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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第5章─森のお友達♪ もふもふ、スベスベ、どんとこいです!
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ドラゴンさんを救え!? みっしょん、こんぷりぃと♪

 ───キュォォォォォォン。


『ユナ、方向は?』


「あっち!」


 レグルスの背中で、声の聞こえる方向を確認されて、お日様が沈む方角を指示します。


 声は言葉になっていないのに、「放して」「痛い」「助けて」と、私の心に直接響く感情の様な波があります。

(今、行くから……直ぐ、行くから……)

 心が助けなきゃという思いで、いっぱいになっていく。

 長い様で、ほんの僅かな時間を、焦れる気持ちを抑えながら、私達は一気に駆け抜けた。



 *~*~*~*~*



 ─キュァァァァァ。


 間近で聞こえた鳴き声に、レグルスが急停止して、辺りを探ります。


 ?

 洞窟?


 少し開けた場所に出る直前、繁みや藪に身を潜めて、声が聞こえてくる洞窟? の様な物の様子を窺います。

 私達の視線の先には、岩と土で出来た“かまくら”みたいな洞穴が……。

 フォーレお姉ちゃんの言うドラゴンの声は、そこから響いてきます。

 相変わらず、甲高い胸に迫る様な声。


 ───キュォォォォォォン。


『いるな…。ドラゴンの幼生体だ』


『なんという事を……』


『うわぁ~。何してくれてるのかなぁ~? 潰して良い? 潰して良いよねぇ?』


 魔法でかまくらの中を探っていたレグルス達が、鳴き声の主の所在と状態を、確認したみたい。

 シリウスは絶句し、アルタイルは怒り心頭。

 唯一冷静なレグルスからも、魔力が陽炎の様に薄く揺らいで立ち上っています。


 3匹とも、()る気満々ですね…。

 いや、私もちょっと……怒りの限界値が振り切れそうな感じですけどね?

 最初、私に及ぶ危険性から、近付くのを反対してたお姉ちゃんまでも、表情が抜け落ちる程、探知した状況に怒気を隠せずにいますよ。


「まさか、ドラゴンの巣穴に入り込むお馬鹿さんが居るとは、思わなかったわ」


「どらごんのすあな?」


『さよう。あの洞穴は、竜族が造る巣穴の入り口だ』


『中は、そう複雑な造りではなく、思いの外広い空間が造られている筈です』


『ドラゴンの巣って、広いんだよ♪』


「取り敢えず、状況は把握出来たわ。

 あの巣穴の主が、幼生体であることを知って、お馬鹿さんな盗賊か、冒険者崩れが、売却目的で捕獲しに来てるのね。

 竜族全体を敵に回す覚悟は、出来てるのかしらね?」


 洞穴について、それぞれが教えてくれている間に、お姉ちゃんの周囲の温度が、ゆっくりと低下していってます。


 あ~。

 お母さんや、お父さん、リュニベール姉様と同じ怒り方ですね♪

 にっこり笑顔で、お目めだけ笑ってません。

 周りの空気が、冷たく重くなっていく様は、“肝が冷える”という感覚を、如実に体感させてくれます。


 お姉ちゃん……恐い……。

 でも、笑顔が素敵で、格好良いです♪

 物語の英雄(ヒーロー)ってこんな感じでしょうか?

 え? 違う?


 まぁ、兎も角。

 さっさとドラゴンさんを助けましょう♪

 お姉ちゃん曰く、ドラゴンさんを捕まえてるのは、悪い人認定で大丈夫らしいですから。

 ドラゴンさん、怪我とかしてないといいんだけど……。



 *~*~*~*~*



 ───ガヅッッ。

「ぐっ!? てめぇら、何しやがった!」


 ──ゴッ、ドスッ、バシッ。

「ぐあっ」「おぐっ」「ぶほっ」


 洞穴の中では、大人の男の人の物らしき声と、戦闘音らしき物が、途切れ途切れに聞こえてきます。

 ドラゴンさんの救援の声は、もうありません。


 只今、私は洞穴の外で、オロオロ、ソワソワ、挙動不審な小動物と化しています。

 だって!

 レグルス達ってば、私とお姉ちゃんを置いて、洞穴へと突入しちゃったんです!

 置いてくなんて、酷いです!

 レグルス達の後に続こうとしたら、お姉ちゃんに羽交い締めにされちゃうし…。

 うわぁぁん、ドラゴンさ~ん、無事ですかぁ。



 *~*~*~*~*



 暫くして、全部の音が止みました。


 ──ズ………ズズッ……ズリズリッ。

 ─ドサドサッ、ベチョッ、ボテッ。


 ………。

 ……。

 …。


 ? ヒト? 人ですか?

 なんか、物凄くズタボロの物体を、レグルス達が洞穴の外へと、引き摺って来ました。

 私とお姉ちゃんの目の前には、ズタボロな人族の小山が出来た。

 え~と、にぃ、しぃ──8人?


 洋服は、あちこち破け、所々肌色や鈍い赤色が、覗いてます。

 誰1人意識が無く、3匹が揃って容赦しなかったのが、丸分かりです。

 運ぶのも嫌々だったのか、エディお兄ちゃん達にする配慮が、全くされてません。

 うやぁ~。

 あちこち傷だらけだぁ~。

 いや、正確には、引き摺って来たのは、レグルスとアルタイルで、シリウスはゆっくり優雅に戻って来ましたよ?


「あ、どらごんしゃん!」


 シリウスの背中に、深紅のドラゴンさんが鎮座してました。

 ちっこいです。

 アルタイルの半分くらい?

 まぁ、それでも、私と同じくらいの大きさな訳ですが…。

 私の知ってるドラゴンさんは、もっと大きい生き物だったんですけど…。


 ─キュゥイッ。


「!? どこもケガしてにゃい? みんなも、だいじょうぶ?」


 嬉しそうな鳴き声に安堵して、洞穴へと飛び込んだ3匹諸共、安否確認を開始。

 あちこちをペタペタ触りながら、怪我の有無を確認しますよ。

 魔法で確認すれば早いけど、体温を直に感じられる触診の方が、私的には安心出来ます。



 *~*~*~*~*



「ん、よっと。完成~ぃ♪」


 触診を終えると、私がスルーした、ズタボロな小山を、お姉ちゃんが魔法で簀巻きにしてました。

 大きなミノムシさんが、8匹。8体?

 え~と、どうしよう…。


 運ぶ?

 運ぶの? コレ…。


 巨大なミノムシさんを前に、途方に暮れたのは、仕方が無いと思います。

戦闘シーンを書くの…苦手です…。

(;¬_¬)


平和主義なユナちゃん達に感謝!

作者が苦手シーンを回避しても、ユナちゃんに荒事を見せたがらない、レグルス達のせいに出来る~♪

ヤッタネ♪ (o≧▽゜)o


………。

ヘタレ作者で、スミマセン。

m(。≧Д≦。)m

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