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-私の中では大事件-

 突拍子も無く告白から始まった私の物語だけど、事の発端は先週の大事件。あれが無ければ私が恋なんてするはずがない。私は誰から見ても平凡以下な女子高生だから。

 スカートを短くした日には、男子よりも女子の目線が怖いくらい。そんな私の日常は女子のグループからハブられないように、受け答えには彼女たちが気に障らない言葉を常に選んでいるつまらない毎日。

 誠也君に対して演じているだけじゃなく、クラスの中でも演じているんだから私の正体がばれることは無いだろう。


 私はあの日のことを思い出していた。

 大事件の数日前に私たちは学年が二年に上がって新しいクラス替えが行われた。始業式と同時に桜の開花が発表される。寒い地域だから東日本の中でも開花が遅い。咲き始めた桜を見ていると声が聞こえた来た。


「ねー、いつまでそんな顔してんの?」


 そんな顔とは私の顔のことだろうか。失礼しちゃう、これでも肌は綺麗ですねってお隣さんのおばちゃんから良く言われるのに。


「だって、それ作り笑顔でしょ。」


 私はその言葉に心臓を掴まれたかのような錯覚に陥る。でも、その言葉は私に向けられたものじゃなかった。グループのリーダー的存在の彼女に対して、真っ向から女子の笑顔を否定した男が居た。

 それが坂柳誠也。彼の取り巻きAがアタフタしているのを見るに、これが初めてのことじゃないのだろう。当然の如く、彼女と彼は言い争いに発展する。事の発端の当の本人と言えば、言いたいことを言えてスッキリしたのか満足気な顔で、次の授業の準備を始めている。

 その場は彼女が取り繕い、場を収めていた。でもその後の暗黙のルールとして、坂柳君を女子の間で嫌いな奴として扱うことを彼女は決めた。

 私はと言うと周りに合わせつつも、彼の態度に興味を引かれていた。


(これだからイケメンは・・何を言っても許されると勘違いしてんじゃないの。)


 そう思いつつも、彼のことを見ている私が居て、いつの間にか彼の情報を集めていた。当然、このクラスでは情報を集められない為、他のクラスや去年まで坂柳君と一緒だった子に聞き漁る。

 彼のことを知るたびに、彼に夢中になっている私がいた。


 心臓を掴まれた感覚を、恋をしたことの無い私は、どうやら違う意味で認識してしまったらしい。


 告白した日は、木々に満開の桜が咲いていた。


「桜が散るまであと一週間しかないじゃない!」   

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