森の散策♪ お姉ちゃんとお出掛けです♪
新しい章です♪
進んだ時間は短いですが、ユナちゃんは大分馴染んでますね。
相変わらずのゆったり、のんびり、まったり進む、ユナちゃん達の日常を読者様にお届けします。
本日も快晴~♪ 朝です!
クラウディアに来て、早1ヶ月。
新しい月になりました。
私がクラウディアに来たのは、1年の終わりが近い、春の早華月の朔の日だったので、今日は華香月の1日目です。
1年は12ヶ月なので、終わりの春において、残すは後2ヶ月。
華香月と華陰月だけです。
そういえば、クラウディアでの私の誕生日は、クラウディアに来た日になっていて、今の私は3歳1ヶ月になりました。
ステータスに誕生日が記載されてなかったので、昨日初めて知りましたよ……。
「ユナ~、そろそろ出掛けるわよ~」
今日は、フォーレお姉ちゃんやシリウス達と、森の散策に行く予定です♪
道無き道を行かねばならないので、荷物は全部【無限収納】頼りです。
そうそう、お父さんとお兄さん達は、朝早くからドラグーン山脈へと、修行に行ってます。
我が家で暮らし始めてからの日課。
前日にお弁当を用意しておき、お父さん達はそれを持って山に向かい、夜の18刻頃に帰宅するまで修行三昧。
お兄さん達は、帰り着くと庭先でダウン。
レグルスやシリウスに、ベルトを咥えられ運ばれる様子は、中々にシュールです。
手とか爪先とか擦りむかないのかな…。
引き摺ってはないから、大丈夫……かな?
「は~い。いま、いきまぁ~しゅ」
相変わらず噛み噛みですが、諦めはつきました。
3歳児の発音なので、仕方無いよね…。
「忘れ物はない? ぁ、リボンが歪んでるわ。直してあげるから、こっちおいで♪」
本日はお姉ちゃんとお揃いの装いです。
森歩きなので、動きやすい格好を……とおもったのだけど、お姉ちゃんの「大丈夫よ~♪」の一言で、フリルとレースの可愛らしいミニドレスになりました。
お姉ちゃんは、ワインレッドに黒のレースの大人可愛い雰囲気で、私のは淡い桜色に白のレースの正統派乙女な雰囲気。
デザインは同じなのに、色が違うだけで、こんなにも雰囲気が変わるんだなぁ。
スカートはパニエでふんわり膨らみ、その下には僅かに丈の短いドロワーズがチラリと覗きます。
なんだろう……。
前の世界のロリータファッションを彷彿させますね。
いえ、そこまで盛って無いか。
うん。もうちょっとシンプルですね。
「はい、出来た♪ さぁ、行こっかぁ♪」
髪に結んだ幅広リボンをお姉ちゃんに直してもらい、お手てを繋いで出発です!
レグルス達は、一足先に森に見廻りに行っちゃったので、お姉ちゃんと2人、ほてほてと徒歩で行くのです♪
目的地は、お花畑。
色とりどりのお花が咲き誇る、自然の絶景らしいです。
楽しみですね♪
*~*~*~*~*
「はいは~い。ちょっと退いてね~」
お姉ちゃんの呼び掛けに、ワサワサワサっと森の植物さん達が、自力で移動してます………。
………成る程。
これなら格好なんて気にしなくても大丈夫な訳ですね。
ちっちゃい精霊さん達が、植物さん達を追い立てて、植物さん達は上手に枝葉を使い、自ら抜け出して、根子を足みたいに使いながら、器用に避けて道を造ってくれます。
拓いた道の邪魔な石なんかも、ちっちゃい精霊さん達が、『さぁ、退け』『ほれ、退け』『退いた、退いたぁ~』と、森の魔素を使って整地してくれてます。
リュニベール姉様もですが、フォーレお姉ちゃんも呼吸をするのと同じ様に魔法を使ってます。
私の眼に映る世界が、色とりどりの綺麗な光で、眩く幻想的な空間と化してます。
基本は山吹色で、時々白や黄緑が混じり、透き通った淡く明るい光の向こうに、本来の自然の鮮やかな緑が広がる。
悪戯好きな精霊さん達は、家の中には(柵の効果で)入って来れない──悪戯を害として捉えられるのでアウトです──ので、お家の敷地内で魔法──魔素はあるから、基礎保有魔力のみで、発動させます──を使っても、こんな光景は見れません。
お姉ちゃんの魔法が彩る世界に見惚れつつ、手を引かれて進みます。
「ユナ、余所見してたら、転んじゃうわよ? 大丈夫?」
「だいじょうぶ。オルねぇねといっちょだもん」
綺麗な光景をキョロキョロと見回していれば、お姉ちゃんが心配そうに私を見つめていたので、安心してほしくて、満面の笑顔でお返事しました♪
お姉ちゃん頼りの心許ないお返事かも知れませんが、私にとっては絶大な自信ありです。
だって、お姉ちゃんと一緒なら、転ぶ前に支えてくれると信じられますからね♪
例え躓いても、お姉ちゃんと手を繋いでいれば、私が転ぶことは無いと思います!
「─っ! ユナ、可愛い~っ!! 大っ好き♪」
お姉ちゃんにぎゅうっと抱き締められたので、私も抱き締め返します。
「わたちも、ねぇねだいしゅき~♪」
姉妹で愛情確認のハグをして、落ち着いてからまた進みます。
私の家族は、皆ハグが大好きで、割りと状況を無視して、ぎゅってします。
稀にお兄さん達まで巻き込む事も……。
うん。
お兄さん達も、家族にカテゴライズされ始めてます。
お父さんのお弟子さん──しかも、住み込みの内弟子さん──なので、仕方無いよね?
3歳児には、一緒に暮らす人=家族の認識ですよ?
出会った当初は兎も角、お兄さん達が、お姉ちゃん達程じゃなくても、頻繁に構ってお世話してくれるので、私にとって異性じゃ無くなりました。
お兄さん達も、最初は戸惑ってたみたいだけど、慣れた今では、エディ兄さんは全力で遊んでくれるし、クリスお兄ちゃんはお勉強を見てくれます。
行動派と慎重派なお兄さん達は、構い方も両極端です。
お父さんは、お母さんに1番似ている私が、他の男の子と一緒に遊ぶのを渋ってましたが、「おとぉさんのおでししゃんなら、にぃたんたちもかぞく♪」「にぃたんたちとあしょびたい……」と主張したら、なんとか折れてくれました。
いや、「家族なら……いや、でも──私の弟子だし……害虫には……いやいや───」などと、かなり葛藤してたみたいですけどね。
レグルスとシリウスが、呆れた様な深い溜め息をついてたのと、アルタイルの眼が、ニヨニヨしてたのが印象的でした。
聖獣って表情豊かです。
「ん~。そろそろかな」
森の植物さん達に道を造ってもらいながら、暫く進んだ先に、お花畑はありました。
─────綺麗…。
言葉に詰まり、溢れ出たのは、月並みな一言。
私達が暮らす湖と同じくらいの広さが、一面のお花畑でした。
足首の高さまでのお花や、膝の高さまでのお花。
少し奥には、多分腰の高さくらいのお花や、私の背より高いお花もあるみたい。
近くの木々にも、お花は咲いていて、緑をベースに様々な色が、絶妙な配色で散っている。
まさに百花繚乱。
始めて湖を見た時と同じくらいの感動が、私を包み込みました。
お姉ちゃんは楽しそう、お父さんはちょっと残念?
ユナちゃんの家族は、相変わらずです。
新章突入しましたが、物語の起伏も相変わらずありません。
暇潰しにでも、読んでいただければ幸いです。
※ やっぱり、シア様視点を忘れてました。
近い内に書こうと思います。