1 表舞台から転がり落ちて
巻き込まれた、そう思った。
だって、突然地面に現れた光る模様は彼女の足元で光ってたし、落ちた場所でもスポットライトが当たったように、彼女の周りだけがキラキラ光ってた。
こっちは、うっかり光る模様を踏んじゃっただけだし、落ちた場所からもさらに転り落ちて、多分溝みたいなところにはまった。
後頭部から落ちたのか、頭を揺さぶられる様な痛みと衝撃の中、彼女のキラキラ綺麗だな、とか思いながら目の前が暗くなっていくのを見た、ような気がする。
「え、ここ、どこ?」
目の前には石を積み上げた頑丈そうな壁があった。それから、嫌な雰囲気のある鉄格子の扉も。
キョロキョロしながら動かそうとした手と足は、重たい鎖と共に壁に繋がれていて、動かそうとはしてみるけど金属音が響くだけで、少しも動かせそうにない。
え、何コレ、どーゆー状況?
想像もしてなかった不穏な状況に、パニックになって、ひたすら暴れた。
だって、気が付いたら牢屋みたいなとこに居て、ものすごく重たい鎖に繋がれてる状況なんて考えたことある?無いでしょう、普通。
なんなら今だってこんな状況、夢なんじゃないかって思いたい位で。
だけど、冷たい金属に繋がれた手首と足首は暴れても暴れても、擦れて痛むだけで外れそうな気配すらなかった。
どうにもならなくて、どうしよーもないから、とりあえず深呼吸して落ち着いてみることに。
とは言っても。さっき暴れた時の手首と足首は今もまだ、すごーく痛いし、状況は変わらないから何が起きてるのか全然分からないし。
ありえない状況と先が見えないって状況が怖くて、いっそ大声で喚きたい気分。
誰もいないし、そもそもここどこよって感じで、どんどん不安は増していく。
夢でしょ?夢なんでしょ?
そう思いたいけど、手首や足首の痛みはやっぱり消えてくれなくて。
夢じゃないなら、現実なら、何でこんなことになってんの?
私、これからどーなっちゃうのー?