始まりに続く祈り…。『どうか幸せに…』
あうっ!
ストック切れた~。
Σ(ノд<)
でも、シア様視点は書ききったぞ~。
♪ヽ(´▽`)/
うふふ。
皆、仲良くなれたみたいで、良かったです。
出来れば、もう少し遠慮が無くなれば良いなとは思いますけど、焦る必要は無いですものね♪
あとは───
「後は、結愛の転移場所を決めないと……」
「どうしたの?」
お別れを思って、泣きそうな顔をした私に、結愛が心配そうに聞いてきます。
場所が決まったら、もう暫しばらくは会えません。
……寂しい。
でも、クラウディアを見てもらいたいのも、本当の気持ちです。
結愛に精一杯楽しんでもらう為にも、泣いてる場合じゃ無いですね!
「ん。お母さんが創って、大切に見守ってる世界だもんね♪ ゆっくり楽しんで来る」
良かった。
気持ちを素直に伝えたおかげか、結愛に笑顔が戻りました。
さぁ、落ち込むよりも、前向きに!
結愛が暮らしやすい場所に、転移させましょう。
「お母さんっ♪ オススメの場所は?」
あら。
結愛に気を遣わせたのでしょうか?
ふふ。
娘に気を遣わせるなんて、まだまだお母さんとしては、未熟ですよねぇ。
結愛やあの子達が自慢できる様な、お母さんになりたいですね。
いいえ、いつか必ずなってみせましょう!
取り敢えず、今は結愛の優しさに、便乗しましょう。
気遣いを無下にする事だけは、やっちゃ駄目ですよね♪
「そうねぇ。……大陸中央の【リシャの森】かなぁ……」
彼処は大きな森ですが、強い魔物は居ませんし。
街が近いのに、人の往来も少ないです。
空気も綺麗。
いろんな種族が、隠れ住んでる静かな場所でもあります。
結愛もきっと気に入ります♪
「わぁ、素敵だね♪」
「其処にする?」
リシャの森なら、湖の近くが私のオススメです。
街道からは少し離れてるけど、いろんな動物が集まって来るんですよね。
ちょっと開けた空間だから、解放感もありますし。
薬草や野草なんかの宝庫で、薬や食べ物にも困らないでしょうしね。
「其処にしようかな…。ぁ、でも、小さくなると思ってなかったから、家とかどうしよう……」
あ。説明していませんでしたね。
可愛い娘の為に、色々役立つ魔道具を、準備してあるのです。
他の管理者達も、幾つか用意してくれました。
ラズまで「新しい娘に贈り物~♪」って、鼻唄混じりにいそいそ準備してたのですよ?
うふふ。
あの時のラズヴェルトは、可愛らしかったわ♪
普段は凛々しくて、格好良いのに。
「わぁ、嬉しい♪ でも、良いのかな? こんなに沢山、助けてもらって」
あらあら。
結愛は謙虚ですねぇ。
与えられ過ぎて、逆に不安になっちゃったんですね。
大丈夫ですよ~♪
「勿論♪ 皆ね───」
彼等も一応、結愛を消滅させかけて、本当ならもっと酷く詰なじられたり、泣かれたりするだろうって、落ち込んでいたのです。
だけど、結愛は“最初に1回憂さ晴らしをしただけ”で、全部許してくれたでしょ?
その上、ちゃんと話を聞いた上で、自分の事より、他の人の心配までしていました。
だから、私以外の管理者達も、結愛を気に入ったみたいです。
まぁ、ほんの少しだけ、娯楽と勘違いしてないか? と、疑いましたけどね?
善意の行動の筈ですから、甘えられる事は、ガッツリ甘えて大丈夫なのです!
クラウディアに転移した後だと、あまり干渉出来ませんから……。
「……分かった。でも、後で他の管理者さんに、お母さんから“私が感謝してた”って、伝えてくれる?
それから、前の世界の管理者さんにも、“私は大丈夫”だよって」
ふふ。
結愛は気遣い屋さんですね。
「分かった。ちゃんと伝えておくわ。だから、結愛はおもいっきり、楽しんでらっしゃい♪」
「は~い」
伝言は受け取りましたし、転移場所も決まりました。
新しい家族として、私も応援する気満々ですし、物理的な守護として、3匹(2頭と1羽?)もいます。
そろそろ、送り出す準備に移らなければ、いけませんね。
「……じゃあ、もうそろそろ、送らなきゃね……。
精神体の定着に、少し時間が必要だから、結愛は安心して眠ってなさい。
次に目が覚めたら、クラウディアよ」
「ん。分かった。お母さんが見ててくれるんだもん。
頑張って、色んな事に挑戦してみるね!」
寂しいですが、結愛には沢山経験して、沢山笑って、元気に過ごして欲しいのです。
辛い事や苦しい事があったなら、傍に居られなくとも、気持ちは寄り添い、結愛の“救い”でありたい。
今度こそ、満足するまで、世界を楽しんで、この神域に帰って来てね。
私達【管理者】や、その【眷族】は、死亡の概念からは外れた存在です。
私達は精神体に【神力】を纏って、神域に存在している為です。
総ての生命は、精神体から成り、纏うものによって、選別されます。
結愛には、新しい人生を終えた後、転移体から離れる時に、2つの選択肢を与える事になります。
1つは、再び本来の輪廻の輪へと還り、転生する選択。
もう1つは、この神域に留まり、他の【眷族】と同じ様に、世界干渉の責務を担う選択。
最初の選択肢を選べば、再び【浄化】と【治療】を施し、新たな世界へと送り出さねばなりません。
逆に、後の選択肢を選べば、記憶を残したまま、この神域で私達と過ごし、クラウディアで起こる様々な事象の管理を、仕事として請け負ってもらう事になります。
どちらも、メリット・デメリットが有りますが、その説明は、その時が来たらで良いですよね?
今はただ、結愛の生きる未来に、幸多からん事を願うだけですね。
さぁ、結愛の精神を転移体に馴染ませましょう。
結愛は、安心して眠っていてね。
貴女は私の愛し子。
この眠りから醒めたなら、新しい生活が待っています。
楽しんでいらっしゃい。
「おやすみなさい、お母さん。………行ってきます………」
意識を手放す寸前に、出発の挨拶を呟いて、結愛は再び眠りの海に落ちました。
「行ってらっしゃい。私の愛しい娘。世界が貴女に優しく在る様に………」
結愛の額に、そっと御守りのキスを贈り、再びベッドへと結愛を寝かせます。
さて、転移体に馴染ませる間に、あの子達にも結愛を見せてあげなきゃね。
正式に会わせるのは、結愛がクラウディアに降りてから。
だって、身内として受け入れるには、相手の性格や言動を知ってからじゃなきゃ、感情的に無理だと思うもの。
うふふ。
きっと、あの子達は結愛を気に入るわ♪
だって、あの子達は私の分身の様なもの。
元々の好みが、私に似ているのは、確かですもの♪
私とラズと、娘達。
お互いが互いを思い合い、支え守れる、そんな家族になれたら幸せね♪
そんな家族になれる様に、私も素敵なお母さんになりましょう!
見守る事しか出来ずとも、世界の全てを慈しむ事は出来るのです。
どんな小さな生命でも、育まれる事無く消えない様に。
どんな形だとしても、愛情を愛情として受け取れる様に。
どうか、私の愛する全てのものが、幸せであります様に。
漸く、終わった~。
シア様視点は、これにて終了です。
長かった~。
次回から、ユナちゃん視点に戻ります!
が、スミマセン。
ストック切れたので、また暫くお休みします。
次回は、9月20日の予定です。
頑張ってストック増やして来ますね♪
ではでは、行ってきま~す。
(⌒∇⌒)ノ""