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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第5章─森のお友達♪ もふもふ、スベスベ、どんとこいです!
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取り敢えず……私の心配と、覚悟を返してください。

峠岬(作者)にシリアスは向いてない…。

いや、描けないのか?


相変わらず、ユナちゃん達が、勝手に暴走します。

いや…ユナちゃんていうか、その周り?

 ………。

 え……と。


 現実逃避もあってか、少し前のリュニベール姉様との実地勉強会の内容が頭を過っている間に、目前の状況が何やら凄いことに…。


 結論から言えば、脅威は去った?

 いえ、正確には、食屍鬼(グール)はまだ近くにいます。

 ですが、状況としては、安全の確保は出来たのだと思います…。


 目の前では、旋風(つむじかぜ)の強化版を丸めた風の大玉を、レグルス、アルタイル、シリウスの順に、立体的な三角形を作るように、高速パスを廻して遊んでますから。


 ………。

 脅威って……何でしょうね。

 出来ることなら、ドウシテコウナッタと突っ込みたい。


 私が見たものを、詳細に語るなら、最初に動いたのは、レグルスでした。


 少し強目に魔力を放出して、食屍鬼(グール)へと打ち当て、魔力放出と同時に、吹き飛ばした食屍鬼の先回りをして、飛んで来た食屍鬼をキャッチ。

 この間のレグルスの動きは、目視出来ないほど速かったです。


 次いで、体勢が完全に崩れていた食屍鬼を、流れ作業の様に風の膜(旋風の強化版)で囲い込み、食屍鬼の入った風の大玉を作ったかと思えば、それを猫パンチ…もとい、天虎パンチで空高くへと打ち上げました。


 風の精霊さん達が、面白がって力を貸していたので、思いの外勢い良く上昇した風玉を、勢いを殺さずにアルタイルが爪でキャッチ。

 その勢いを利用して、空中で縦回転したかと思ったら、地上に向けて弾丸の如く打ち出しました。

 ………。

 アルタイル、それは鳥さんの動きではないと思いますよ?

 怪我とかしないんでしょうか…。


 あり得ない勢いで、直線落下してきた風玉を、今度はシリウスが、地面に着くギリギリで、尻尾で真横に弾きました。

 痛くないのかと思えば、尻尾は魔力で硬質化させているらしく、淡い水色に輝いています。


 弾かれて勢いを増す風玉は、再びレグルスの元へと戻った途端、レグルスの天虎パンチにより、再度上空へ。

 これを延々と繰り返しているんです…。


 あの……その風玉……中に食屍鬼(グール)が入って……。

 脅威って言われてるはずの……魔獣化した魔物さん……。

 ………。

 ……。

 …。

 まぁ、いっかぁ。







「ねぇね…お茶する?」


「…そうね。あっちは楽しそうだし、私達も楽しみましょうか。

 元々、今日は遊びに来たのだし」


 レグルス達の行動に、毒気を抜かれ、緊張感が何処かへ吹っ飛びましたね。

 思わずフォーレお姉ちゃんを見上げて、少しずれているかも知れない提案をしちゃいましたよ。

 弛緩した空気に、ちっちゃい動物さん達も、再び私やフォーレお姉ちゃんに寄って来ます。

 気を失ってた子達も、意識を取り戻して、私の腕から抜け出し始めました。


『『『あ』』』


「「え?」」


 足元のちっちゃい動物さん達に気を取られていたら、3匹の唖然とした声がしました。

 何かあったのかと、お姉ちゃんと同時に振り向けば……。


 !?

 ふぎゃっ!?

 風玉がこっち来るぅ~~~!?


 焦って固まる私の目の前に、赤と黒のふわりとした壁……じゃなくて、お姉ちゃんの背中が現れた。

 と、同時に……。


「ていっ!」


『お~♪ フォーレ様、ナイスバッティング♪』


 お姉ちゃんが身体全体を使った、見事なフルスイングで、向かって来た風玉を、お花畑の向こうの森の上空へと弾き(打ち?)返した。

 お姉ちゃんの手には、いつの間にか、御伽話の魔法使いが持つような、武骨で粗削りな杖が握られていて、よく見れば、魔力で強化しているのか、身体も杖もうっすらと淡い色の光に包まれています。


 アルタイルの合の手に、お姉ちゃんがサムズアップしてますね。

(クラウディアにも、サムズアップってあったんだなぁ)

 なんて、森の向こうに消え行く食屍鬼(グール)入りの風玉を見送りながら、どうでもよい様な事が、頭を過りました。


『ごめんよ~。目測を間違えちゃったよ』


『すまん。勢いが付き過ぎていたな』


『申し訳ありません。お怪我はありませんか?』


「大丈夫よ♪ あのくらいなら、理の範囲内での能力行使で、充分対処出来るもの♪

 さ、お茶にしましょう」


 どうやら、レグルスが打ち返しの加減を誤り、アルタイルも軌道修正に失敗したので、風玉がシリウスを大きく迂回して、私達に向かって来たみたいです。

 連繋が崩れたせいで、シリウスの反応速度以上の加速が起きちゃったんですねぇ。

 でも、咄嗟の判断が出来るお姉ちゃんは、やっぱり凄くて格好良いです♪

 フォーレお姉ちゃん、大好き♪



 *~*~*~*~*



「あい、ねぇね。どうじょ」


「ありがとう♪」


 食屍鬼(グール)も片付いて、一段落が着いたので、本日二度目のお茶にしましょう♪

 片付け忘れていたラグマットに座り直し、再びお茶を淹れた。

 今度は雪花茶。

 クラウディア独特のお茶で、柔らかなお花の香りのお茶です。

 砂糖を入れなくても、まろやかな甘味のあるお茶で、リラックス作用のある薬草茶でもあります。


 お茶菓子には、甘い物よりしょっぱい物を用意すべきかな?

 クラッカーやプレッツェルでいいかな?

 ディップソースを幾つか用意して、新鮮野菜や、ハムにチーズ、果物も一口大に切って、彩り良くお皿に盛り付けてあります。

 好みの物を乗せて食べれば、楽しいですよね♪

 甘い物は、ジャムとクリームも、数種類用意してありますから、問題無しです。


 ………。

 ハッ!

 また、やっちゃった…。

 加減を考えようよ、私!?


 今日は、夜ご飯は抜くべきかしら?

 お茶菓子だけで、再びお腹がいっぱいになりそうな気が……。

 軽食を用意したのは、完全ナル失敗デスネ。


「どうしたの?」


「ねぇね…どうちよう…。おにゃかイッパイで、ごはんがたべらんにゃい……」


「あ…」


 軽食を見つめて固まった私を、お姉ちゃんが心配してくれましたが、私が固まった理由を聞けば、お姉ちゃんまで固まりました。

 本当にどうしよう…。

 お昼に夜ご飯…2度もご飯よりお茶菓子なんて……。

 お父さんに怒られちゃいますよね?

皆、クラウディア最強に近いからね~。

シリアスさんは、どっかにトンズラしちゃうみたいです…。


そして、ユナちゃんは、深く考えるのが苦手らしい。

峠岬(作者)もですけどね?

(^ー^;A

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