お土産とお祭り? 楽しい会話も、多人数だと騒がしい?
只今、戻りました。
「あい、どーじょ♪」
悪者さん達の処遇を一通り聞き終えて、只今お土産配布中です。
仕立屋さんに寄る前に、モル兄宛にもお土産を購入してました♪
お菓子屋さんの露天販売で、焼き菓子の“お好み詰め合わせ”をやって来ました。
大きさの違う三種類の箱から1つを選んで、十種類以上の焼き菓子の中から、好きな様に組み合わせて詰めるのです♪
ぁ、箱詰めは、店員さんがやってくれます。
私が選んだのは、一番大きい箱。
全種類2個ずつ詰めて貰いました♪
「あらあら、良いの?」
「あい♪」
「私達皆で選んで、ユナがお小遣いで買ったのよ♪」
「ギルドで待ち合わせするなら、ギルマスにお土産持ってくって言い出して、お金も自分で出すって折れなくてなぁ…」
「…ユナ…意地っ張り…」
「ちがうもん! いじっぱりじゃないもん!」
む~。
確かに、お会計の時は、お店の人が苦笑する程主張はしましたよ?
でも、意地を張った訳じゃないもん。
大量のお金を、還元したかっただけだもん。
「ふふ。そうだね。自分が言い出したから、自分で最後まで責任を持ちたかったのかな?
ユナは、何にでも、一生懸命だね」
いえいえ、お父さん。
誤解ですよ?
そう言えば、なんだかんだと楽しすぎて、所持金の総額を伝えてなかった気が……。
………。
うん。
早目に申告しときましょう。
ぁ、でも、帰ってからの方が良いかな?
序でに、出来れば所持金の大半を、お父さんに預かって貰いましょう♪
大金を持ってるのは、流石にちょっと怖いです。
現実逃避して所持金総額の大きさを、記憶の彼方に放って置くのも、そろそろ限界ですしね♪
*~*~*~*~*
「そう言えば……あんた達。新年の祭りには参加するの?」
持参したお土産を、追加のお茶菓子として出してくれたモル兄が、お父さん相手に、今までと全然違う話を振りました。
「う? おまつゅり?」
「あぁ、そう言えば、あと二月程で、今年も終わりでしたね」
私以外の皆は、モル兄の言う“新年の祭り”に、思い当たる物がある様で、各々頷いたり、顔を見合わせて笑いあったりと、既に若干楽しそうです。
「あら? ユナちゃんは、聞いてない? 毎年、年明けから1週間、大きなお祭りがあるの。
ほら、1年の始まりは、必ず雨でしょ?
その雨が降り続く間、新しい年の田畑や森の豊作、海の豊漁を祈り、友人知人家族の健勝や、自身の健康を願って、女神様達へ様々な供物を奉納をするの。
本来は、神様へ感謝と宣誓をする神事だった筈なんだけど、前年に作った物品や、学んだ事の成果──舞や歌なんか──も、奉納するから、何時の間にか、大規模なお祭りみたいになったのよ」
成る程。
前の年は此処まで出来る様になりました。
新しい年では、これ以上の上達を目指しますって、宣誓するんですね♪
あれ?
それって、所謂“背水の陣”?
でも、皆さん楽しそうです♪
「おうた、うたうの?」
「ん? ユナ、歌いたいの?」
「あい」
フォーレお姉ちゃんに聞かれて、即答します。
皆で合唱とか、楽しそうですから。
身体を動かすのは苦手ですが、音楽は割りと好きなのです。
お姉ちゃん達と合唱……やってみたいけど……。
「なら、練習するか!」
「…練習…する…」
私の返事に、ラメル姉さんとリュニベール姉様が、即座に練習を提案してくれました。
良いのかな?
良いなら、目一杯頑張りますよ~!
「僕等は、ここ数年、魔物の素材を奉納してるよ」
「まぁ、魔獣化した魔物の素材や、腕比べで負かした相手の得物だけどな」
お~。
お兄さんズは、お父さん指導の元、ガンガン強くなってるんですね!
お祭りの時に、奉納する素材を見せて貰いましょう♪
「ん~、君達には、そろそろ鍛冶を覚えてもらうべきかなぁ。
自分の武器くらい、自作出来た方が良いでしょうしねぇ」
「「はいっ!?」」
お父さんの提案? 宣言? に、お兄さんズが不思議な返事をしてます。
声が裏返ったのか、可笑しな発音でしたよ?
「…ぼくが…教え…る?」
「そうだねぇ。まぁ、基礎は私が教えるよ。それが終わったら、ベルにも指導をお願いしようかな」
ベル姉様がお父さんの言葉に、先生役の必要性を問いました。
そう言えば、姉様は物造りに影響力のある女神様でしたね。
お母さんからも、物造りは姉様に、調薬調合はフォルお姉ちゃんに、護身術はラル姉さんに教わる様に言われてますし。
勿論、お勉強は3人+お父さん、お兄さんズが見てくれてます。
「へ? ベルって、鍛冶仕事出来るのか?」
「…出来る…。…物造りは、得意分野…。…でも…魔道具製作のが…好き…」
「ベルは、物造りの天才だぞ? 自己主張しないだけで、武器防具から魔道具、装飾品なんかも、サクッと手作りしてるぞ」
「そうね。ベルの造る物は、どれも一級品よね♪」
エディ兄さんの疑問に、お姉ちゃん達が当然の体で答えます。
あぁ、うん。
天才で通すんですね。
女神様だからとは、言えませんよね。
「ベルねぇしゃま、しゅごいの~♪」
姉様の腕前を思い出して、素直に絶賛した私に、その場が混沌と化しました。
ベル姉様は嬉しげに微笑み、フォルお姉ちゃんとラル姉さんは「私〈あたし〉だって凄いよ〈ぞ〉」と私に迫り、お兄さんズは何故だか闘志を漲らせ、お父さんはそんなお兄さんズを牽制してる?
モル兄だけは、“我、関せず”とお茶を飲んでますね。
………。
なんでしょうねぇ……この状況。
まぁ、取り敢えず、私も私らしく、美味しいお菓子を堪能してましょう♪
ちょっと話が別方向へ跳んだかな?
いや、閑話的雰囲気になっただけだよね?
大丈夫デスヨネ?
σ( ̄∇ ̄;)
自信無いデス。
ストック……貯まらなかったよ。
またもや、ギリギリ投稿で、頑張らねば。
いや、頑張ります!