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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第5章─森のお友達♪ もふもふ、スベスベ、どんとこいです!
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お茶会と新たなもふもふ天国? ちっちゃいモノって、どうしてこんなに可愛いの?

「ユナ、少し場所を譲ってもらって、お茶にしましょう♪」


 フォーレお姉ちゃんに促されて、多少惚けながら、お花畑の中央へと向かいます。

 手は繋いだままなので、惚けていても、転ぶ心配は全く無いです。


「ごめんなさい、お邪魔するわね」


 お姉ちゃんの言葉に、お花さんもワラワラと避けてくれます。

 私達が通った後は、再び元の位置に戻ってるみたいで、振り返っても通ってきた道は無くなってました。

 お花さん達は、中央を丸く避けてくれて、邪魔にならない位置に、自分から植わり直して、中央付近がちょっと密集しちゃってます。


「ねぇね、あとでおはなさんつんでもいぃ?」


「ふふふ。お花さんに相談してみたら?」


 お姉ちゃんの魔法とはいえ、自力で動くお花さんや植物さんは、無断で摘むには忍びないです。

 勿論、ちゃんと御伺いしなくては!



 *~*~*~*~*



 最近、お外でお茶をする時は、大きめラグマットを敷いてのピクニックスタイルが定番になってます。

 敷ける広さが確保出来ない時は、収まりの良い場所に厚手の布を掛けて、椅子代わりにしたりもするけどね。


 お姉ちゃんとまったりお茶をする。

 燦々と降り注ぐ柔らかな陽射しが、爽やかな風と相まって気持ちがいい。

 お茶はヌワラエリアのローグロウン(低地産)のストレートを選んだ。

 香りの強い茶葉は、お花畑では不粋だと思ったから。


 クラウディアにある食材は、前の世界にあった物と殆んど同じなわけですが………。

 まさか茶葉の種類や、呼び方まで同じとは思ってなかったので、茶葉の瓶を手にして、【解析】スキルが働いた時は、驚きました。

 しかも、お茶の種類も前の世界以上に豊富!

 クラウディアに来てから、1ヶ月が経つのに、未だ飲んだ事の無い茶葉が存在してます。

 取り敢えず、慣れ親しんだ物から優先的に、色んなお茶を楽しんでます♪


 お茶菓子には、焼き菓子を数種類。

 クッキー各種に、マドレーヌ、フィナンシェやブラウニー。

 パウンドケーキにミニタルト。

 大きい物だと、シフォンケーキとパイ数種類を揃えてみました。

 勿論、甘くない物も用意してます!………が。


 ん~。

 全部並べると、本格的なお茶会or(または)食事会? になりそうなラインナップだなぁ。

 あ、フルーツの砂糖漬けやチョコレート、蜂蜜ミルクの飴やキャラメルも用意してあったんだ。

 どう考えても、作りすぎですね!


 紅茶を飲みつつ、クッキーを齧っていたら、お花畑の外から、ちっちゃい動物さん達が寄って来ました。

 前の世界で見たことのある動物も、クラウディア独自の動物もいますね。


 可愛い♪

 ちっちゃい動物さんの動きって、どうしてあんなに可愛いのかな。

 ぁ、寄って来た。


 小鳥さんと栗鼠さん、手に乗るくらい小さな兎さんが、近寄っては逃げ、近寄っては逃げ、とうとうラグマットの上までやって来ました。

 動くと驚かせちゃうので、視線だけで姿を追います。

 ちょこちょこと近付いて、スカートに触るギリギリまで距離が埋まりました。

 お茶菓子が食べ滓の落ちやすい物ばかりだったから、膝の上にハンカチを広げて食べていたけど、思った以上に広範囲に落ちてたのか、栗鼠さんがクッキーの欠片を拾って不思議そうにしてます。

 兎さんも、マドレーヌの欠片に顔を近付けて、匂いを確かめ慎重に鼻先でつつきます。

 小鳥さんは………ぁ、食べた。

 無警戒でブラウニーから落ちただろう胡桃の欠片を、ひょいっと食べちゃいました。


 ………。

 動物さん達以前に、溢し過ぎデスネ。

 言い訳するなら、3歳児の口って、ちっちゃいんデスヨ……。

 どれだけ大きく開いても、端から溢れるのが、勿体無いデス。


 小鳥さんの大胆さに、栗鼠さんや兎さんも、お菓子の欠片を口にします。

 どうやら気に入ったみたいですね♪

 では、ちょっと失礼。動きますよ~。


「はい、どうじょ」


 お皿からクッキーを取って、小さく砕いた物を、ハンカチに乗せて、動物さん達に差し出します。


 私が動いた事で、一度逃げ出した動物さん達が、ラグマットの上に下ろしたハンカチに、再び寄って来ます。

 細かく砕かれたクッキーを、一瞬だけ躊躇って、それでも誘惑に勝てずに、一斉に食べ始めました。


 可愛らしい動物さん達を見て、ほんわか和んでいたら、最初に1番近くまで寄って来ていた栗鼠さんが、私に走り寄り、スカートの上まで登って来ました。

 私を見上げて立ち上がり、ちっちゃい両前肢を差し出します。


 ………。

 これは、クッキーの催促?


 疑問に思いつつ、新しくクッキーを手に取り、砕かずに差し出してみました。

 栗鼠さんは、クッキーを受け取り、自分の身体の3分の一程の大きさのそれを、端の方からかしかしと囓り始めましたね。


 栗鼠さんの様子に気付いた他の動物さん達も、ワラワラと寄って来ては、お菓子が欲しいと催促してきます。


 なんだろう……。

 レグルス達とは違う意味でのもふもふ天国?

 埋もれる様に、全体で感じるのが、レグルスやシリウス、アルタイルのもふもふ感ですが、今のこれはちょっと違います!

 掌や頬にすり寄る小さな温もり、3歳児の私でも、懐に抱え込める程の軽くて軟か(やわらか)なもふもふ感です。


 ちっちゃいもふもふを堪能していたら、隣からクスクスと笑う声が聞こえます。


「ユナは可愛いわねぇ」


 優しく頭を撫でられて、フォーレお姉ちゃんと一緒だった事を思い出しました。

 ちっちゃい動物さん達が可愛過ぎて、他の事が全部頭から抜け落ちてましたよ…。

 もしかして、お姉ちゃんを無視したりとか、しちゃったんでしょうか…。

 嫌われちゃうかな…。


 不安を感じつつ、頭を撫でてくれる手の優しさに勇気をもらい、お姉ちゃんの様子を、そっと確認します。


 お姉ちゃんは、お母さんにそっくりな、暖かくてやさしい笑顔を浮かべて、私の頭を撫でてました。

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