表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/82

10 月が落ちる?

 



「結界、ですか」


「今回の魔素の異常な増加について、過去の文献をさらった所、ある程度の原因が分かった」


 バルトさんは立ち上がって、窓際に行くとカーテンを引いて加奈子に言った。


「月が見えるだろう?」


 言われて窓越しに空を見上げれば、青白くて大きな満月が。

 思わず目を見開いた。

 いや、大き過ぎない?え、あれ月なの?


「ち、近すぎません?落ちてきそうなんですけど」


 あまりの大きさに驚きを隠せなくて、素になるけど、しゃーない。だってぶつかる、って思うくらいの近さだよ?


「文献によると、月の接近は百年に一度、起きる現象なんだそうだ」


 息を詰めるみたいに月を見上げていたけど、過去に何度も起きている自然現象なら仕方ないのかな?

 でも、百年に一度って結構な頻度じゃない?なら、この世界の人にはまぁまぁ慣れたことなのか?

 とりあえず、落ち着こう。


「では、前回の時の被害や対策などが、文献に残っていたのですね」


 そこに聖女召喚の方法が載ってたのかな?

 何をすればいいのか分からないと、危機に対して対策も練れないものねぇ。


「いや、前回も、その前も、大した被害は出ていない」


 え?どーゆーこと?

 魔素が増えたら魔物が増えるから、討伐が間に合わないって話だったよね?私の疑問に答えるようにバルトさんが


「それが、結界により守られていたことが分かったんだ」


 と言った。






 文献によると、古くから大陸の全域にわたるような大きくて、強力な魔方陣が作動してて、この結界の中では魔素の量が調節されて、魔物による被害を少なくしてるんだそーな。

 それが何百年かに一度、結界が弱まる時期があって、そうすると今回のような被害が出るらしい。

 で、その結界は何百年前だかの聖女様の魔力で作動しているから、威力を元に戻すには、聖女様の魔力が必要になる、と。


 なるほどー。

 それで聖女様の召喚が必要ってことに繋がるし、魔方陣の内容にも頷けるわ。






 納得は出来ないけどね。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ