表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第4章─初めまして! お父さん?
63/169

閑話・確り者の仕事風景。お調子者は自業自得? 神域の日常。

家族視点の最後の1人は、ラメル姉さんです。

お父さんより後になっちゃった…。

スミマセン。


前2人のお姉ちゃん達とは、ちょっと雰囲気が違うかな?


………ん? あれ?

シアお母さん視点って書いたっけ?

 私が寝落ちしていた間に、神域ではフォーレお姉ちゃんと、ラメル姉さんが、大変忙しくしていたそうです。

 帰って来たフォーレお姉ちゃんは、泣いてました。



 ★☆★☆★☆★☆★

 ─海の女神ラメル視点─


「うわぁぁぁんん、終わらないよぅ~」


 あたしが神域に戻ってから、いまだにずっとフォーレの泣き言が止まない。

 それぞれ独立した神域を持っているため、普通なら聞こえる筈は無いのだが……。

 どれだけ仕事を溜めてたんだ?

 と言うか、仕事は眷属に振り分けた(押し付けた?)んじゃなかったのか?


「大丈夫なのか? アレ…」


『問題無いかと思われますよ?』


 口をついて出た疑問に、眷属である“現象の精霊王”の1人、時空の精霊王ツィオが、全く空気を読まない(・・・・)のんびりとした口調で答えた。

 ユナが妹となる前から、あたしの仕事仲間でもあり、侍従の様な立ち位置にいる彼は、主であるあたしだけじゃなく、他人(他女神?)に対しても、思いの外辛辣だ。

 一応あたしの状況を説明するなら、仕事の合間の休憩時間で、ツィオが淹れてくれた緑茶を飲みつつ、クラウディアに降りてた間の進捗状況の確認中でもある。


「………まぁ、いいか」


 いまだ聞こえる嘆きを放置し、あたしも自分の仕事に戻る。

 世界の調整作業は、対象が小さくなる程、細かな微調整が必要で、あたしの仕事は他の2人よりも繊細な技術が求められる。

 まぁ、細かい作業は嫌いじゃないから、大変だとか面倒だとは思わないけどな。


 ………。

 …自分の仕事は…な。


 面倒なのは、共同作業だ。

 リュニベールがクラウディアの環境調整、フォーレが生物の発育調整、あたしが生命の循環調整を担当しているので、バランスを考えながら動かないと、面倒な事この上無いのだ。


「ん~。こいつら増えすぎじゃね? ぁ、こっちは減りすぎ…。

 誰だ? 間引いたの…───げ、コレ育ちすぎだろ…。

 フォーレ…ちゃんと仕事しろや、あの阿呆娘が」


 循環の些細な乱れを見つけ、原因を調べ、対抗策を打ち出す。

 1人でやるには細かすぎる確認作業だが、その為にあたしらには眷属がいる。


 それ以外にも、気に入った者に加護を与えれば、任意で神域に呼び出せる。

 ただし、通常の肉体(・・・・・)を持つもの以外ならば、だが。

 聖獣や精霊、エンシェントドラゴン(古代竜)等、肉体が高位精神体へと昇華したものならば大丈夫だが、人族や獣人族、妖精族や魔族なんかは、肉体があるが故に、神域(ここ)には呼べない。

 肉体が消滅した後でならば、“精神体のみ”迎える事は可能だけどな。


 少し前迄は、今はシリウスと呼ばれてる聖獣“天狼”を、頻繁に呼び出していた。

 仕事が丁寧だし、気配り上手だったから、今でも割りと気に入りだ。

 当時は、フェリシア様(・・・・・・)が、ユナの護りに貸して欲しいと仰ったので、渋々(・・)了承したのだが、今はあの時の自分の判断を誉めてやりたい気分だ。

 可愛い妹の護りとなるなら、加護を強化する事すら、考えているしな!

 リュニベールの加護を持つ“天鷹”や、フォーレの加護を持つ“天虎”も、強化しておくべきか?

 ………。

 取り敢えず、これは後で要相談だな!


『主様、余所事に気を取られていると、失敗しますよ?』


 ツィオに突っ込まれた瞬間、循環操作を失敗し(ミスっ)た。


「のわぁぁぁあっ」


『だから申し上げたのに……』


 呆れた様なツィオの呟きを無視して、状況修復を図る。

 なんとか多大な影響は回避し、循環調整作業を進める。


(あっぶ)ねぇ……危うく1種族が絶滅するとこだった…」


『気を付けてくださいよ? 主様の失態は、そのまま生き物の生死を分けるんですから…』


「だな。何より、ユナの事を考えてたせいで、失敗したなんて、ユナが知ったら泣きそうだもんなぁ。

 気ぃ付けるわ」


『いえ、そうではなく……いや、もうそれで良いです。

 妹様の為にも、お仕事中は考え事は、お控えください』


「了~解~♪」


 会話をしながらも、順調に仕事を進め、漸く終わりが見えた所で、再び休憩を取る。

 時々、クラウディアを“窓”から覗き、ユナの様子を確認すれば、仕事でささくれ立った神経が、穏やかに解されていくのを感じる。

 仕事に戻って間も無いのに、早く会いたいと思える存在が出来たのは、あたしら三柱の女神にとっては、嬉しい事だな。


 ユナの事は、当初は3人ともに複雑な思いがあったが、接してみれば、愛しい程に可愛らしい存在だと知った。


 クラウディアで生涯を終えれば、フェリシア様の眷族である以上、女神へと昇華する事も、輪廻の海へと帰る事も、選択出来る様になる。

 出来る事なら、ユナには昇華を選んで欲しいが、例え転生を選んだとしても、あの()があたしらの妹であることは、変わらない。


 昇華を選べば、クラウディアと同じ様に、神域で家族として暮らせる様になる代わりに、数千・数万・数億という永い年月を、あたしらと同じ様に、1番活性化していた頃(10代後半から20代か?)の精神体(すがた)のまま、大きな変化も無く淡々と生きる事になる。


 逆に、転生を選べば、その精神があたしらの妹であることは変わらずとも、クラウディア以外の世界へと、記憶を消して渡さなくてはならなくなる為、あたしらと再び会える確率は、数億から数兆分の一となるだろう。


 あの娘は、どちらを選ぶのか……。


 クラウディアで過ごす間は、肉体(転移体)と精神の成長が比例する。

 大人になって、老成してから選ぶ未来、不安もあるが、あの娘の成長を見守りながら、あたしらも変わっていくのかもな…。


 取り敢えず今は、転移体に精神が馴染むに連れて、人族の歳相応の成長速度へと変化している。

 ユナがどんどん舌足らずになっているのは、その為だ。

 ほんの数日、されど確実な時間の経過により、あの娘の精神はクラウディアに馴染んでいく。

 これからが楽しみな事には変わらないな。


 さて、さっさと仕事を終わらせて、可愛い可愛い妹の元へ帰る事にしようかね♪


「うっし! サクッと終わらせるぞ~。ツィオ、仕事は後どれくらい───」

 ★☆★☆★☆★☆★

一応この投稿で、この章は最後です。

ラメル姉さんは、作者的にはサバサバした男前のイメージなんですが、ちゃんと描けたかは…。

(;¬_¬)


次の章は、またほんの少しだけ時間が進みます。

一気に数年進むのは、もう少し先になるかな…。


次は森の中に行ってみよう♪

お友達が沢山出来ると良いよね。

ちっちゃいもふもふも、登場予定ですので、お楽しみに。

(・ω・)ノ


※ フェリシア様視点を書き忘れてる気がします…。

後で確認しておきます。

エディくんや、クリスくん視点も要りますかね?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ