始まりに続く祈り…。『お願いします』
ただいま~♪
投稿再開でっす!
ただし、シアお母さん視点が続いてるので、数話分ユナちゃんの出番が……無い……かも?
いや、チョイチョイ脇役的に登場しますよ?
脇役……良いのか? コレ…。
相変わらず、説明文だらけです、切実に表現力と文章力が欲しいなぁ。
「3人とも、まずは相談も無しに、勝手に決めた事を、謝ります。
ごめんなさい。
近々、新しく【眷族】を増やすことになりました」
「「「……え? えぇぇぇっ!?」」」
クラウディアで【三柱の女神】と呼ばれる、私の【眷族】達を召集して、一息に告げた私の言葉に、私達にとって娘の様な3人は、少なからず動揺してしまいました。
彼女達には、私の世界【クラウディア】の調整を担ってもらっています。
【眷族】とは、【管理者】が自身の力の欠片と、自我を与えて生み出す、己の分身の様な存在です。
もう一人の自分だと言っても、過言ではないかも知れません。
とは言うものの、彼女達には私だけでは無く、恋人であるラズヴェルトの力も与えてあります。
つまり、彼女達は正確には私達の【眷族】です。
能力等は、生み出した【管理者】の10から20分の1と、全体的に高めになるのですが、万能型ではなく、得手不得手のある突出型を創る【管理者】が多く、彼女達3人も例外ではありません。
一部に秀でた突出型が基本的なのは、何人かを生み出し、各々の弱点を補う様にすることで、世界の安定を望む事が出来る為です。
世界の調整に必要な人数なら、何人でも増やせるのですが、最初に定めた人数以上を新たに創るのは、最初に生み出した【眷族】の能力では、対処しきれない場合が殆んどです。
例を上げるなら、先達の得意分野から逸脱した状況下や、安寧と滅亡の天秤がどちらか一方に傾き過ぎた場合ですね。
なので、3人が動揺するのも仕方ありません。
「私達だけじゃ、力不足なんですか? あれ? でも、『なりました』って。
『しました』ではないんですか?」
私に不安をぶつけながらも、言葉に若干引っ掛かりを覚えた様で、3人を代表して、生き物の発育調整を任せてあるフォーレが、質問を重ねます。
「ええ。『なりました』です。
事情があって、別の世界に暮らしていた女の子を、私が預かる事になりました。
彼女を預かったのは、20年ほど前です。
その時点では、器は損傷が酷く、破棄するしかありませんでしたし、精神体も消滅寸前の重傷でした。
あまりの惨状に、【浄化】を施す事も出来ず、僅かな衝撃でさえ、精神体が消滅しかねない程に危険な状態でした。
今は、私の加護を与える事で神域に留め、活性化で応急処置を施し、漸く【治療】作業を終えた状態です」
「「「なっ!?」」」
私が告げた【新しい眷族】となる結愛さんの現状は、私達の【眷族】が聞いても、驚愕するような物だった様です。
仕方ありませんよね?
器(身体)は、色や形を変える事はあっても、破棄する事はほぼ皆無と言える程ですから。
その上、精神体すら消滅寸前。
それがどれ程“異常な事態”なのか、3人はちゃんと理解しているはずですもの。
「彼女は、私達【管理者】の失態に、巻き込まれたのです。
事故とはいえ、理不尽に未来を奪われ、本来存在していた世界にも戻れず、自身は消滅しかねなかった。
その事実を伝えても、彼女は現状を受け入れてくださいました。
死して尚、自分よりも他人を優先している様な少女です」
結愛さんは、本当に優しいです。
笑顔は少ないですし、基本的に表情は変わらない様でしたが、彼女の纏う空気は、彼女の感情に影響され、色彩豊かに穏やかな変化を見せていました。
「私達が理不尽に奪ってしまった未来を、彼女はクラウディアで紡ぎ直すことになります。
時間をかけて【治療】を施したことで、精神体は健全な状態まで修復出来ましたが、器は新しく創るしかありません。
そのため、彼女は否応無く私の【眷族】と成らざるを得ないのです」
「成る程な。だから、『なりました』な訳ですか」
命の循環調整を任せてあるラメルが、納得した様に数度頷き、視線で話の続きを促してきます。
「ええ。彼女の精神は健やかであり、しなやかな輝きを秘めています。
何より、思いやりのある優しい女の子です。
私は出来る限りの救いの手を差し伸べるつもりです。
そして……可能なら、貴女達にも、彼女を助けてあげて欲しい…」
「…ぼく達も…?」
環境調整を担うリュニベールが、不思議そうに首を傾げました。
私は肯定の頷きを返して、考えを、思いを伝えます。
「貴女達を創った時、私にとって貴女達は娘の様な存在となりました。
それ故、同時に生み出した貴女達は、三つ子の姉妹の様な関係性を持っています。
関係性という点において、新しく【眷族】になる彼女は、貴女達にとって、妹の様な存在と言えるのです」
「妹、ですか?」「妹かぁ」「…いもうと…」
私が告げた【妹】という言葉に、3人がどう捉えれば良いのかと、不安げに確認している。
「ええ。妹です。
確かに、彼女は貴女達と同じ【眷族】となります。
ですが、能力は貴女達の3分の1から半分程度になる筈です。
クラウディアで暮らしていく内に、多少成長はしますが、それでも貴女達に追い付く事はありません。
これは、彼女と貴女達の生まれ方の違いのせい───」
クラウディアで三柱の女神と呼ばれる3人は、元々は私の力の欠片から創りました。
それが従来の【眷族】の生み出し方──後から他の【管理者】の力を与える事も可能──なのです。
ですが、結愛さんは、事故に因り破棄するしかなかった身体を、私が創り直す事で【眷族】へと問答無用で変化させてしまう訳です。
従来の【眷族】よりも、与えられる能力が弱くなるのは、仕方の無い事ではあります。
本来なら、身体と自我、両方を【管理者】が創ってこそ【眷族】なのですから。
だからこそ、可能ならば、3人には彼女を受け入れ、私達と共に結愛さんを守ってもらいたいのです。
どうしよう……。
シア様視点が長い…。
序章の裏話的物語なので、序章と同じか、それよりちょっと長くなるかな?
………。
ぁ、序章って、文字数が今の倍だったんだ……。
そりゃ、長くなるわ! ι(`ロ´)ノ
スミマセン。
(-""-;)
倍の話数で終わるかなぁ~。
終わると良いなぁ~♪
σ( ̄∇ ̄;)