15 寝過ぎに注意
驚くことに、私は3日も寝てたんだって。
バルトさんが、
「寝ていると分かるまでは、随分心配したんだがな」
と笑っていた。
それはそれは、ご心配をお掛けしました。どうもどうも。
で、とにかく私が寝ている間に、誰かが盛大にやらかして、聖女様が引きこもってしまったらしい。私がスヤスヤ寝ている間に、色々起きてたのね。
私は聖女なんかじゃないって、キレたんだって。それってよっぽどじゃない?
「誰が、どんな発言をしたか、前もって調査しておいてくださいね。何が地雷か分からないので」
なんて、軽く発言したら「地雷」って言葉にバルトさんとアレンさんが引っ掛かって、しばらく説明させられた。
地雷の作り方なんて知るか。怖いわー、迂闊に向こうの言葉を使ったら、すぐに質問責めですよ。
とにかく。
魔力よ、魔力。制御の仕方を習わないと、ヤバいらしい。
暴走は体の中の魔力が意識せずに外に漏れちゃうことを言うんだって。で、魔力が全部無くなると、生命を維持することが出来ないんだって。怖いよねぇ。
なんでも、小さな暴走は結構あることなんだって。子供が成長する過程で、制御出来ずに起きることが多いそうな。
私みたいにバーンって爆発させちゃうヤツが一番ヤバくて、ほら、一気に魔力使っちゃうから?魔力が底をついて、そのまま意識戻らずご愁傷さまですってこともあるんだってさ。
私、結構ヤバい状況だったみたい。
と、言っても良く分からないままで今、だからね。ヤバかった実感はほとんどないけど。
「とにかく派手な暴走だったな」
と、バルトさんは笑ってて、アレンさんは、
「傍迷惑で騒がしい暴走だった」
と、言っていた。
派手な暴走って何よ。派手とか地味とか、暴走には色でもあんのかってツッコミたくなるよね。しかも傍迷惑で騒がしいって酷くない?
まぁそれはおいといて、制御よ、制御。
こればっかりは訓練なんだって。結局の所、魔力の扱いが上手くならないとダメだから、練習あるのみってことみたい。
で、魔力の制御が出来るようになると、色々な魔方陣が使えるようになるらしい。
だからね、提案してみたんだ。
「聖女様も、魔力なんて知らないでしょうから、制御の練習はしますよね?なので、制御を習う御学友として侍るのはいかがですか?」
と。
多分ね、身分ある立場の人が何か言ってもダメな気がするんだよね。
日本人だからさ、最初に召喚した側が土下座でもして謝罪して、どうか世界をお救いくださいとかって涙でも流したら、ここまで拗れなかった気がするのよ。
そんなことをされたら私でさえも、「私に何か出来るのなら」とかって思いかねない。
だから余計にやらかしたヤツ、出てこいって感じですけどね。




