインターホンの画面で外を確認すると、銃を持った作業員風の男達が玄関前の通路に集まって来た。そして倒れたスーツ男達の生死を確認している。


 作業服の奴らは日本人じゃない様に見える。

 中国か東南アジア系っぽい。


 そして、玄関扉でガチャガチャ始めた。


 ヤバい、入って来る気だ!


 どうする?

 ここはアパートの2階。窓から飛び降りるか?

 いや、足が折れる!


 そこで爆発音。


 ドアの蝶番ちょうつがい二箇所が壊された。

 そして一気に扉が破られて、銃を持った作業員数人が突入して来た。


 もう戦うしか無い!


 俺は盾を構えて突っ込む。


「シールドバッシュ!」


 別に声に出さなくて良いのだが、つい叫んでしまう。


 ほぼ同時に銃声が聞こえるが、盾が瞬時に広がりそれを防ぐ。


 そして俺の盾が、先頭で入って来た男を吹っ飛ばす。


 他の突入した3人も、道連れで扉の外へと転げ出た。

 その時、通路の鉄柵にぶつかった様でかなり苦しそう。


 俺はそのまま盾を構えて、玄関から外に出ようと試みる。


 スーツの男達に加えて作業員風の男達が通路に転がっており、機敏に移動とはいかない。まずはちょっとだけ顔を出すと、いきなり左側から銃撃された。

 俺の部屋は角部屋なんで、通路の左側からしか道がない。その左側に敵がまだいる。

 

 俺は勇気を振り絞って、盾を構えたまま左方向へ躍り出る。

 

 瞬間、激しい銃撃。


 5メートルほどの離れた所に、銃を持った作業員2人がいた。

 盾が全て防ぐが、弾丸を弾く音が俺に恐怖をあおる。

 俺は自分を奮い立たせる様に、叫びながらメイスを振るった。


「うらああ〜!」


 メイスの鎖が一気に伸び、銃を撃つ男2人をなぎ倒す。

 変な身体の折れ方をして倒れる作業員風の男達。

 

 もしかしたら、殺したかもしれない。だが、今はそれより自分の命が大切だ。


 周囲に敵はもういないっぽい。

 だがまだ銃撃音が聞こえる。


 通路の鉄柵から下を見ると、道路では作業員風の男達と銃撃している者がいた。

 ジーンズにジャージというラフな格好で長い髪。女の様だ。

 それにキャップ型の帽子を被っていて、表情がハッキリとは見えないが、日本人じゃないっぽい。その女は銃を持っていて、手慣れた感じで撃ち返しているとこを見ると、やはりスーツ連中の仲間なのかもしれない。


 少しだけ女の顔が見えた。

 もしかしたら北欧の国と日本のハーフか。そんな顔立ちの女だった。


 ズバリ言おう。


 好みだ!









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