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02 第一回シェリル様信用回復会議

使用人視点です。

忘れていると思うので、また後書きに登場人物を書いておきます。

※登場人物紹介にはネタバレを含んでおりますのでご注意ください。




 ※



 ところ変わって、ここはヘインズ領にある領主邸。

 次期当主であるフィランダーの妻シェリルは、ベッドに横になりスヤスヤと眠っていた。


 そして夜な夜な使用人室に集まったのは、シェリルの護衛を除いた使用人達と次期当主であるフィランダーだった。







「では、『第一回シェリル様信用回復会議』を始めます。進行は私、ユーインが勤めさせて頂きます」


 ユーインが言い終わり、フィランダーが口を開くより先にバーナビーが発言した。


「なぁ。それ全部若が悪いんじゃね? 俺らまで巻き込む必要あるか?」


 その言葉に庭師、料理人、下男、下女の面々はうなずき合う。しかしユーインは淡々とその理由を述べた。


「今回シェリル様を守りきれなかった最大の原因の一つは、ヘインズ家への忠誠心の高さが原因という事が分かりました。若の命令なら使用人達の口伝えであっても有用と判断され、そちらを優先してしまったのです。もちろんシェリル様にも促されたというのも原因の一つではありましたが、元々指示されていた若からの命令を無視した事が今回の悲劇に繋がりました。よって私達使用人にも責はあります」


 ユーインの言葉が終わると、セリーナがそれを付け足す。


「それにまだシェリル様は私達にも心を開いている訳ではないの。若にも言ったけど、金銭を伴うお願いは聞いた事がなくて……。シェリル様って持参金なしの結婚でしょ? 遠慮していると思うのよね」

「そうか? 庭の事に結構首突っ込んで来たなと思ったけど?」

「それはあなた達の働く環境が悪いと思って突っ込んだのよ。シェリル様って基本困っている人はほっとけない人でしょ」

「あぁ。確かに」


 それには他の使用人達もうなずいた。


 初めて会った時、「何か困っている事はない?」と聞いて来たのは後にも先にもシェリルだけだ。そのお陰で希望していた職につけた使用人も多い。


 その優しさにつけ込む奴が居たら、すぐに退治してやろうと思う使用人も少なくなかった。






 手を組んで聞いていたバーナビーは寂しそうな顔を作る。


「……って事はだ。俺達の事も信用してないんじゃ……益々身体壊しちまうじゃねぇか」

「だからこの会議を開いたのですよ」


 ユーインはため息をついたが、会議の趣旨を理解出来ていない者は他にも居た。


「そうだったのですね。……てっきりシェリル様の事件に関わっていた者だけの会議に出てしまったのではないかと思いました」


 そういったのは侍女のコリーン。以前副侍女長のネルに苦言を言った事のある女性だ。ユーインは目を見開き驚いた様子を見せる。


「……これは私の伝言不足でしたね。申し訳ございません」


 ここに集まった者達は皆、シェリルの身の上に起こった出来事を知ってはいた。だが、信用されていないというのは初耳の様でそれを聞いて固まった者も複数いる様だ。







 ここでやっとフィランダーが口を開いた。


「全部俺が悪い。そこは認める。でも、使用人達全員に関わる事だと思ったから今回集まってもらった。今後俺がシェリルを守れと言ったら何が何でも離れないで欲しい」


 その言葉に使用人達はうなずいた。ユーインは次の議題へと話を進める。


「次にシェリル様の侍女に専念するため、ネルが副侍女長を降りる事になった」


 すると使用人達がざわついた。ネルは黙って立ち上がり皆に向いて話し始める。


「シェリル様専属の侍女になって、侍女としても副侍女長としても自分に足りないものがある事を痛感致しました。今の私にとって副侍女長というのはかなりの負担になっております。この事を母である侍女長と相談した結果、この度降りる運びとなりました」

「後任の副侍女長については、侍女長と俺とネルの満場一致で決まった。今この場で発表する」


 侍女達に緊張が走る。ゴクリと誰かが唾を飲む音が聞こえるくらい、皆がフィランダーに集中していた。


「次期副侍女長は……コリーンにやってもらう」

「え……」


 侍女達からは好意的な声が聞こえてきたが、当の本人は呆然としていた。


「コリーン。やってくれるな」

「……謹んで拝命致します」


 ネルはコリーンが引き受けてくれて、少しホッとした様だ。






 次の議題に移ろうとユーインが口を開こうとすると、フィランダーが制止し立ち上がった。

 そしていよいよ本題の議題に移る。


「次はどうすればシェリルに信用してくれるのかを皆で……」

「それは若で考えろよ」


 バーナビーの最も過ぎるツッコミに皆がうんうんとうなずいた。


「いや……俺もう完全にシェリルの信用失ってるからさぁ。助けてください」


 神に祈る様に手を組むフィランダーに皆は呆れ、今まで黙っていた侍従のトミーが口を開いた。


「若はさぁ、自分のせいじゃなくて他人のせいにしてシェリル様を呆れさせたんじゃないの? ウォーレンだっけ? そいつが元騎士団長が立てている計画を言わなかった事に怒ってたんだよね? でもさ、普通言えないよ。有力な商人の息子に? 言ったら潰すって言われて反抗できると思う? 言いに行こうとしたら元騎士団の奴が見張っててボコボコにされて店も取り上げられてたらどうするの。シェリル様が襲われたのはそもそも元騎士団に対して何も出来なかった若のせいじゃん」


 さらにトミーの話にネルとバーナビーとセリーナが乗っかる。


「それに信用されないのは若自身の原因でもありますよ。『遊び人』でしたからね。いきなりシェリル様しか見えないって言っても無理があります。今まで付き合っていた方とタイプが違い過ぎますし……」

「美人で巨乳ばっかだったもんな」

「だからシェリル様を利用したと勘違いさせるんですよ」


 使用人達の容赦無い畳み掛けにフィランダーは小さくなった。






 するとそんな主人を気の毒に思ったのか、ユーインが助け舟を出した。


「……一度、シェリル様の気持ちを聞いて見るのも良いのかもしれませんね。ネル、セリーナ。お願い出来ますか?」

「……仕方ありませんね」

「難しいかもしれませんが……頑張ってみます」

「では……会議を終わります」


 ユーインの号令で皆そそくさと自分の部屋へと戻る。

 使用人室にはフィランダーとユーインとトミーのみがポツンと残った。


「……皆、帰るの早くない?」


 フィランダーの問いには誰も答えることはなかった。







シェリルの侍女ルースは、シェリルの警護をしているため参加はしておりません。

次の登場人物紹介で書きます。




登場人物紹介





名前 ネル

所属 平民 ヘインズ家侍女

年齢 23歳

容姿

・髪 ストレートの紺色

・瞳 水色

・体型 Fカップ 標準

・顔 魅惑的な顔 タレ目 ぼってりした唇 美人

・身長 162cm

魔法 水魔法 中



名前 セリーナ

所属 平民 ヘインズ家侍女

年齢 22歳

容姿

・髪 ゆるウェーブの暗めの赤髪

・瞳 黒

・体型 Eカップ 引き締まっている

・顔 キリッとしたシャープな美人

・身長 165cm

魔法 炎魔法 中



名前 バーナビー

所属 ヘインズ家

年齢 30歳

容姿

・髪 ツンツン頭の茶髪

・瞳 茶

・体型 がっしりマッチョ

・顔 切れ長の目 美形

・身長 195cm

魔法 土魔法 高



名前 ニール

所属 平民 ヘインズ家料理長

年齢 27歳

容姿

・髪 ゆるウェーブな赤髪 オールバック

・瞳 黒

・体型 がっしり

・顔 つり目の美形 狐顔

・身長 185cm

魔法 炎魔法 中



名前 ユーイン

所属 平民 ヘインズ家副執事長

年齢 28歳

容姿

・髪 ストレートな明るい黄みよりオレンジの髪

・瞳 黒

・体型 中肉中背 細マッチョ

・顔 目が切れ長の美形

・身長 178cm

魔法 雷魔法 中



名前 トミー

所属 平民 ヘインズ家侍従

年齢 25歳

容姿

・髪 ゆるウェーブな水色

・瞳 深い青

・体型 中肉中背 細マッチョ

・顔 童顔 可愛い系の美形

・身長 172cm

魔法 水魔法 中



名前 コリーン

所属 平民 ヘインズ家副侍女長

年齢 26歳

容姿

・髪 癖のある茶髪

・瞳 緑

・体型 痩せ型 Bカップ

・顔 一重 そばかす顔

・身長 158cm

魔法 風魔法 中

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