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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第5章─森のお友達♪ もふもふ、スベスベ、どんとこいです!
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危機的状況? 非日常を乗り越えるには、日頃のお勉強が大切です♪

ちょこっとシリアス?


不快な表現があったらスミマセン。

お父さん登場の頃と、そう変わらないとは思いますが、ご注意下さい。

 穏やかに過ぎる時間を、不穏な空気が襲います。

 急速に迫るその気配は、暗雲と重圧を纏い、不安を煽ります。

 長閑な雰囲気を掻き消したのは、覚えのある重苦しくて嫌な濃度の障気でした。

 皮膚に纏わりつく、嫌悪を抱かせる濃密な空気と、呼吸を困難にする、濁って澱んだ障気。

 お母さんの世界(クラウディア)において、異質としか思えない程に、違和感を助長するその感覚は、以前に一度だけ体感した覚えがある。


『…アンデッドか』『アンデッドだねぇ』『アンデッドですね…』


 言外に『またか…』といった雰囲気を感じさせながら、レグルス達は早々に迎撃体勢に入ってます。

 お父さんに初めて会った日。

 お父さんに出会う少し前。

 あの時に感じたのと同じか、それ以上に嫌な感じがします。


「ねぇね…」


「ん~。大丈夫だと思うよ?

 あの子達なら、怪我一つ無く倒せるでしょ。

 それに、私が一緒にいるのに、ユナに怪我なんてさせるもんですか!」


 不安に駈られて、フォーレお姉ちゃんにすがれば、頼もしい宣言が、答えとして返ってきました。

 お姉ちゃんが、格好いいです!

 でも。


「レグルスたちもりゃけど、ねぇねもケガしにゃいで…」


 私を守る為に、誰かが傷付くのは見たく無いです。

 偽善的な感情だとしても、大好きな人達が怪我をするのは、絶対嫌なんです!

 そんな場面を見るくらいなら、私だって戦いますっ!


 非日常は恐いけど、それ以上に、何もしないで、大好きな人達の負担になるのだけは、ごめん被ります!


 恐怖による震えは、なかなか抑え込めないけれど、気持ちだけなら、強く出来るよ。

 お母さんが、「魔法は思い描く力そのもの」だって言ってたもん。

 こうしたい、ああなれと強く思えば、私の思いと言葉に、世界の魔素が反応してくれるはず。


 先程まで一緒にいたちっちゃい動物さん達は、恐怖に固まり、そこかしこで気絶したり、障気から離れるように逃走したりと、辺り一面パニック状態です。


 取り敢えず、気絶しちゃった子達を助けなきゃ。

 風の魔法を使って、少し遠くても、皆を回収します。


「貴女達も避けなさい。折角綺麗に咲いたのに、簡単に枯れたりしたら承知しないわよ!」


 お姉ちゃんの宣言に、お花畑のお花さん達が、一斉に私達の後ろへと、自力で退避しました。

 お花畑に来た時と同じ様に、ワラワラと自立歩行で移動してます。

 思いの外速いのは、ご愛嬌ですね。


 ちっちゃい動物さん達を回収し、お花さん達が避難を終えれば、綺麗な更地が出来上がり、それを待っていたかの様なタイミングで、障気の大元が姿を現しました。


 以前に出会ったリビングデッドは、腐臭を撒き散らしていましたが、今回のアンデッドも、負けず劣らずといった感じに、死臭を纏って現れました。


食屍鬼(グール)


「うわぁっ。面倒臭いのが出たわねぇ」


 現れた魔物さんを見た途端、お姉ちゃんが顔をしかめました。


 まぁ、確かに、ちょっと面倒臭い魔物さんであるのは、事実ですけどね?

 以前お父さんにアッサリ倒されたリビングデッドは、知恵といったものを持たない、アンデッドの中でも低位の魔物さんでした。

 が、今回の食屍鬼(グール)は、多少とは言え考える力があり、一歩対応を誤れば、リビングデッドの比では無い脅威となり得ます。

 普通なら(・・・・)ですが。


 ………。

 うちの家族は……普通じゃ…ナイデスネ。ハイ。


 ──ギュアァァァ、グルルルルッ。


 ぁ、マズイですね……。

 あの感じだと、魔獣化してます。


 クラウディアには、種族として魔物さんが存在しています。

 魔物さんは大きく分けて(・・・・・・)三種類。

 どの種類でも、一方向に特化しているのが特徴かな?


 まずは、温厚で友好的な種類。

 海洋種や有翼種、妖獣種なんかが有名ですね。

 このタイプは、人族や獣人族、妖精族や竜族なんかとも、穏やかな関係を維持していて、互いに交流もあるので、一般的には一番馴染み深い魔物さんです。

 他種族で子供と判断される幼体を“宝”としていて、とても大切にするタイプでもあり、情が深く仲間意識が強いんだって。


 次は、狂暴で攻撃的な種類。

 巨人種や合成種、鬼人種がこの種類に相当します。

 このタイプは、知能の低い者が多く、我欲が強い為か、他種族からは敵対される事が多いです。

 増えすぎて──他種族を拐って繁殖するためか、繁殖率が異常に高いので──間引かれたり、他種族を襲って討伐されたりと、個体の増減(・・・・・)が激しい。

 リュニベール姉様曰く、「…悪意は無い。…良く言えば…本能に忠実、率直に言うなら…後先考えない…単純馬鹿…」だそう。


 そして、最後の1つが高飛車で享楽的な種類。

 吸血種や死霊種、悪魔種などの所謂アンデッド。

 個体数が圧倒的に少なく、反比例するかの如く強い魔力を持つ魔物さんです。

 知性と個体数が反比例するのも、この種類の特徴ですね。

 その上、この種類は、プライドや自己評価の高過ぎる(・・・)者や、個人的な目的の為に手段を選ばない者が多く、三種類の内、一番扱いに困る種類でもあります。


 三種類に当て嵌まらない魔物さんも、勿論います。

 稀ですが…。

 昆虫種や植物種がそうです。

 縄張りを荒らされない限りは温厚ですが、外敵には容赦が無い上に、毒持ちの魔物さんも多いので、先の三種類だと判断が難しいですね。


 本来、魔物さん達は、妖精族や獣人族と同じ様に、それぞれ同種で集落を作り、静かに暮らしているはず。

 だけど、稀に“闇落ち”して、単独で動く狂暴化した個体が現れます。


 魔素に穢れが混じり、それを大量に吸収することで、自我を喪い、手に入れた巨大な魔力を扱いきれず、制御不能で狂暴化する。

 そうした個体は、【魔獣】と呼ばれる様になるんです。

説明文が長くなるのは、峠岬(作者)の仕様(デフォルト)です。

文章での表現力を向上したい……。

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