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女神様の娘になりました。  作者: 峠岬 嶺
第1章─やって来ました! クラウディア!!
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魔道具のお家探検♪ 迷子になりますか?

「どこらへんに、おけばいいかな?」


『この大木の辺りが、ちょうど良いのでは?』


「そうだね♪ ほうこう(方向)は…。ん。これでよし♪」


 悩みながらも、大木を左手前に置いて、湖を背にした状態にして、ログハウスを建てる。

 大木の近くは、森と湖の境界で、ちょっとだけ高くなってる。

 ログハウスの裏手から湖まで、(ゆる)やかな下り坂が続いてる形だ。

 ここにログハウスがあると、“森を抜けた先にある隠れ家”みたいだ。


「じゃあ、入ってみようか?」


 3匹を促して、早速お家の探検だ♪


 もちろん、出しっぱなしだった荷物は、再び鞄の中へ。

 お片付け、大事ですね! 忘れ物はないかな?

 荷物を拡げていた辺りを、もう1度確認。

 よしっ! それでは、れっつごぉ~♪



 *~*~*~*~*



「ひろ~い。すごいねぇ~」


『広いですね』『広いな』『広いや』


 玄関を(くぐ)って、驚いた。

 空間拡張機能は、伊達じゃない。

 3匹が元の姿で過ごしても、余裕がありそうだ。

 早速あちこち見て回ろう!


 入って直ぐは、エントランスホール。

 吹き抜けになっていて、広々としている。

 左手と正面に扉があり、左手の扉を開けようと、取っ手を掴んだら、ほとんど抵抗無く開いた。

 驚きながら、確認すれば、扉自体に魔法がかかってた。

 つまり、この扉も、魔道具らしい。

 ただし、付属品扱いだった。


 扉の中は、小さな倉庫。


「ん~。まき()とか、おいとく場所かな?」


 奥に扉があるけど、そっちは外に出ちゃうみたいだ。



 *~*~*~*~*



 ホールに戻って、正面の二枚扉を開ける。

 これもやっぱり、抵抗が無い。

 扉は全部、所有者と同居人に対して、無抵抗なのかな?

 広いレセプションホールに、扉の無い入り口があり、暖炉のある広いリビングが見えた。

 右手側は、水回り。左右に扉があり、右がトイレ、左が洗面所みたい。


「わぁ、ここも、ひろ~い」


 トイレも洗面所も、ゆとりを持って作られてる。

 洗面所には、大きめの洗濯機(魔道具)があって、奥の扉から、裏庭に出られる様になってた。



 *~*~*~*~*



 レセプションホールに戻ると、右手奥にも二枚扉があって、そちらは脱衣場とお風呂だった。ここも、かなり広い。

 岩風呂、桧風呂、シャワー(魔道具)。

 他より浅い、タイル張りの浴槽と、充実している。


「わぁ、おふろば(風呂場)いわぶろ(岩風呂)と、ひのきぶろ(桧風呂)がある~♪ みんなの専用ゆぶね(湯船)も~♪ これなら、みんなでおふろ(風呂)に入れるね♪」


『良いですね』


 シリウスが嬉しそうに、同意してくれた。



 *~*~*~*~*



 再び、レセプションホールに戻り、正面に階段。

 その奥に、リビングと同等の広さのダイニングキッチン。


 ダイニングキッチンを見に行こうとして、階段下(横?)に扉を見つけた。


 開けてみれば、地下室への階段があった。

 2階への階段の半分くらいの幅だ。


 降りていくと、階段幅の踊り場があって、左右に扉が2つ。


 左が調合室。

 中には、様々な調合道具が、揃っているみたい。

 正面に大型の薬棚があって、左側に調合台と薬草の保存箱(魔道具)。右側にトイレと、外に続く登り階段があった。



 *~*~*~*~*



 右が大型の書庫。

 蔵書の数が凄い!


(ふわぁ~。ぁ、ソファセットもある。)


 入口横に、扉が2つ。

 右の扉は、トイレ。左の扉は、簡易キッチンで、お茶や軽食の準備が出来る様になってた。

 ちょっとした、お籠りが出来そうだ♪


 林立する書棚の奥にも、扉を見つけた。



 *~*~*~*~*



 そこは、工房(アトリエ)だった。

 鍛冶道具に、錬金術の道具。さらには、各種素材が、揃ってた。

 ここで、何でも作れそう♪

 ここにも、トイレと、外への登り階段があった。



 *~*~*~*~*



 地下室から戻って、ダイニングキッチンを見に行く。


 左側に、大きな対面型キッチン。

 奥に大型の冷蔵庫(魔道具)と、食器棚。

 冷蔵庫の中には、食材がいっぱい♪

 キッチンの足下には、大収納。

 調理道具や調味料も、全部揃ってる。

 食器棚の食器や、調理道具は、大人サイズと、私の専用サイズがあった。


 キッチン前に、広いカウンターと、スツールが5つ。

 その向こうに、大きなダイニングセット。

 10人くらい余裕で座れる。


 そこまで来て、気づいたけど、リビングに続く、大きな二枚扉があった。

 わざわざ、回り込まなくて済む様にだろう。



 *~*~*~*~*



 リビングに入ると、途中から居なかったレグルスが、玄関からの入口正面にある、暖炉の前の、暖かそうな敷物の上に、“元の姿”で寝そべって居た。


『早々に“気に入り”の寝床を、確保してますね…。』


 ちゃっかりしたレグルスの態度に、シリウスは呆れ気味だ。


『おっ! 止まり木がある!』


 私達が入って来た正面、玄関入り口からは右手側に、壁一面の本棚。

 その手前に、落ち着いた感じのソファセットと、アルタイルが見つけた止まり木があった。


「ふふふ。アルタイルは、ソコを“おきにいり”にするの?」


 嬉しそうに、寸前まで居た“私の肩”から、止まり木の方へと飛んだアルタイルに、苦笑が浮かぶ。


『応っ! ちっこいままなら、ユナの肩で丁度良いけど~、元に戻ると、ユナを潰しそうだろ~?』


 アルタイルの言い分に、シリウスと顔を見合わせる。

 確かに、本来のアルタイルの姿で、私の肩に止まろうとしても、3歳児の肩では、絶対的に無理がある。

 もしも、止まり木代わりにするなら、頭くらいしか止まれる場所は、無さそうだ。

 ただし、実行すれば、私は確実に潰れる。


 シリウスの後ろに、テーブルセットもあった。

 私達が入って来た扉の両脇に、玄関側に1つ。逆側に2つ。計3セットがある。



 *~*~*~*~*



 リビングを出て、またもレセプションホールに。

 シリウスとレグルスが、元の姿で擦れ違える程、幅のある階段を上ると、広い踊り場があり、正面に扉が2つ。


 扉の奥は、どちらもゲストルーム。

 ただ、雰囲気が違う。

 片方は、カントリー調の可愛い感じ。

 もう一方は、シックで落ち着いた感じだ。



 *~*~*~*~*



 踊り場に戻ると、階段の左側に、同じくらいの幅の廊下があった。

 廊下の途中、もう少しで、渡りきるという地点の左側に、天井(てんじょう)近くまで続く、スロープを見つけた。

 左側に壁が無く、手摺付きの柵があるだけ。

 ちょっと覗けば、リビングが見えた。

 どうやら、リビングの天井付近、本棚の上の空間に、壁に沿って、スロープが浮いている感じだ。


 廊下の先に、扉が見えていたが、天井に伸びるスロープが気になる。

 登ってみよう!



 *~*~*~*~*



 スロープの終点に、スロープと同じ幅の踊り場。右側に、扉があった。


 そこを開けると、空中庭園だった。


 今まで見てきた部屋等に比べると、小さいと言える場所だったが、煉瓦のプランターに咲き誇る花達が、“癒し”を与えてくれる。

 木製のデッキチェアと、背の低い丸テーブルもあった。

 奥に小さい倉庫があって、そこにプランター以外を収納出来そうだ。



 *~*~*~*~*



 廊下に戻って、先程見えてた扉の方へと向かう。

 

 ほんの数歩で、廊下を渡りきると、また踊り場があり、正面に2つと、右奥に3つ、扉があった。

 こっちの踊り場の方が広いかな?

 正面の扉は、左がゲストルーム(3部屋で1番広い)で、右が同じくらいの広さのホストルームだった。


 ゲストルームは、ナチュラルで優しい雰囲気。

 ホストルームは、パステル調の明るい雰囲気で統一されていた。



 *~*~*~*~*



 ホストルームが、私の私室みたいだ。


 正面は、1面全てが硝子張り。その向こうに、ベランダが見える。


 左の壁際に、大人が3人で寝ても、余裕がありそうな天蓋付きのベッド。


 ベッドの上には、クッション(クリーム色)がいっぱいあった。

 ベッドカバーと羽布団は、天蓋と同じ桜色だ。

 中の毛布は、薄い薔薇色だった。


 ベッドの横には、同じ高さのチェストと、釣り鐘型のお花を模した間接照明(魔道具)。

 足下には、小さな昇降台。


 チェストの手前に、大きめの籠に、クッションを敷き詰めた物が2つ。

 それぞれ、薄い空色と藤色に染められていて、中のクッションは、どちらも若草色だ。


「これって、ちっちゃい時のシリウスと、レグルスのベッドかな?」


『その様ですね』


「じゃあ、これは、アルタイルのだね♪」


 チェストの上、間接照明の右側にも、足元の2つの半分くらいの籠があった。

 これは、クリーム色のままの物で、中のクッションだけ、ほかのふたつと同じ若草色だ。


 ベッドと逆側に、壁の半分くらいの本棚と、手前に揺り椅子と小さめのサイドテーブル、少し離れてアンティークのテーブルセット。


 本棚の横には、扉が2つ。


 本棚から遠い壁側は、書庫にもあった、簡易キッチン。


 本棚に近い左側は、私くらいの“おちびさん”なら、かくれんぼが出来そうなウォークインクローゼット。


 クローゼットには、色んなサイズの女物のお洋服がたくさんあった。

 ドレッサーや、フィッティングルームも、ここにある。


(クローゼットの中なのに……)


 小物類や、アクセサリーも、これでもかって揃ってました………。



 *~*~*~*~*



 私室を出て、残りの扉を確認する。


 右奥にあった扉は、左が洗面所、真ん中がシャワールーム、右がトイレだった。


 ン? 私室とここだけで、生活出来るんじゃ………。


 ……………。


 うん。私は何も気付かなかった!



 *~*~*~*~*



 一通り探検して、満足したから、リビングに向かう。

 最後まで探検に付き合ってくれたのは、シリウスだけでした。

 もぉ~。普通、男の子って、探検好きなものなんじゃないの~。


『お帰り~♪』


 リビングに戻ると、アルタイルが迎えてくれた。レグルスは、爆睡中だ。


 止まり木の手前のソファに、よじ登る。

 3歳児には、ちょっと高いのです。

 背負ったままだった魔導鞄から、茜色の水筒を取り出します。

 選んだのは、ホットミルク♪

 先に貰いはしましたが、独り占めはいけません。

 みんなにも、あげましょう♪


 シリウスや、アルタイルと、同じカップ(水筒の蓋)で、まわし飲みです!

 ちょっと、お行儀は悪いけど、歩き回って、疲れました!

 食器を用意するのが、面倒なのです。

 許してくださいね。


 カップにホットミルクを継ぎ足そうとすると、シリウスがソファに飛び乗り、アルタイルが背凭れに飛び移ってきました。

 3人(1人と2匹)で、満足するまで、ホットミルクを堪能し、もう1杯だけカップに注ぎます。

 レグルスは、一応猫舌さんなので、冷まして置きます。当人も、爆睡中なので、起きて来るまで、放置します。


 時間は、16刻前。

 もうすぐ街では、夕の鐘といわれる【水の鐘】が鳴る時間(午後4時)。

 他にも、色々確認して、夜のご飯も作らねば!


 ぁ、その前に。

 お家での最優先ルールです。


 普段は、元の姿で生活しましょう!

 みんなで、のびのび暮らすんです♪

 ただし、家族以外がいらした時は、縮小化してください。

 大きいままだと、お客さんが驚きます!

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