そう言えば、スキルに【無限収納】あったけど…。
さてさて、調べておきたい事は、生活空間の安全性と、私達自身の事、それから1番大事な、お母さんとの連絡方法!
まずは、1番大事な事から始めよう。
という訳で、3匹に聞いてみます♪
他力本願は、お子様の基本です♪
「おかあさんとお話するのって、どうすればいいの?」
『簡単だよ~。【無限収納】に、【女神像】ってのが無い? それに向かって祈れば、スキル【神託】が働いて、フェリシア様と話せる筈だよ? お顔は見れないけどね』
アルタイルが、率先して教えてくれました。
そう言えば、ユニークスキルに、お母さんがくれた【無限収納】も在りましたね。
魔導鞄があったから、忘れてました。
お母さんも、後々必要になるかもと言っていたので、既に幾つか、荷物があるかも知れませんね。
要確認ですね。
「ふぉあっ!」
うにゃっ! 変な声出ましたよ?
ユニークスキル【無限収納】恐るべしっ!
何か、いっぱい入ってますよ?
とりあえず、スキル【解析】を使って、性能を確認しましょう。
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【無限収納】 固有技能
時魔法と空間魔法を、レベル10(神業)まで極めると、取得出来る技能。
空間魔法で造った空間の為、容量制限、個数制限が、基礎保有魔力に比例する。
時魔法により、時間の経過に干渉し、収納品の腐敗や老朽、腐朽等の劣化現象を無効化。
備考:称号【女神の愛娘】の効果により、殺菌・除菌機能が追加。収納品には、身体に害を成すものは、いっさい寄せ付けない。
──────────
あぁ、テンプレ的な、魔法収納ですね。
チートだけど……。
私の基礎保有魔力は、無限大です。
お母さんの娘であると同時に、眷族なのですから、当然らしいです。
なので、基礎保有魔力に関する項目のある、魔道具やスキルなら、私は最大効果を引き出せます。
その上、心配性のお母さんのおかげで、殺菌・除菌効果も付いたみたい。
うん。お母さん、ありがとう♪
はてさて、中身は……と。
*~*~*~*~*
まず、お金。
わぁ、魔導鞄にあった以上の金貨が、入ってます♪
硬貨以外にも、板まであるよ?
金板1枚で10億円の価値があるのに、何枚かあるみたいデスヨ……。
金塊(1本で100億円)も幾つかアッタヨ……。
現実逃避させてください!
こ、怖くて確認出来ない。
と、取り敢えず、硬貨だけ使うようにしましょう。
硬貨なら、最大でも1億円………駄目です………。
虹金貨(1枚で1億円)と白金貨(1枚で1000万円)も、封印しなきゃ。
大金貨なら、1枚100万円だから、大丈夫ですかね?
いや、駄目ですね。感覚が麻痺しかけてます。
金貨までの使用が限界です……。
それだって10万円と、3歳児が持ってる様な金額じゃないです……。
怖いので、お金はそのまま、死蔵決定です!
使う分だけ、魔導鞄のお財布に移して、使うのが現実的ですね……。
次は、装備品です。
武器や防具が、数100種類。
お母さん、加減とか自重とかって言葉を、どっかに投げてます。
これは、工房じゃないと、危なくて整理出来ません。
ローブなんかの衣類装備や、アクセサリーなんかの装飾装備ですら、魔法付与がされているので、専用の仕事場以外で、大量には出せません。
相乗効果が、恐いです!
薬も在りますね。
ポーションをはじめ、軟膏や湿布、丸薬や粉末などの飲み薬と、様々な薬があります。
どれもランクは、最高品質の【王冠】です♪
お手本にして、調合練習をしてみましょう!
良いものが、作れる様になりたいものです。
次です! お水です♪
これも、いっぱい在りますね。
樽で(空の物も幾つか)在りますよ!
魔導鞄にあった、藍色の水筒と同じ、魔道具ですね。
まぁ、お水はいっぱいあっても、困りません。
腐る心配も、重さの心配も、不要みたいなので、これもこのまま、しまっておきましょう♪
あとは、食料ですね。
世界中の食材と、ハーブやスパイス等の香辛料。
調味料も、各種とり揃えられてます!
*~*~*~*~*
……………。
ゆっくり見るには、時間が足りません。
なので、今はとりあえず、【女神像】を取り出しましょう♪
初志貫徹(?)です!
※ デスマス口調になる程、混乱中?
*~*~*~*~*
ありました~!
わぁ、お母さんそっくりだ~♪
胸の前で手を組む、西洋の御祈りの姿勢の立ち姿です。
真っ白で、貴重な石で、造られてる。
が、石は石。
取り出した女神像は、3歳児の私では、持ち上げることも不可能な重さですね!
取り出した女神像を、ソファで抱えつつ、ついつい遠い目になった。
『ユナ、私が運びましょう。失礼致します、フェリシア様』
元の姿に戻っていたシリウスが、啣えて移動させてくれた。
ソファセットのテーブルは、低めに作られるものなので、そこに置かれたお母さんの石像は、ソファに座ったまま向き合って、丁度お顔が見える高さがあります。
「え~と。この“ぞう”に“おいのり”すれば、おかあさんとお話できるんだね」
『その筈だよ~?』
「じゃ、やってみるね!」
御祈り………。
御祈りって、そもそも何を考えれば、よいのかな?
とりあえず、御祈りの姿勢は、簡易式で大丈夫らしいので、ソファに座ったまま、胸の前で手を組んで、目を閉じてみよう。
*~*~*~*~*
ん~。
『お母さんに、声が届きます様に………』
『結愛~。ごめんなさいっ!』
『ふぇっ! え、お母さん?』
『ええ。私よ、フェリシアよ。ごめんね、結愛。持たせた荷物、多過ぎたでしょ? 結愛が困らない様にって、他の管理者と一緒に、いっぱい入れ過ぎた事に、結愛が出掛けてから気が付いたの。私が結愛を困らせたら、本末転倒よね……。ホントにごめんね』
『ぁ、やっぱり、多かったんだ。ついさっき、【無限収納】を確認して、びっくりしたよ~』
『私でも、渡した荷物の内容把握が出来てないから、数が多過ぎて整理仕切れないんじゃないかって…。ごめんね、結愛』
今にも泣き出しそうなお母さんの声に、私は苦笑しちゃいました。
『お母さん、大丈夫だよ? とりあえず、お出掛けに必要なのは、魔導鞄にあるし、生活必需品や食品なんかは、お母さんが準備してくれてたお家に、全部揃ってたから、荷物整理はゆっくりで大丈夫だもん』
『有難う。そう言って貰えて、気持ちが楽になったわ。そうそう、お家にあった生活必需品や食品は、元々は【無限収納】に入れておいた物なの。いちいち荷解きするのって、大変でしょ? 結愛がちょっとでも楽になればって、【無限収納】と結愛の持ってる【私のお城シリーズ】を、同期させてみたの。だから、縮小する時も、荷物はそのままで大丈夫よ♪』
『ふぉぉっ! 凄~い。便利だねぇ』
『ふふっ。でしょう♪ それと、【無限収納】に入れた魔道具は、耐久値なんかの固定は出来ないけど、消費した物の補充は、随時可能な物を、1番多く用意してたの。だから、魔道具の耐久値が続く限り、素材や食材、お薬なんかは、暫く無くならないと思う』
『ええっ! そんなに貰って大丈夫?』
『大丈夫よ。世界に干渉した訳では無いし、結愛が【特異点】になるような危険な物は、いっさい持たせてないもの。結愛にあげたスキルだって、攻撃的な物はほとんど無いし、身体能力だって、人族としては逸脱してても、私の眷族としては弱いのよ? だからこそ、結愛を物理的に守れる3匹が、選ばれたんだもの』
『そっか。ありがとう、お母さん』
『うふふ。どういたしまして♪ ………あら? 結愛、お家の防御結界は起動しないの?』
お母さんが不思議そうに、聞いてきます。
だけど、防御結界の発動には、別売りの柵(魔道具)が必要だった筈ですよ?
『ん? 柵がないと無理だよね?』
『? ……ああっ、そっか! 結愛、柵なら【無限収納】の中だわ。魔導鞄に入り切らなくて、そっちに収納したの。まだ、見付けてなかったのね。先に教えるべきだったわ』
なんとっ!
柵があるなら、使うべきだよね♪
『分かった! お話が済んだら、早速起動しておくね♪』
『それがいいわ。森に住む動物たちならまだしも、魔物も皆無ではないから、安全には気を付けてなきゃ駄目よ?』
『うん。気を付ける! じゃあ、先に柵を設置しちゃおうかな? 夜にまた連絡してもいい?』
『勿論よ。出来るなら、朝と夜に挨拶だけでも、声を聞きたいわ♪ 連絡方法は……どんな物でも大丈夫なんだけど、私を示すもの……基本的には、教会にある女神像なんかが無難かしら? それに向かって祈れば、結愛の声なら、私に届くわ』
『じゃあ、今御祈りしてる女神像を、私の部屋に運んで、朝起きた時と夜寝る前に、御祈りするね♪ そしたら、毎日お母さんとお喋り出来るんだね♪』
『ふふっ。そうね♪ そうしてくれたら嬉しいわ♪ さ、待っているから、お仕事を終わらせてしまいなさい♪ 晩御飯も、ちゃんと食べるのよ?』
『は~い。頑張ります! じゃあ、また夜にね♪ 行ってきます。お母さん』
『気を付けて、行ってらっしゃい』
*~*~*~*~*
御祈りを終えて、再び【無限収納】を確認する。
荷物の確認と、お母さんとのお話で、1時間くらい。
急がないと、夜になっちゃう!
『何してるの?』
アルタイルが、不思議そうに私の手元を覗き込む。
「ん~。おうちのぼうぎょきのうはつどうようの“さく”が、これにしゅうのうされてるらしいんだけど…。さがすのが…」
ユニークスキル【無限収納】を使うと、目の前(ちょっと視線を下げる感じ)にステータスと同じ様なウィンドウが開く。
ステータスのは薄青いが、【無限収納】のは薄い黄緑だ。
呼称は、【アイテムウィンドウ】って言うらしい。
シリウスが教えてくれた。
アイテムウィンドウは、【無限収納】に入っている持ち物のリストです。
ただし、アイテムの名前が、無作為に並んでいるので、使い勝手が悪い。
任意でウィンドウのカスタム化が可能らしいので、落ち着いてから、使いやすく改造しちゃおう♪
とりあえず、今は“柵”を探します!
『そこの、ローブと樽の間のヤツではないのか?』
おや?
ぁ、おはよう、レグルス。
右側から覗き込んでたアルタイルとは逆側から、さっきまで寝てたはずのレグルスが、ソファの背凭れ越しに、ウィンドウを覗いてた。
「え? どこ? どこ?」
『そこだそこ。【隠者の安息(ローブ・黒)】と【水の入った樽】の間だ。【お気に入りの庭】とかいうのがあるだろう?』
「へ? これ!?」
『そうだ。前にフェリシア様が、言っていた。「【私のお城シリーズ】と【お気に入りシリーズ】は、組み合わせてこそね♪」と』
「ふぇぇ!?」