世界でも最上級の強者!? 私が知ってるのは、奥さん大好きで娘馬鹿な美人さんデスヨ?
うわぁ~~~ん。
ストック無いとキツイ~。
。・゜゜(ノД`)
逃げて良い?
逃げても良いかなぁ…。
───ギィィィ……。
──パタン…。
「その子はね、私の愛娘だよ♪」
扉が開く音に振り返れば、にっこり笑顔のお父さんが、閉めた扉に背中を預けて佇んでいました。
笑顔は傾国の美女も斯くやといった美しさなのに、お父さんの周りには極地的雪嵐。
氷河期到来ですか!? と錯覚するほど、気温低下が激しいです!
私とお話していたお兄さんだけでなく、ウゴウゴと声も出せずに蠢いていた他のミノムシさんまで、ピシッと凍らせた様に動きが止まりました。
………。
ぉ、お父さんが恐いです!?
にっこり笑顔なのに…。
傾国の美女も敗けを認めそうな美人さんなのに…。
いや、お父さんには「私は男だから、“傾国の美女”は誉め言葉じゃ無いよ!?」と、以前軽く叱られたので、言葉にはしません(出来ない?)けどね?
「ぎ、【銀雷】!? なんで、あんたが此処にいる!?」
「おや? 私が自宅に居てはいけませんか? ようこそ、我が家へ」
?
ぎんらい?
お父さんの事ですか?
お父さんは“ラズヴェルト”お父さんデスヨ?
疑問符を浮かべる私に、お父さんと一緒に来てたフォーレお姉ちゃんが、教えてくれました。
お父さんは、クラウディアの冒険者で、数少ないトップランカーの1人なんだそうです。
しかも、人族ではただ1人の、生きる伝説なんて云われてる、Sランク冒険者。
【銀雷】っていうのは、お父さんの二つ名で、雷の様に瞬きの間に敵を打ち伏せる姿と、余りにも速い動作故に、銀の髪が靡く残像だけが印象に残ることから、付けられた呼び名なんだって。
他に【星彩閃輝】って呼び名もあって、これも寒色系とはいえ銀、青系、金茶──青銀に一房だけ水色の髪と、蒼と金茶の瞳──と彩飾鮮やかな容姿と、しなやかで優美な体捌きから放たれる、光速の剣技から来てるらしいです。
広く知られているのが【銀雷】。
名前だけでも畏れられる程、あちこちに武勇伝が残ってるそうです。
逆に、【星彩閃輝】の方は、人族以外の強者達の間で知られていて、竜族の盟友だとか、現人神などと畏怖されつつも、手合わせを望まれたりしてるみたいですね。
私はまだ見たことが無いのですが、戦う姿はひらひらと舞い踊る蝶々のようだと有名なんだって。
因みに、二つ名が付くのは、トップランカーと呼ばれるAAランク以上の冒険者で、AAAのお母さんも、【鱗恍咲華】とか【黎明】って呼ばれてるらしいよ?
【鱗恍咲華】は、基礎魔力の多さを下地に、手数の多い魔法乱射──幾つもの魔法が、視界を朧気にする程──の戦闘方法と、人外染みた美貌を讃えて付けられた物。
【黎明】は、朝焼けと陽光を思わせる容姿と、短時間で敵を殲滅し、暗雲を払うといった意味合いから。
広域で知られているのは【黎明】の方だけど、「奴の逆鱗に触れれば、【鱗恍咲華】を身を以て知ることとなる」なんて言われてるんだって。
「─っ。嘘…だろ…。なんで、【銀雷のラズヴェルト】が、こんなチャチぃ依頼に、関わってくるんだよ……」
絶句して、青を通り越し、完全に血の気の失せた青白い顔で、悪者のお兄さんは、力無く呟きました。
?
依頼?
よく分かりませんが、リムに酷い事をしたのは、誰かに頼まれたんですかね?
「ユナ、こんなの家に入れちゃ駄目だよ?」
「…ごめんしゃい…。…でもっ!」
「ふふ。しょうがないなぁ。ユナは優しいね。
倉庫なら、良しとしようか。レグルス、見張りを頼むよ。
おかしな行動をとるようなら、容赦はしなくて良いからね♪」
あう~っ。
やっぱり叱られました…。
でも、外は大分冷え込んできたみたい。
被害者が気にしてないなら、今以上の報復はしなくても良いよね?
衛兵さん達に引き渡せば、国の法律に沿った刑罰も与えられるはず…。
私までが、悪者さん達を裁く必要性は無いんじゃないかなぁ。
余計な仕事を増やしちゃったから、レグルスにはちゃんと謝ります。
私の我儘に付き合ってくれて、ありがとう。
「おとぉしゃん…ごはん、あげちゃ、メ?」
「ん~……まぁ、良いよ。ただし、拘束している影荊は、はずしちゃ駄目だよ?」
「はぁい!」
よしよし。
お父さんの許可が取れましたよ♪
晩ご飯のシチューと、バターロールを食べさせましょう♪
アボカドチーズのチョップドサラダも食べますか?
いやいや、手が使えない以上、私が食べさせないといけません。
サラダの代わりは、海老の生春巻が良いですね♪
これなら、食べさせ易いし、私の手も汚れませんからね。
「仕方無いなぁ。私も手伝うよ。ユナだけじゃ、8人に食べさせるのは大変だもん」
いそいそと準備を始めたら、お姉ちゃんがお手伝いを、名乗り出てくれました。
確かに大変ですが、お姉ちゃんは悪者さん達に触るのすら嫌だったはずです。
良いのかな…。
「大丈夫、大丈夫。触らなくても、魔法で出来るよ。
魔法操作が面倒なんだけどね…。
そうだ! 丁度良いから、ユナも一緒にやってみて。
魔法操作の練習になるし、ユナにも出来る限り、犯罪者には触って欲しくないもん」
ギリギリ…ギリギリです…。
締切に追われる作家さん……凄ぇ。
いや、アマチュア処か、一般人が何言うかって感じですが……。
強迫観念、半端無い!
ヘタレ作者には、「コレ辛い」です。
でも、ヘタレ故に、頑張るしか出来ない…。
(-""-;)
潰れたらスミマセン。
7話投稿が出来ることを、祈ってやってください。